相撲を廃業した元力士はただのデブ・・・・。
そこそこの地位まで上り詰め年寄株を手に入れて親方になったりタレントとして活躍できればいいですが、そんなのはごく一部の人。
大半の人たちは一般社会に転進していきます。
しかし大学を卒業していればまだしも、中卒となるとつぶしがききません。
相撲協会理事長の南ノ峰親方はそんな人たちに心を砕き、角界を去る人たちの受け皿として警備会社を設立しようとします。
親方からの依頼で協力するのはサラリーマンで勤め先が相撲部屋の後援会に関わっているという近藤秀明、会社に希望も未来もなく退職した井上親司と山本真治、そして芸能プロダクション社長の木原敦子。
4人は郷里の中学高校の同級生です。
元力士たちの警備会社は『ドスコイ警備保障』と名付けられます。
さて、会社はうまく経営していけるのか・・・・。
発想は面白いですね。
ガードマンが皆元力士なんて最強です。(笑)
会社はなんだかんだと話題になり、世界的大スターのマーク・ジョンソンの日本ツアーや、東京で行われるボクシング世界ヘビー級統一世界タイトルマッチの場内整理とホディガードの依頼を受けたりすることになります。
このあたりのトントン拍子はちょっと調子がよすぎますけども、外人にとってスモウレスラーのボディガードというのはなるほど物珍しく頼りにもなる存在でしょうから、上手く面白い展開かなと思います。
川上健一の「宇宙のウインブルドン」と同じようなノリを感じました。
ただそこに至るまでにもうちょっと普通の地味な警備業務を描いたほうがよかったと思いますが。
そして南ノ峰親方を始め、各登場人物に感動的なドラマもあります。
デビュー作の「都立水商!」もそうですけど、現実離れしていますがイケイケ感のある展開が楽しい。
ややまとまりのない印象もありましたが楽しめました。