イギリスの料理がまずいというのはよくいわれることで、半ば常識といっていいような風潮です。
実際にどうなのかと。
イギリス贔屓のリンボウ先生が検証(?)します・・・・。
ま、ざっくりと言いますと、やはりまずいようです。(笑)
「塩気についての感覚が鈍い」と書いておられます。
やはり味の決め手は塩加減ですからね。
日本には塩梅なんて言葉もあるくらいです。
これが鈍くてはどうしようもない。
またテクスチュア。
食感ですね。
例えば野菜なんかクタクタになるまで煮込んでしまう。
これは一昔前のフランスでもそうだったんじゃないでしょうかね。
和食では例えばインゲンなんか緑鮮やかに色を映えさせ、シャキシャキした食感を残すよう仕上げます。
クタクタに煮てしまっては台無しです。
そういう感覚が向こうにはない。
たしかに料理はまずいのですが、素材は決して悪くないといいます。
コックスというリンゴなど素晴らしいようですね。
そんな調子でイギリスの食についていいところ悪いところいろいろと紹介しておられます。
スコンの美味しさとか。
ちょっと感動したのが著者が結婚式に招待される話。
たまたまホテルのラウンジでお茶を飲んでいたところに出会った中年夫婦。
いろいろ話していると、娘が近々結婚するとのことで、よければ結婚式に来て下さいませんかと。
著者は冗談だと思ったようですが、半月ほどして招待状が届きます。
出席した著者は歓待されます。
日本の感覚ではあり得ないですよね。
見ず知らずのたまたまお茶で同席しただけの外国人を娘の結婚式に招待するなんて。
これ日本なら「なんで外人が?」、「あの人何者?」なんてあちこちで囁かれそうです。
ところが招待した中年夫婦はもちろん、皆が当たり前のように受け入れる。
教会での式のあと、披露宴はプレハブ小屋のような殺風景なクラブハウスだったそうです。
床のタイルも所々剥がれたりしているような。
しかしそこには何日も前から準備した新婦の母親の心づくしの手料理がテーブルの上に所狭しと。
実にいい結婚式、披露宴で、「自分の娘の結婚式もこうありたいものだと思わずにいられなかった」と結んでおられます。
ですよねぇ。
ホテルなんかでの派手でくだらない演出、金にもの言わせた割には大したことない料理。
両親や友人たちによる手作りの料理や真心にはかないませんよね。
ラベル:グルメ本