この本はいろんなジャンルの「さいはて」を取材しています。
でも「さいはて」とはどこにあるのだろう。
著者は自問自答します。
自分にとっては「さいはて」でも、当事者やその周りの人にとっては日常だったりするんですよね。
なので結局は自分のすぐそばにあったりするんじゃないか。
自分にとって異質であっても、その人にとってそれが幸せならばそれでいいじゃないか。
そんな思いを持ちつつ、いろんな「さいはて」の紹介です・・・・。
なんともローカルでチープでカルトな内容ですね。
いや、これは誉め言葉ですよ。
このようなローカルでチープなモチーフに興味を持ち、取材し、文章を書く。
好きでないとできません。
淀川河川敷のホームレスの家とか。
私が大阪在住のせいもあるのでしょうが、ほんとローカルだなと思います。
キリスト看板の取材もあっぱれですね。
最近私はほとんど見ないんですけど、以前は『死後さばきにあう』というような看板をよく見かけました。
著者はそれらの看板に興味を持っておられ、その看板を作っている本拠地の宮城県まで行かれるのですね。
行くか。(笑)
でもそこでの体験は読んでいる私にもちょっとした感動を与えてくれました。
ストリップ劇場で老嬢にディルドを突っ込んで潮を吹かせてみたり。
するか。(笑)
しかしそれぞれのルポに人の生活とか人生の悲哀とかいったものが込められています。
そこをちゃんと書いておられるので単なる覗き見的な内容ではないんですよね。
かといって老練なライターの決まった文章じゃない。
やや素人っぽい初々しさがあって、それがローカルな雰囲気によく合っていました。
ラベル:ノンフィクション