2018年05月13日

「おそめ 伝説の銀座マダム」石井妙子

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昭和23年。
京都の木屋町にバーが開店します。
店名は「おそめ」。
マダムの名は上羽秀。
祇園の元芸妓です。
人を惹きつける天性の魅力を持った秀の「おそめ」は、作家、作曲家、映画監督、ジャーナリスト、様々な著名人の客にかわいがられ大繁盛します。
その噂は東京銀座にも聞こえるほど。
そして昭和30年。
いよいよ銀座に進出です。
銀座のマダムたちの激しい嫉妬を買いながらも、「おそめ」は瞬く間に頂点に駆け上がります。
京都と東京を飛行機で行き来し、『空飛ぶマダム』と呼ばれ時の人となった「おそめ」こと上羽秀。
小説のモデルにもなりました。
そんな秀とはどのような人物だったのか・・・・。
伝説の店といいますか伝説の女性といいますか。
常連客にずらずらと時代の著名人たちの名前が出てきます。
川端康成、大佛次郎、吉川英治、服部良一、小野安二郎、白洲次郎・・・・。
作家らが今よりもずっと存在感のあった時代です。
それらの著名人たちに愛されたわけですが、しかし秀は計算してそれらの客を常連としたわけではないんですね。
むしろまったく計算などできない人。
ほんとに天性の魅力だけで男たちを惹きつけたようです。
天真爛漫で商売気がないといいますか、着るものも地味だったようですし、現代の銀座マダムとはまったく正反対のような人ですね。
そしてただ一人の男を愛し続けた健気さもありました。
文壇や昔ながらの銀座のバーは「おそめ」と共に終焉したと著者は見ます。
そういう意味では夜の銀座や文壇の歴史を記した一冊ともいえますね。
著者の綿密な取材が成果を上げたいいノンフィクションでした。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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