2020年11月27日

「あの日のあなた」遠田潤子

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大学生の片瀬在は2年前に母を亡くしてから父と二人暮らし。
他に肉親はいません。
そんな唯一の肉親である父が突如交通事故で亡くなってしまいます。
生前に弁護士が預かっていた遺言書には「葬式不要、戒名不要、弔いごと一切不要」とあり、戸惑う在。
そして子供のころから立ち入り禁止だった父の書斎で遺品の整理をしていると、母ではない女性の名前と自分の名前が書かれた母子手帳を見つけてしまいます。
この女性は誰なのか。
なぜ知らない女性の母子手帳に自分の名前が書かれているのか。
しかも日付は自分が生まれる6年前。
混乱する在。
父は“聖域”だった書斎にいったい何を隠していたのか・・・・。
この作者は以前に「雪の鉄樹」という作品を読みまして、ぜひ他の作品も読みたいと思っていました。
本作を読みまして、ちょっとパターンがダブっているなと。
どちらも父と子の話でもありますし、主人公や登場人物たちが背負っている「過去」がなんであるのかという謎を引っぱるというのも同じくです。
言い訳もせず黙って業を背負いながら生きていく男。
そしてそれらの謎が明らかにされたとき、それまでの曇天の毎日に陽が差すような再生のラスト。
どちらも単独で読めば非常に読みごたえがありカタルシスもあるのですが、ちょっと似通ってしまいましたね。
これがこの作者のテーマといわれればまあそうなんでしょうけど。
それはそれとしまして、父の行動は賛否両論あるでしょうね。
ひたすら一途とは言えますが、取りようによっては虫が良すぎる。
女性読者の感想も知りたいと思いました。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『と』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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