2019年10月08日

「いつまでも白い羽根」藤岡陽子

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家庭の事情もあり大学受験を失敗した木崎瑠美。
気が進まないながらも看護学校へ進学します。
そこで知り合ったのが山田千夏。
不器用ながらも前向きな千夏、やる気はないけれども成績はいい瑠美。
タイプの違う二人ですが親友となります。
そして主婦の佐伯さん、美貌ですが影のある遠野藤香と同じ実習のチームになり付き合うこととなります。
千夏、佐伯さん、藤香、それぞれが口にはしないものの、重いものを抱えています。
実習では患者や医療の現実を目の当たりにする毎日です。
そんな日々を過ごしつつ、気が乗らなかったはずの瑠美の心は徐々にほぐされていきます・・・・。
主人公の瑠美は不器用といいますか、思ったことを口にせずにはいられない勝気なタイプ。
それでけっこう損をするんですよね。
親友の千夏はモアイとあだ名されるような見た目はあまり女性らしくなくもっさりしているのですが、しかし非常に繊細な心を持っています。
この千夏のキャラがかなり魅力的です。
私は瑠美よりも千夏ですね。
見た目はあまりよくないようですが。(笑)
千夏がこういうキャラだからこそ瑠美がまた引き立つんでしょう。
作者は現役の看護師とのこと。
また子供を持つ主婦でもあります。
なのでその立場をじゅうぶんに反映しておられるのではないでしょうか。
実習のリアリティはやはりご自身の経験が生かされているのでしょうし、佐伯さんの設定もまたご自身を重ねられていると思われます。
そしてとても丁寧に主人公の成長を描いておられますね。
千夏、佐伯さん、藤香の生き方も皆真摯です。
作者の優しさといいますか想いといいますか、そういうのがしっかりと伝わってくるいい小説でした。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ふ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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