2019年02月24日

「明日を知らず」芝木好子

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昭和十八年、春。
結婚して三か月目に出征した良人は戦死し、津川麻子は二十二歳で未亡人となります。
それからいくらも経たないうちに良人の弟との再婚話が持ち上がり、周囲が二人を結び付けようとします。
いたたまれなくなった麻子は叔母のいる満州へ逃げ出します。
そこで出会ったのが妻子ある緒方。
二人はいつの間にか愛し合うようになるのですが・・・・。
仕事に一途な男を愛し追いかけるというのは、芝木作品のひとつのパターンですね。
過去にも何作かそのようなシチュエーションの作品を読んだように思います。
この作品では満州が舞台となっており、緒方は開拓団の指導者であり、理想の土地を作る夢に燃えています。
しかしソ連の条約違反による侵攻により、満州の人たちは今まで築き上げてきた土地を一夜にして手放し死に物狂いて逃げ出す羽目になるのですね。
夢破れ、立場上責任を感じて憔悴する緒方。
出会った当時の精悍さは見る影もありません。
それでも思い続ける麻子ですが、悲惨なその出来事が二人の愛にも影を落とすことになります。
戦時の満州という歴史を描き、男女の愛を描いた作品です。
ですがどうもいつもの芝木作品のように入り込めませんでした。
私には話の展開が唐突で不親切に感じられましたもので。
重い背景を扱っておられますが、芝木作品の中では小説としての出来はどうなのかなという印象です。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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