2020年05月11日

「紀伊物語」中上健次

CIMG3638.JPG

大島から路地にやってきた道子。
道子の母静子もこの土地で淫乱な女として忌まわれていました。
複雑な血の繋がりがあるこの路地。
そんな土地で道子はなにをしようというのか・・・・。
これね、あらすじを書きようがない。(笑)
「大島」と「聖餐」という2編なんですが、ひとつの長編として読んでもいいでしょう。
思ったのは、道子の変貌ぶり。
「大島」で処女だった道子がなんで「聖餐」でこんなヤリマンになるの?
わけわかんないです。
路地でバンドを組み、半蔵二世が歌う「マザー、マザー、死のれ、死のれ」という歌。
これが路地の終焉に重なります。
中上の作品でお馴染みのオリュウノオバも出てくるのですが、作中で死去します。
まさに路地の終焉なんですよね。
で、「どうだったの?」と問われると、「どうだったんでしょうね」としか私には答えられません。
この作品で中上はこのようなことを主張していたのだ、なんてこと私にはわかりません。
しかし読後感はずっしりときました。
中上健次の小説って、私にとってはすごく重い。
大げさと思われるかもしれませんが、「よっしゃ、読むぞ!」と気合を入れて読まなければならないんですよ。
軽い気持ちで読める小説じゃないんですね。
なので読んだ後は脱力感があります。(笑)
これ、文学の力でしょうか。
この「紀伊物語」、中上作品のなかではもひとつ主流ではないなと思うのですが、しかしベッタリと路地を描いておられるのは貴重かなと思います。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『な』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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