2020年05月05日

「主婦病」森美樹

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6編の短編集です。
最初の1編以外、主人公はみんな主婦。
それぞれの話に直接のつながりはありませんが、金髪の若い男がどの作品にも出てきます。
物語のつなぎのような役割ですね。
2番目に収録されている「まばたきがスイッチ」というのがデビュー作です。
主人公は40歳手前。
夫は市役所勤務の平凡で面白味のない男です。
子供はいません。
夫が出て行ったあとはテレフォンセックスのサクラのバイトで小遣いを稼いでいます。
その都度いろんなキャラクターの女を演じて。
新聞の悩み相談室に載っていた『たとえ専業主婦でも、女はいざという時のために最低百万円は持っているべきでしょう』という回答を目にしたのがきっかけです。
経済的には夫の収入で十分なので専業主婦。
しかし妻に全く関心を持たない夫と平凡な毎日。
なんの刺激もないですよね。
時給2千円のサクラのアルバイトも毎日義務のように淡々とこなしています。
そんな彼女が唯一ときめくのが金髪の若い男。
主人公の住んでいるマンションの隣には木造の男子寮があるのですが、毎朝洗濯物を干すときにベランダから見下ろすと金髪の若い男が同じように洗濯物を干しています。
彼を眺めるわずかな時間だけが彼女の胸を高鳴らせます・・・・。
平凡な日常。
でも平凡の裏といいますかすぐそばには人生の岐路が隠れていたりするのだなと。
そんな思いを持ちました。
その岐路に自分から踏み出すのか向こうからやってくるのか。
それはわかりませんが。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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