2020年04月03日

「人もいない春」西村賢太

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短編集です。
6編収録。
主人公はおなじみ北町貫多。
名前からもわかるように作者の分身ですね。
表題作では貫多は製本所に勤めています。
中学を出て2年ほど。
日払い週払いの仕事で凌ぐその日暮らし。
ろくでもないくせにプライドだけは高い貫多は、仕事でミスを注意された職工に恨みを持ちます。
ある日の昼休みに気の短い貫多は、その職工に「能なし」などの啖呵を切ります。
その結果はもちろん仕事の契約打ち切りで。
こんな調子で、しかし自分を正当化して日々暮らしていく貫多です・・・・。
いつものごとく作者をモデルとした北町貫多のシリーズです。
小心者のくせにプライドだけは高くキレやすい。
なのでモテないくせに奇蹟的に同棲してくれている秋恵にはボロクソです。
毎度同じパターンなんですけどね。
マンネリといえばそうなんですけど、でも読ませられてしまいます。
今回、「悪夢 ― 或いは「閉鎖されたレストランの話」」というのがありまして、これは擬人化したネズミを主人公とした話です。
いつもの私小説とは違い、なんでこんなのを書かれたのかわかりませんけど。
寓話的な雰囲気の話ですね。
まあいつまでも北町貫多というわけにはいかないでしょうから、このような試みもいいかと思います。
あまりらしくないですけどね。(笑)
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『に』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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