2018年01月03日

「東京新大橋雨中図」杉本章子

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時代は江戸から明治へ。
小林清親は木版浮世絵師。
もとは御蔵屋敷の御勘定掛でしたが絵師となり、光線画と呼ばれる「東京新大橋雨中図」が話題となります。
その後も数々の話題作を発表しつつ、嫂への恋情、幼馴染みとの友情、結婚生活の破綻、絵への思い、いろんなものを抱え激動の時代を生き抜いていく清親の半生が描かれていきます・・・・。
小林清親というのは実在の人物です。
ですがこれは小説なので、細かなところはもちろん作者による創作でしょう。
作者の筆による清親が実に魅力的に描かれています。
見た目はいかついのですが、実直で女性にはシャイで不器用で、温かみのある男です。
そんな清親が騙りにあったり大きな失敗をしでかさないかと気になりますが、話自体にも悪人が出てこないので安心して読めます。
みんなけっこういい人で清親を支えてくれるんですよね。
逆にいえば大きな山や谷がないということで波乱万丈感は薄いですが。
しかし時代背景もうまく取り入れ、実に読み応えのある味わい深い作品だったと思います。
ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『す』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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