漫画家いしいひさいち。
デビュー40周年を記念して特集された本です。
発行は2012年。
いしいひさいちといえば、やはり「がんばれ!!タブチくん!!」でしょう。
これで一般にも知られる漫画家となりました。
それ以前にも「Oh!バイトくん」なんかでマニアからは高い評価を受けておられましたが。
ギャグのセンスが投げやりといいますか、起承転結なんて枠にはまらない意味があるのかないのか読者に頭を使わせるような作品も多数。
それまでの4コマ漫画の既成概念から飛び出された作風です。
なので多くの漫画家に影響を与えました。
朝日新聞に連載の「ののちゃん」に対しても意味がわからないというようなクレームもあるとか。
たしかに朝日新聞にいしいひさいちのマンガなんてすごいミスマッチな気がします。(笑)
そしてキャラがすごいんですね。
マンガというのはやはりキャラの魅力です。
この人の描くキャラはぶち抜きんでています。
例えばヒロオカの沈着冷静で馬鹿馬鹿しい圧倒的な存在感。
シノヅカなんてピカソの絵のごとくまったく原型を留めていませんが(笑)、やはりシノヅカなんですね。
ヒロサワも同じく。
あの口の位置。(笑)
小沢一郎なんて秀逸です。
記号のようなパーツで構成された顔といったら。
エリツィン、アラファト議長なんてもう完全にいしいキャラと化しています。
ここまで各界の著名人をキャラ化してしまうなんてすごいです。
キャラの天才ですね。
えっと、この本ですが、いろんな漫画家の寄稿があります。
いがらしみきお、しりあがり寿、とり・みき、吉田戦車、他多数。
大友克洋のリスペクトインタビューもあります。
取材嫌いのいしい氏なので、アイデアノートや仕事場の公開なんて貴重なんじゃないでしょうか。
単行本未収録作品も掲載されており、存分にいしいひさいちを楽しめる一冊です。