2020年10月01日

「愛を振り込む」蛭田亜紗子

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6編収録プラスエピローグの短編集です。
表題作の「愛を振り込む」。
主人公の穂乃花はあるブログの更新を毎日チェックしています。
メンヘラな男性のブログなのですが、当然そこにはネガティブなことしか書かれていません。
なかなか更新されないのですが、更新があれば1000円振り込むことにしています。
この主人公、桜井穂乃花というマンガやアニメのヒロインのような名前ですが、ルックスはかなり強烈らしく、「妖怪、油粘土、瘤取りババア、ヘドロ、酢豚、ゾンビ、吐瀉物ちゃん」などなど過去にいろんなあだ名をつけられています。
しかも過去に出張ホストに入れあげて会社の金を横領し、800万円もつぎ込んで留置場に入った“前科者”です。
現在は弁当を作る工場で働き、ブログの彼にお金を振り込むことが心の支えとなっています。
客観的に見るとバカな女なんですよね。
でも健気。
会社の金を横領して健気もないでしょうけど。(笑)
他の収録作もそうなんですけど、どれも人生を謳歌しているとは言い難い女性たちが主人公です。
むしろマイナスに針が振れている人たち。
皆鬱屈を抱えてるんですよね。
さまざまなタイプといいますか事情を抱えた女性たちが登場するのですが、これ、読んでいて誰もがどの人物かには心当たりを感じるんじゃないでしょうか。
女性に限らず男性も。
この短編集、それぞれの話にほとんど繋がりはないのですが、1枚の千円札がずっと各作品内のあいだで彷徨しています。
なんだかんだ、やはり人の行動は金とは切り離せないんですねぇ・・・・。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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