2020年09月25日

「喧嘩猿」木内一裕

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時代は幕末。
ペリーの黒船が来航した頃のこと。
といいましてもこの小説の内容にはそのような幕末感はないのですが。
主人公は森の石松。
清水の次郎長の子分として有名な人物ですが、この小説はそれ以前の少年時代の石松の物語です。
黒駒の勝蔵という人物に左目をつぶされ池田鬼神丸という名刀も持っていかれた石松は、傷も癒えぬうちに故郷を飛び出し後を追います。
旅の途中で武居の吃安というやくざと出会い、いよいよ勝蔵のもとへ・・・・。
やはり読ませてくれましたね、木内一裕。
これは作者にとって7作目の作品であり、初の時代小説。
解説によりますと昔の講談本を手本にされているとのことで、昔の字体を使った漢字が多用されており、また文体も同じく。
なので最初は見た目のページの字面にちょっと引きまして、だいじょうぶかなと読み始めたのですが。
なんのなんの。
逆にこの文字使い文体あっての作品です。
ぐいぐいと引き込まれました。
石松をはじめとして、吃安にしろ勝蔵にしろ、その他の人物にしろ、実に迫力があります。
石松の無鉄砲な魅力がいいですね。
他の登場人物にしても。
いやしかしこの作者、このようなジャンルでも存分に才能を発揮しておられます。
小説家としてまったく評価されていないのが不思議でなりません。
ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『き』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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