2018年02月24日

「本にだって雄と雌があります」小田雅久仁

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深井與次郎曰く、「あんまり知られてはおらんが、書物にも雄と雌がある。であるからには理の当然、人目を忍んで逢瀬を重ね、ときには書物の身空でページをからめて房事にも励もうし、果ては跡継ぎをもこしらえる・・・・」
與次郎の孫、博は小学校4年生の夏、初めて深井家の屋敷に1人で泊まります。
そのとき、まさにその事実を目の当たりにするのです。
そして大人になり、祖父與次郎の日記から與次郎とその妻ミキがどのように出会い、どのような人生を送り、どのように本と関わってきたのか、深井家にはどのような歴史があったのか、またどのような事実が隠されていたのか。
博はそれを解き明かしつつ、息子の恵太郎に語って聞かせます・・・・。
こりゃまたなんとも壮大な法螺話ですね。
実在する人物の名前も散りばめたりして、なんだか威厳のある本当のような噓の話になっています。
私的には與次郎とミキの出会いあたりが面白かった。
ちょっと森見登美彦的な雰囲気も感じたりして。
本がまるで生き物のように扱われているのですが、これが人間みたいに喋ってしまってはマンガです。
さすがにそのあたりはきっちりと線引きしておられますね。
ファンタジーといいますか、伝奇ロマンといいますか。
どういえばいいのでしょう、本を愛する物語であり、與次郎とミキの夫婦愛の物語であり、深井家の歴史の話であり・・・・。
なんともいえない雰囲気に浸れる作品です。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『お』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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