2018年06月24日

「脱・限界集落株式会社」黒野伸一

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前作では高齢化で過疎となった止村という田舎を救って再生させることに成功した多岐川優。
これはその続編で4年後の話です。
止村には巨大なショッピングモールができます。
目玉は『渋谷マライア』という東京で人気のファッションビルです。
それがテナントとして入ることになりました。
その盛り上がりの影響で麓の街にも駅前の再開発計画が持ち上がります。
昔ながらの雰囲気が魅力ある駅前商店街が、金儲けしか考えていないような連中につぶされてしまう。
考え方の違いから家を飛び出した多岐川優の妻、美穂は商店街のために戦います。
そして優もそれに協力し・・・・。
昔ながらの商店街や風景を残すのか、開発して新しい町を目指していくのか。
現実でもよくある問題でしょう。
その結果はほとんど後者じゃないでしょうか。
昔ながらの人情ある商店街だののどかな風景だのいっても、大部分の人は都会の便利な生活からはいまや抜けられないはずです。
商店街の個人店での買い物よりも、コミュニケーションしなくて済むスーパーやコンビニでの買い物のほうがいいと若い人たちは思っています。
そんな人たちは今後もどんどん増えていく。
なのでこういうのって都合のいい理想なんですよね。
自分は都会的な生活を維持しつつ、でも昔ながらの風情は残しておいてほしいっていう。
だからこそこのような小説が理想のシチュエーションとして読まれるのでしょう。
現代社会において、カタルシスを満たす内容ですね。
でも実際にこのような生活を維持しようとしておられる人たちもいらっしゃいます。
少数派だと思いますが、私は支持したい。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『く』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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