2017年06月11日

「かけおちる」青山文平

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柳原藩執政の阿部重秀は農政の実務に強いいわゆる地方巧者。
門閥には連ならない生まれながらも重責を務めています。
片腕の中山藤兵衛、阿部家若党の啓吾、娘婿の長英らの助力を得ながら、藩財政を立て直すことに尽力しています。
そんな重秀ですが過去にある事情を持っており、いつまでもこのような立場に居るわけにはいかず、そろそろ身を引こうかと考えている矢先。
江戸にいる長英に異変があり、啓吾もまた重秀を裏切ることに・・・・。
タイトルの「かけおちる」はいわゆる男と女の駆け落ちですね。
これが重秀が過去に抱える問題であり、また現在においても大きく関わってくる問題となります。
男と女が駆け落ちる。
そこにはどのような事情があるのでしょう。
この作品においてその行為は決して自分たち本位の行為ではありません。
重秀は自分が何も見えていなかったことに気づき、自身の至らなさに気づかされるのです。
人を思う気持ちの健気さ、尊さ、献身さ。
そういうのがひしひしと伝わる作品でした。
ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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