2020年06月06日

「わが愛しの芸人たち」吉川潮

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演芸評論家の著者がいろんなところに書いた文章をまとめた一冊です。
新聞、雑誌だけでなく、落語会のプログラム、ビデオやCDの解説なども収録しているとのこと。
なので統一感というかまとまりはありませんが、そんなのは大したことではありません。
さて、紹介されているのはやはり東京の芸人が多いですね。
大阪人の私としましては上方の芸人が少ないのはちょっと寂しい。
これはもう著者が東京を拠点にして活動しておられたということでしょうがないのですが。
それでも桂あやめという女性落語家を取り上げておられますし、横山やすしなんていう誰もが知る漫才師についても書いておられます。
あとなぜか(失礼)チャーリー浜。
できれば笑福亭松鶴や桂米朝、桂枝雀らについて著者の手によりじっくり書かれたのも(あるかないか知りませんが)読みたかった。
さて、登場する人物で「ん?」と思ったのがショパン猪狩という芸人さん。
東京ではどうなのかわかりませんが、関西でこの名前を知っている人はほとんどいないのでは?
じゃあ東京コミックショウといえばどうでしょう。
若い人はともかく、ある程度以上の年齢の人なら「あ、聞いたことある」となるのでは。
ではもひとつ突っ込んで「レッドスネーク、カモン」とか言いながら、3つの壺から色違いの蛇を出す人といえばどうでしょう。
「知ってる!」となるんじゃないかと思います。
あの芸人さん、ショパン猪狩さんとおっしゃったんですね。
落語家では三遊亭圓生や古今亭志ん朝について書かれていますが、立川談志については一つの章を設けて書いておられます。
著者は談志にぞっこんだったようで。
これは著者に限らずなんですけど、談志の信者というのはむちゃくちゃ多い。
実は私はいまだ談志のよさがわからないんですよねぇ。
好みと言ってしまえばそれまでなのですが、しかしこれほど評価されている人の落語がさっぱりわからないというのも自分の感性が鈍いのかなと思ってしまったりします。
なにしろいろんな人がこの人の弟子になっているくらいですから。
ビートたけし、上岡龍太郎、高田文夫、赤塚不二夫団鬼六・・・・。
ただこれは普通の弟子入りとは違って有名人枠という上納金を払えば弟子になれるというコースだったそうですが(笑)、それでもあのうるさい上岡龍太郎なんかが弟子になるなんてのはやはり相当評価しておられたということでしょう。
著者の辛口がよく効いているのが『芸術祭』について書かれた章です。
主催している文化庁から依頼があり、審査委員を務めたとのこと。
それについての裏話を暴露しておられます。
まあ役所なんて所詮こんなもんだなという感想です。
現在人気の春風亭昇太や立川志らくについての文章もあります。
こういう人が書かれた芸人についての話。
もっともっと読みたいです。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『よ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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