2016年05月09日

「はじめての恋でした」水城夕

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坂井綾子は結婚式場に勤めています。

ある日、高校時代の初恋で片思いの相手だった千葉陽介が婚約者を連れて客として訪れます。

陽介を祝福しながらも幸せに満ちた婚約者の明美を見ると切なくなる綾子。

そんな綾子に思いを寄せる同僚の上村。

悲しそうな綾子に上村は告白し、ふたりは付き合い始めます。

後日また式場を訪れた陽介と明美ですが、綾子のミスのために明美は事故で命を落としてしまうのです。

婚約者を失った陽介は綾子を恨み、自分の部屋に軟禁し一生かけて償えと激情します。

「俺の命令のみに従う奴隷になればいい」と綾子を犯すのです・・・・。

エタニティブックスには珍しく(?)、ややミステリー仕立ての内容です。

事故は実は人為的な疑いがあり、綾子を思う上村が関わっている可能性が浮上してくる流れはちょっとミステリーっぽい。

しかしその後上村は・・・・。

う~ん、まあなんとも粗いですね。

明美があっけなく死んだときはおもわず「えっ」て声を上げてしまいました。

原因がまた取って付けたようで、いくら時間があるとはいえ結婚式場が営業中に従業員みんなで清掃してるなんてあり得ませんし。

しかも手すりを磨くためのワックスをバケツに入れてたって、んなアホな。

指輪がどうのこうのというのも。

軟禁されてからの綾子の心理もちょっとなぁ。

陽介への思いといえば聞こえはいいですが、自分のそれまでの生活や上村のことなどなんにも考えず、セックスに溺れ幸せに浸っているおバカっぷり。

なのでいちおうハッピーエンドな結末ですが、あくまでそれは今だけのことで。

それだけに含みのある怖さはあります。

もうひとつ収録されている「恋がはじまるとき」は陽介の視線で書かれた中学高校時代の話。

綾子との出会いが描かれています。

なるほど、陽介と綾子の過去というだけでなく、陽介のエピソードを描いて先の話の伏線としているわけですね。

posted by たろちゃん at 03:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 『み』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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