2020年04月07日

「負け逃げ」こざわたまこ

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隣町に行く国道沿いに何軒もラブホテルがある村。
逆にいえばそれしかないようなド田舎です。
夜中にそんな国道をウォークマンで大音量の音楽を聴きながら滑走するのが好きな僕。
ある夜、僕は国道でクラスメートで足の悪い野口という女子生徒と遭遇します。
彼女を自転車の後ろに乗せ、こんところでなにをしていたのか尋ねると、ラブホテルで男とセックスしていたとのこと。
村いちばんのヤリマンといわれている彼女は、村に復讐するためにすべての村の男たちとセックスするのだと言います・・・・。
「僕の災い」というデビュー作を筆頭にした連作形式の長編です。
このあと主人公を変えて話が進んでいきます。
友情、いじめ、不倫、家庭崩壊、出会い系での性交渉・・・・。
いろんな視点でいろんなテーマが描かれています。
ド田舎の村という閉ざされた空間での閉塞感。
もがくように村にしがみつき、あるいは飛び出していく人たち。
村という舞台設定だからこその話ともいえますが、しかし都会でも変わらないのではないかという気がします。
誰しも常に自分の居場所はここなのか、という疑問を持っているんじゃないでしょうか。
それは住居ということだけでなく、アイデンティティとして。
でも結局どこにも出口や理想の地というものはないんだろうな、と。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『こ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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