2021年01月13日

「陽はまた昇る 映像メディアの世紀」佐藤正明

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カラーテレビ普及の後これといった家電製品は登場せず、業界は不振が続いていました。
そこに登場したのが「20世紀最後の大型家電商品」といわれるホームビデオ。
当時を知る人ならば、当初はVHSかベータかと悩んだことがあるかもしれません。
この本ではホームビデオの開発、規格の世界統一、そして日本はもちろん海外への普及といった開発者たちの苦労が描かれています。
まず、VHSを開発したのは日本ビクターなんですね。
ベータがソニーという知名度に比べればちょっと一般の認識は低いかも。
当然どちらのメーカーも自社の商品を標準規格にしようと相手に話を持ち掛けます。
ソニーがビクターの親会社である松下電器に交渉するも松下幸之助は却下。
VHS対ベータの対決に突入します。
で、各家電メーカーもどちらの規格を採用するか、表面上や水面下でいろんな駆け引きが始まります。
結果的にはVHSの圧勝に終わったわけですが、ベータにしてもアメリカで著作権侵害として訴訟されたり、その歴史にはさまざまに苦労がありました。
この本ではVHSの生みの親である日本ビクターの故・高野鎭雄氏を主人公としてビクター側から描かれていますので、ソニーが悪役ではありませんが巨大なライバルとして存在しています。
松下が親会社とはいえ、ソニーに比べたらビクターは弱小企業です。
そんなソニーに果敢に挑む挑戦の物語です。
また商売を度外視してでもVHSを世界基準にしたいという高野氏の夢を追った物語でもあります。
約650ページ。
どっしりと読み応えのあるノンフィクションでした。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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