2018年06月26日

「ボランティア・スピリット」永井するみ

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K市にはある大手建設会社の本社があり、その傘下のさまざまな会社で外国人労働者が働いています。
そういった人たちのためにボランティアが始めた日本語教室が市民センターで開かれています。
講師はすべて日本人ですが、いろんな国籍や年齢の生徒たちが集まります。
そんな中で起こる些細な(?)事件・・・・。
連作短編集です。
外国人教師の下に日本人が通う英会話教室ではなく、外国人のための日本語教室というところがミソですね。
立場的に講師である日本人の上から目線的なニュアンスがあります。
生徒たちはアメリカ人やイギリス人フランス人とかではなく、中国人、韓国人、フィリピン人、イラン人といった国の人たち。
どうも彼らは外国人だからというだけで偏見を持たれているようです。
表題作の「ボランティア・スピリット」では李早雪という韓国人留学生が現金を盗んだ疑いを持たれます。
「冬枯れの木」ではナディームというパキスタン人が放火の疑いをかけられます。
「ジャスミンの花」でもやはりナディームがストーカーとして疑われます。
それぞれ疑わしいシチュエーションあってのことなのですが、結局は誤解であったことが判明します。
結局悪いのは日本人であり、はなっから彼らを疑ってしまうその心です。
かといって日本人のほうから親しく近付いたかと思えば打算があったり。
親切な外国人を陥れようとしたり。
なんだかなぁという感じですね。
日本人の外国人に対する偏見への皮肉が込められています。
ところで気になったことがひとつ。
「冬枯れの木」ではナディームが結婚していることになっているのに、その後の「ジャスミンの花」ではなぜか独身ということになっています。
はて。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『な』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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