2017年12月30日

12月の一冊

今月は以下の15冊でした。

・「安井かずみがいた時代」島崎今日子
・「抱擁」日野啓三
・「無敵のラーメン論」大崎裕史
・「味 天皇の料理番が語る昭和」秋山徳蔵
・「飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白」杉坂圭介
・「マンガ家のひみつ とり・みき&人気作家9人の本音トーク」とり・みき
・「手のひらの音符」藤岡陽子
・「「食の職」新宿ベルク 安くて本格的な味の秘密」迫川尚子
・「窓際OL トホホな朝ウフフの夜」斎藤由香
・「剣客商売 浮沈」池波正太郎
・「昼のセント酒」久住昌之 画・和泉晴紀
・「東海道 居酒屋五十三次」太田和彦
・「オンエア(上・下)」柳美里
・「藤田嗣治 手しごとの家」林洋子

「安井かずみがいた時代」、ひとつの時代を築いた作詞家のドキュメンタリー。
まさに時代を駆け抜けたという印象です。
「抱擁」、幻想的耽美的な雰囲気のある作品です。
こういう世界は個人的に好きですね。
「無敵のラーメン論」、全国を食べ歩いた著者のラーメン論。
客観的に分析、解説しておられます。
「味 天皇の料理番が語る昭和」、伝説の料理人ですね。
その生涯は小説化、ドラマ化もされています。
「飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白」、なかなか外からは窺い知ることのできない遊郭の世界。
興味深く読めました。
「マンガ家のひみつ とり・みき&人気作家9人の本音トーク」、マンガ家の著者によるマンガ家との対談集。
最近ほとんどマンガを読むことがなくなりましたが、こういう本には興味があります。
「手のひらの音符」、じんわりと心にしみる小説です。
なんとか殺人事件などとは対極にある内容ですね。
「「食の職」新宿ベルク 安くて本格的な味の秘密」、15坪という小さいながらも、いや、だからこそこだわりを持って経営しておられる飲食店です。
こういう店にはぜひとも頑張っていただきたいですね。
「窓際OL トホホな朝ウフフの夜」、せっせと精力剤をPRする著者の奮闘記。
いや、奮闘してるんだか会社をかき回してるんだか。(笑)
「剣客商売 浮沈」、いよいよシリーズを読み終えてしまいました。
まだ番外編が残っていますが、ちょっと寂しいですね。
「昼のセント酒」、著者は「孤独のグルメ」の原作者。
昼から銭湯に入って湯上りに酒という極楽エッセイです。
「東海道 居酒屋五十三次」、タイトル通り五十三次のはしご酒です。
飲み歩き珍道中。
「オンエア(上・下)」、女子アナたちを主人公とした業界小説。
さすがに柳美里だけあって生々しいといいますかエグイといいますか。
「藤田嗣治 手しごとの家」、日本を代表する芸術家のプライベートや仕事を公開。
実に個性的な人だったんですね。

「安井かずみがいた時代」や「飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白」、「藤田嗣治 手しごとの家」がノンフィクションでは面白かったです。
小説では「手のひらの音符」、「オンエア(上・下)」ですね。
「オンエア(上・下)」はエンターテイメントとしては面白くインパクトがありましたが、ちょっと俗でしたか。
「手のひらの音符」は地味ですが味わいがありました。
ですが今月はノンフィクションから選びたいと思います。
「安井かずみがいた時代」が印象に残りました。
自由に生き、そして時代の先端を走っていた安井かずみという女性の存在感。
今月はこれを選びたいと思います。

CIMG3159.JPG
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月30日

11月の一冊

今月は14冊読みました。

・「リケイ文芸同盟」向井湘吾
・「夜を乗り越える」又吉直樹
・「寂花の雫」花房観音
・「小説家の作り方」野崎まど
・「東大オタク学講座」岡田斗司夫
・「ばかもの」絲山秋子
・「江戸川乱歩傑作選」江戸川乱歩
・「くさいはうまい」小泉武夫
・「ハンドモデルの恋人」綾瀬麻結
・「おでんの汁にウツを沈めて 44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー」和田靜香
・「なんとなく、クリスタル」田中康夫
・「ナポリタン」上野玲
・「顰蹙文学カフェ」高橋源一郎 山田詠美
・「紙の月」角田光代

「リケイ文芸同盟」、理系の人間が文系である小説の編集者になるという設定。
でもそれが生かしきれなかったように思います。
「夜を乗り越える」、芥川賞を受賞して話題になった又吉直樹氏のエッセイ&文学論。
はあそうですか、という以上の感想はなく。
「寂花の雫」、京都を舞台にした男と女の出会いと別れ。
たいした内容ではありませんが個人的には楽しめました。
「小説家の作り方」、読んでなるほどと思いました。
ライトノベルというジャンルだからこその佳作でしょうか。
「東大オタク学講座」、いまや無視できない『オタク』という存在。
第一人者が各ジャンルについて解説しておられます。
「ばかもの」、堕ちていく男、そして女。
小説の終わりは再会であり始まりです。
「江戸川乱歩傑作選」、うーん、やっぱり乱歩。
時代を超えて読ませてくれますね。
「くさいはうまい」、『匂い』が敬遠される昨今。
なんの、匂いの強い食品ほどはまればくせになるのです。
「ハンドモデルの恋人」、素人以上プロ未満なエタニティ文庫です。
まあそれなりに楽しむべきでしょう。
「おでんの汁にウツを沈めて 44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー」、コンビニでのお仕事エッセイです。
裏話苦労話がいろいろと面白い。
「なんとなく、クリスタル」、30年前のベストセラー。
今読んで面白かったです。
「ナポリタン」、スパゲッティナポリタンについての考察です。
思い入れはわかります。
「顰蹙文学カフェ」、文学や作家はもっと顰蹙を買うべきだと。
そのような作品も作家もあまり見当たらなくなりましたねぇ。
「紙の月」、金に翻弄される人間の話。
いや、金は二次的なもので、戒むべきはきりのない欲望ですよね。

では今月の一冊をば。
う~ん、これといってなぁ。
読み応えということでは「紙の月」でしたね。
さすがの角田光代。
そして野崎まど「小説家の作り方」も思いのほかよかったです。
しかし今回は「なんとなく、クリスタル」田中康夫でいきましょうか。
今からすれば古くさく小っ恥ずかしい当時のトレンドのはずが、30年も経つとめぐりめぐって新鮮で面白かった。
うん、今月はこれでいきましょう。

CIMG3163.JPG
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月31日

10月の一冊

今週は15冊の読書でした。
いつもに比べると小説を多く読むことができました。

・「ロスジェネの逆襲」池井戸潤
・「手芸女」野坂律子
・「現代日本の小説」尾崎真理子
・「わたしたちに許された特別な時間の終わり」岡田利規
・「本棚探偵の生還」喜国雅彦
・「思い出のとき修理します4 永久時計を胸に」谷瑞恵
・「ほっこりおうちごはん 「どうぞ飯あがれ」」柴門ふみ
・「草笛の音次郎」山本一力
・「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」ジェーン・スー
・「ミュージック・ブレス・ユー!!」津村記久子
・「食ショック」読売新聞食ショック取材班 著
・「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」田中径一
・「草の上の朝食」保坂和志
・「アメリカの食卓」本間千枝子
・「愛情の系譜」円地文子

「ロスジェネの逆襲」、いまさらの感はありますが半沢直樹シリーズです。
でもやっぱり面白くて引き込まれました。
「手芸女」、手芸を扱っているということでどんなものかと読んでみました。
ラノベ的ではありますが意外とよかったです。
「現代日本の小説」、村上春樹あたりからの作家を取り上げておられます。
後何十年かするとそれらの作家はどういう位置付けになるのかなと、ふと思いました。
「わたしたちに許された特別な時間の終わり」、外国で戦争というとてつもなく大変なことが行われている中、日本には平和な時間が流れています。
どちらも現実なんですよね。
「本棚探偵の生還」、シリーズ第3弾。
いつもながら古本に対しての執念とこだわりが面白い。
「思い出のとき修理します4 永久時計を胸に」、シリーズ最終巻です。
ま、いままででいちばんマシでしたか。
「ほっこりおうちごはん 「どうぞ飯あがれ」」、人気マンガ家の食エッセイ。
いまいち好きになれませんが。
「草笛の音次郎」、渡世人の股旅ものです。
山本一力らしく歯切れのいい文章で楽しめました。
「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」、ほんとエエ歳して女子などというのはやめてもらいたい。
って大きなお世話でしょうけど。
「ミュージック・ブレス・ユー!!」、音楽が欠かせない女子高生が主人公。
音楽の祝福がありますように、といったところですか。
「食ショック」、日本の食事情の情けない実態が書かれています。
戦中戦後の食べ物のない時代はなんだったんでしょうね。
「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」、『大日本帝国食菜全席』というメニューのレシピを巡ったミステリー。
何重にも謎が仕掛けられ、実に面白く読めました。
「草の上の朝食」、毎日をのらりくらりと過ごす若者(でもありませんが)たちの話。
ほんとただの日常な小説です。
「アメリカの食卓」、アメリカで暮らした著者の食エッセイ。
古き良きアメリカという雰囲気があります。
「愛情の系譜」、恋愛で男に対して思い詰めてしまう女の性。
そんな母親の血を受け継いでしまった娘の物語。

今月の一冊ですが、やはり「ロスジェネの逆襲」と「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」が他より頭一つ抜きん出てましたかね。
「ロスジェネの逆襲」は予想通りというか期待通りというか。
「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」が思っていたよりよかった。
さてどちらにするかですが、池井戸潤氏の作品はずっと今月の一冊に選んできましたので、今回は「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」でいきましょうか。
ということでこれに決定。

CIMG3139.JPG
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月29日

9月の一冊

今月の読書は以下の14冊でした。

・「味覚極楽」子母沢寛
・「書店ガール4 パンと就活」碧野圭
・「サブカルで食う 就職せずに好きなことだけやって生きていく方法」大槻ケンヂ
・「犬婿入り」多和田葉子
・「翼はいつまでも」川上健一
・「ホテルオークラ 総料理長の美食帖」根岸規雄
・「誰も知らなかった インド人の頭ん中」冬野花
・「ホルモン焼きの丸かじり」東海林さだお
・「コミックVOW」コミックVOW制作委員会
・「宇宙戦争」H・G・ウェルズ
・「光の領分」津島佑子
・「サイゼリヤ革命 世界中どこにもない“本物”のレストランチェーン誕生秘話」山口芳生
・「夜露死苦現代詩」都築響一
・「まだある。 今でも買える“懐かしの昭和”カタログ ~食品編その2~」初見健一

「味覚極楽」、大正から昭和初期にかけて書かれた味覚についての聞き書き。
グルメの変遷を知るには貴重な資料になるかと。
「書店ガール4 パンと就活」、書店を舞台とした好調なシリーズです。
今回から世代交代あり。
「サブカルで食う 就職せずに好きなことだけやって生きていく方法」、方法といってもハウツーなわけではなく。
まあ著者の自伝的エッセイとして読む本ですかね。
「犬婿入り」、民話的でシュールなんですけど、どこかユーモラスで。
芥川賞受賞作。
「翼はいつまでも」、中学生を主人公にした青春小説。
青いんですけど、それがまたこの世代の瑞々しい魅力なわけで。
「ホテルオークラ 総料理長の美食帖」、美食帖というタイトルはちょっと違う気もしましたが。
著者の半生記でありホテルオークラの歴史でもあります。
「誰も知らなかった インド人の頭ん中」、インド在住の著者が書いたインド人の実態。
ま、本で読むぶんには楽しめます。(笑)
「ホルモン焼きの丸かじり」、食エッセイとしてはダントツなこのシリーズ。
もちろん面白く、金字塔です。
「コミックVOW」、マンガ表現のあげ足取りですね。
ひまつぶしにはもってこいな一冊。
「宇宙戦争」、いったいなにが宇宙戦争なのかと。(笑)
この邦題、タイトルだけ見れば秀逸だと思いますが、内容と比較した場合ズッコケです。
「光の領分」、著者らしく離婚問題などを絡ませながら母娘を描いた小説。
いや、母娘というよりもひたすら母(主人公)にスポットを当てていますか。
「サイゼリヤ革命 世界中どこにもない“本物”のレストランチェーン誕生秘話」、サイゼリヤといえば驚愕のコスパなファミレスですよね。
そんな企業の舞台裏です。
「夜露死苦現代詩」、あらゆる文章を“現代詩”として鑑賞してみる。
うん、なんの影響力もない詩人なんか用無しですね。
「まだある。 今でも買える“懐かしの昭和”カタログ ~食品編その2~」、昔懐かしいあの食品たち。
しばしノスタルジーに浸れる一冊です。

さて今月の一冊。
う~ん、読んでいてこれはと思えるものはなかったですね。
突出して手応えを感じた本はなかったです。
それなり無難にといったところですか。
でもまあそんな中からでも一冊を。
「書店ガール4 パンと就活」はやはり上手いなと思います。
リアルを取り入れ、シリーズとしてマンネリにならないよう工夫もしておられますし。
「光の領分」、腰を据えてじっくりと読ませる力量はさすが。
味わい深い。
ですが、「翼はいつまでも」、これが無邪気でがむしゃらでよかったか。
ストレートさがズドンと来ました。
今月の一冊はこの作品にしたいと思います。

CIMG3116.JPG
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月30日

8月の一冊

今月の読書は14冊でした。

・「街のイマイチ君」綱島理友
・「聖痕」筒井康隆
・「世界ぐるっと肉食紀行」西川治
・「小説 君の名は。」新海誠
・「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」谷崎潤一郎
・「バカボンのパパよりバカなパパ」赤塚りえ子
・「天の梯 みをつくし料理帖」高田郁
・「江口寿史の正直日記」江口寿史
・「サヴァイヴ」近藤史恵
・「パラダイス・ロスト」柳広司
・「多読術」松岡正剛
・「男と点と線」山崎ナオコーラ
・「花腐し」松浦寿輝
・「寿司屋のカラクリ」大久保一彦

「街のイマイチ君」、街中にあるいろんなヘンなものを取り上げた一冊。
こういうのは目新しさはありませんが、他のメディアとネタがダブらなければそれなりに楽しめます。
「聖痕」、作者はここしばらく“老い”や“死”をテーマにしておられたように思いますが、本作はそのようなテーマからはずれています。
今では使われなくなったような日本語を駆使しつつ、レストランを舞台に背徳的な雰囲気でバブル期から東北の震災までを描いています。
「世界ぐるっと肉食紀行」、世界中を旅している著者の肉食についての食べ歩き記録。
いろんな肉食文化を堪能できます。
「小説 君の名は。」、話題になったアニメ映画の小説版。
やはりアニメあってこその小説版で、アニメがなければこれ単独で話題になることはなかったでしょう。
「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」、谷崎といえばマゾ、足フェチなわけですが。
まあこれは軽くジャブといったところでしょうか。
「バカボンのパパよりバカなパパ」、いまや伝説のギャグマンガ家、故・赤塚不二夫。
娘という立場からプライベートな赤塚の魅力を存分に描いています。
「天の梯 みをつくし料理帖」、人気シリーズのいよいよ最終巻。
料理を扱った小説としては今後も語られるべき作品ではないでしょうか。
「江口寿史の正直日記」、人気マンガ家の日々の生活。
ダラダラしつつもやはり一般人とは違う日常が興味深く面白い。
「サヴァイヴ」、ロードレースを扱ったシリーズの第3弾。
レースの緊迫感がいつもながらにいい。
「パラダイス・ロスト」、タイトでストイックな雰囲気の漂うこのシリーズ。
話の中にはほとんど出てこないものの、結城中佐の存在感がじんわりと染みてますね。
「多読術」、本を読むにもいろいろと心掛けがあるわけで。
なるほどただダラダラと読んでいてはいけないんですね。
「男と点と線」、いろんな男女の物語。
でもこの作者のタイトルっていつもなんだかよくわからないのですが。
「花腐し」、平成というよりも昭和の時代を引きずったような雰囲気の作品。
歌でいえば演歌か四畳半フォークか。
「寿司屋のカラクリ」、回転寿司から高級店まで、いろんな寿司屋の裏事情。
フードコンサルタントという立場から書かれています。

今月はどれもそこそこ読み応えがあったように思います。
そんな中での一冊。
そうですね、「天の梯 みをつくし料理帖」が内容はもちろんなんですけど、10作というシリーズが完結したことに労いと感謝を込めて。
今月の一冊はこの作品にしたいと思います。

CIMG3095.JPG
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする