スコットランドでの大学生活もあと1年となったとき、『自分が本当にしたいことはなんだろう』と著者は進路に悩みます。
ちょっとした紆余曲折があり、夢であったロンドンの「ル・コルドン・ブルー」に入学することに。
異国でのシェフ修行が始まります・・・・。
う~ん、なんでしょう、この読後感は。
いろんな人種が集まる外国の料理学校での修業というのはもちろん大変だと思います。
苦労のエピソードもたくさん書いておられます。
でもなんだか違和感があるのは、修行の日々というよりもエピソードの羅列という印象が強いせいでしょうか。
料理修業といういちばんメインになるテーマに芯が通っていないといいますか。
ご両親がニューユークに住んでおられ(その前はロンドン)、どうやら裕福なご家庭のようです。
著者自身ももちろん外国住まいで、なので一念発起して日本からまったく言葉の通じない外国に旅立って・・・・というシチュエーションではないんですね。
学費はもちろん親持ち。
このあたりでどうも鼻白んでしまったのかもしれません。
そのような背景と著者の料理に対する情熱や行動はまったくの別物だというのはわかっているのですが。
気の強そうな文章がよけいにそう思わせたのでしょうか。
可愛げがないといいますか。
「可愛げなんて必要ないしそんなことで外国でやってられるか。大きなお世話だ」と言われれば「はい、左様でございます・・・・」としか言いようがないんですけども。
以前にやはり女性が「ル・コルドン・ブルー」に料理留学するという、タイトルもよく似た本を読みました。
そちらはパリの「ル・コルドン・ブルー」ですが。
その本は実に楽しく読めたんですけどね。
って、人それぞれ、比べてはだめだと思いつつ、しかし本であるからには読者の感想というものがついてまわるわけでして。
ラベル:グルメ本