2017年07月31日

7月の一冊

今月の読書は15冊でした。

・「将棋ボーイズ」小山田桐子
・「何様のつもり」ナンシー関
・「カレーライスと日本人」森枝卓士
・「定食バンザイ!」今柊二
・「ベーコン」井上荒野
・「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎
・「たった一人の熱狂」見城徹
・「天才 創造のパトグラフィー」福島章
・「泣いたらアカンで通天閣」坂井希久子
・「走ル」羽田圭介
・「伝説の総料理長 サリー・ワイル物語」神山典士
・「極みのローカルグルメ旅」柏井壽
・「食堂つばめ2 明日へのピクニック」矢崎存美
・「日曜日の住居学 住まいのことを考えてみよう」宮脇檀
・「新宿駅最後の小さなお店ベルク」井野朋也

「将棋ボーイズ」、将棋そのものよりも高校生たちの友情とか成長を描いた物語です。
タイトルも含めて将棋小説としてはもひとつですかね。
「何様のつもり」、消しゴム版画とエッセイという二つの稀有な才能を持っていた著者。
版画のインパクト、エッセイの切れ味を堪能。
「カレーライスと日本人」、いまや国民食となったカレーライス。
日本人が初めてカレーライスと出会ってから現在に至るまでを追った一冊です。
「定食バンザイ!」、男性にとって昼めしはやはりがっつりと定食でいきたいですよね。
美味くて安くてボリュームがあれば言うことなし。
「ベーコン」、男女の話にさらりと食べ物を絡ませています。
どちらも生々しさという点では共通していますしね。
「フィッシュストーリー」、やはり上手いなと思います。
短編集ということで小粒な印象ではありますが。
「たった一人の熱狂」、なんとも熱い人ですね。
この生き様は誰にでも真似できるというものではありません。
「天才 創造のパトグラフィー」、過去の天才たちを精神医学から分析した本です。
やはりまずはこういう切り口になるんでしょうね。
「泣いたらアカンで通天閣」、大阪の下町を舞台にした笑いと涙と人情の物語。
ちょっとベタですけどね。
「走ル」、ロードレース、競輪、自転車部、そのどれらでもなく、ただ個人でひたすら走るだけの自転車小説。
こういうのもありなのかとちょっと感心。
「伝説の総料理長 サリー・ワイル物語」、日本のフランス料理の原点ともいえる存在でありながら、これまで誰も取り上げてこなかった人物を克明にたどったノンフィクション。
素晴らしい力作だと思います。
「極みのローカルグルメ旅」、地味でローカルではありますが、その土地ならではの食べ物がある。
こういうのを追いかけている人って本当に食べることが好きなんだなぁと思えます。
「食堂つばめ2 明日へのピクニック」、シリーズ第2弾なんですが早くもマンネリ感。
登場人物の柳井秀晴もいつまでなにやってんだって感じですし。
「日曜日の住居学 住まいのことを考えてみよう」、これから家を建てるという人には参考になるかも。
でも専門家と素人ではやはり考え方に乖離があると思いますけどね。
「新宿駅最後の小さなお店ベルク」、立ち退きを要求されながらも孤軍奮闘する小さな飲食店の軌跡。
一度いってみたいと思わせる魅力を感じました。

では今月の一冊を選ぶということで。
今月は飲食関係のエッセイ・ノンフィクションがどれもよかったですね。
中でもやはり「伝説の総料理長 サリー・ワイル物語」の著者の功績は大かと。
これを選ばせていただきましょう。

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2017年06月29日

6月の一冊

今月読みましたのは以下の14冊です。

・「神酒クリニックで乾杯を」知念実希人
・「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ
・「好かれようとしない」朝倉かすみ
・「すごい! 日本の食の底力 新しい料理人像を訪ねて」辻芳樹
・「買えない味」平松洋子
・「かけおちる」青山文平
・「マンガの遺伝子」斎藤宣彦
・「さいはての彼女」原田マハ
・「怖い絵」中野京子
・「オーシャントラウトと塩昆布」和久田哲也
・「虐殺器官」伊藤計劃
・「活字博物誌」椎名誠
・「魚料理のサイエンス」成瀬宇平
・「かわいそうだね?」綿矢りさ

「神酒クリニックで乾杯を」、初めて読む作家さんです。
ラノベ的な内容でしたが楽しめました。
「わたしを離さないで」、重いテーマを扱っていますが、静謐な筆致で淡々と書かれています。
他の作品も読んでみたいですね。
「好かれようとしない」、ちょっと不器用な女性主人公が魅力。
文章の言い回しも独特のセンスがあっていい。
「すごい! 日本の食の底力 新しい料理人像を訪ねて」、ただ贅沢な食材を使って料理を誇るのは昔の話。
今の料理人の姿がここにあります。
「買えない味」、猫も杓子もグルメだなんだのな昨今。
大枚はたいて贅沢な料理を食べることだけが食の楽しみではないでしょう。
「かけおちる」、愛する男女が逃避する『駆け落ち』。
しかし本来は『欠け落ち』であり、その意味や理由を問うた作品です。
「マンガの遺伝子」、テーマ別に昔からのマンガを検証した一冊。
それぞれのジャンルの変遷を知ることができます。
「さいはての彼女」、都会での息詰まるような仕事の日々。
そんな日常から外れて新しい視点を得、新たな一歩を踏み出す女性たちの物語。
「怖い絵」、絵に込められた作者のメッセージ。
ちょっと怖いそんな絵を解説しています。
「オーシャントラウトと塩昆布」、オーストラリアで活躍する日本人シェフの本。
料理に対して、経営に対して、真摯な思いが込められています。
「虐殺器官」、暴力、破壊、テロ、虐殺・・・・。
なぜ人間はそのような行動を起こしてしまうのか・・・・。
「活字博物誌」、著者が興味を持ついろんなテーマに沿った本が紹介されています。
堅苦しくなく、ほのぼの面白くいろんな本を知ることができます。
「魚料理のサイエンス」、日本人ほどいろんな種類の魚を食べている民族は他にいないと思うのですが、どんどん魚離れが起きている昨今。
この本を読んでぜひぜひ魚料理に目覚めてほしいものです。
「かわいそうだね?」、女が女を見るときって、顔は笑ってても目はめちゃくちゃシビアなんですよね。
ものすごい目で同性を見ているのをよく見かけます。
そんな女性の視線をふと思い出しました。

さて、今月の一冊ですが。
どれもそこそこといった印象。
その中で一冊選ぶとなりますと・・・・。
「かわいそうだね?」ですかね。
2編収録ですがどちらもよかった。
綿矢氏はデビュー作からずっと読んできまして、私の中ではじわじわと魅力が沁み込んできている作家さんです。
今月の一冊はこれで。

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2017年05月30日

5月の一冊

今月の読書は14冊でした。

・「「食べる」都市伝説」成ルほど研究所 著
・「白いへび眠る島」三浦しをん
・「本が多すぎる」酒井順子
・「実録・外道の条件」町田康
・「割り箸はもったいない? 食卓からみた森林問題」田中淳夫
・「もっとトマトで美食同源!」タカコ・半沢・メロジー
・「おとぎ菓子 料理人季蔵捕物控」和田はつ子
・「エロ街道をゆく 横丁の性科学」松沢呉一
・「カップルズ」佐藤正午
・「味覚を磨く」服部幸應 三國清三
・「食べる。」中村安希
・「女の橋」芝木好子
・「実録 ケンカの鉄人 知られざる喧嘩師列伝」フルコンタクトKARATE別冊 格闘王2
・「女子をこじらせて」雨宮まみ

「「食べる」都市伝説」、どんなジャンルでもそうですが、裏話や都市伝説といったものがあります。
これは食べることについてそういうことを特集した一冊です。
「白いへび眠る島」、う~ん、この作品って作者の中ではどうなんでしょうね。
私は失敗作だと判断しましたが。
「本が多すぎる」、そう、世の中本が多すぎます。
読みたい本が多すぎて追いつかず、気が狂いそうになります。(笑)
「実録・外道の条件」、世の中非常識な人間が多いですよね。
そういう人物を書かせるとさすがの町田康です。
「割り箸はもったいない? 食卓からみた森林問題」、もったいないからと割り箸を使わないのは個人の自由としてけっこう。
ですけど自分はエコな活動をしているんだという自己満足は押し付けないでいただきたいものです。
「もっとトマトで美食同源!」、私はトマト大好きです。
美容については意識しませんが、健康については積極的に食べたいものだと思います。
「おとぎ菓子 料理人季蔵捕物控」、相変わらずです。
読めばわかります。
「エロ街道をゆく 横丁の性科学」、著者が体を張ってエロを検証した一冊。
私は立派だと思いますね。
「カップルズ」、さりげないんですけどドラマなんですよね。
やはりいい味出してます、佐藤正午。
「味覚を磨く」、インスタント、ファストフード、スナック菓子に清涼飲料水。
たまにはいいですけど、そんなのよりもごくごく普通の昔ながらの食事に目覚めるべきだと思います。
「食べる。」、世界各国にはいろんな料理があります。
それを食べてその国や民族を知るべし。
「女の橋」、今となっては舞台にできない世界ですね。
時代もありますし、作者や読者の興味、教養、それらがもう今の時代にそぐわないのではないかと。
「実録 ケンカの鉄人 知られざる喧嘩師列伝」、こういうケンカや格闘技系統は好きな私です。(笑)
あくまで書物で読む分には、ですが。
「女子をこじらせて」、女性としてのコンプレックスを赤裸々に綴った自伝です。
まったく卑下する必要のない過去だと思いますが、やはり本人にとっては大問題なんですよね。

では今月の一冊の選定をば。
「実録・外道の条件」、やはり町田康は面白いなぁ。
ぜひ他の作品も読みたいと思わせる麻薬性のある作家さんです。
「カップルズ」、佐藤正午の作品。
やはりいいです、この作家は。
デビュー作からずっと読んできてまた再読しているわけですが、うん、私の中では生涯追いかけたい作家さんですね。
「女の橋」、やっぱり私はこういう世界観が好きなんですよねぇ。
主人公は芸妓なのでもちろん料亭やお茶屋といった場所が出てきますし、それにともなって着物や芸事が絡んできますし、陶芸などの美術も描かれます。
そういう世界がたまらなくいい。(笑)
これら3作が今月の候補なわけですが、いやもうやはり芝木さんでしょう。
「女の橋」芝木好子、今月はこれです。
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2017年04月30日

4月の一冊

今月の読書は14冊でした。

・「絶対味覚」川越達也
・「南極1号伝説 ダッチワイフの戦後史」高月靖
・「漂砂のうたう」木内昇
・「面白い本」成毛眞
・「奇跡のレストラン アル・ケッチァーノ 食と農の都・庄内パラディーゾ」一志治夫
・「山椒大夫・高瀬舟」森鴎外
・「ルンルンを買っておうちに帰ろう」林真理子
・「海の底」有川浩
・「亡食の時代」産経新聞「食」取材班
・「食と日本人の知恵」小泉武夫
・「天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語」中村弦
・「荒木飛呂彦の漫画術」荒木飛呂彦
・「ホテルローヤル」桜木柴乃
・「神様のいない日本シリーズ」田中慎弥

「絶対味覚」、まあおっしゃってることはわかるんですけどね。
でもわざわざ「絶対味覚」なんてタイトルで本を出すほどのことでもないかと。
「南極1号伝説 ダッチワイフの戦後史」、エロ業界のバイタリティってすごいですよね。
最近のダッチワイフのリアルなことといったら。
「漂砂のうたう」、 明治維新で価値を失ない、遊郭の客引きとなった元武士の生きざまです。
落ちぶれた先の世界にはその世界なりの人生があります。
「面白い本」、ノンフィクションの書評本。
こういう手引書があるとありがたいものです。
「奇跡のレストラン アル・ケッチァーノ 食と農の都・庄内パラディーゾ」、庄内で地元の食材を生かした料理を作り出す料理人の物語。
華やかなだけの浮ついた料理ではなく、こういう地に足の着いた料理こそが伝えられていくべきです。
「山椒大夫・高瀬舟」、どちらもつらい話です。
ですがその中にも性善説を思わせる救いがあります。
「ルンルンを買っておうちに帰ろう」、林真理子のデビューエッセイ。
この頃からすでにスタイルは確立されていますね。
「海の底」、パニックSF小説ですね。
じゅうぶんに読み応えのある佳作でした。
「亡食の時代」、戦中戦後の食べ物の無い時代はなんだったのか。
豊かなのは結構なことですが、現在の食事情はあまりにも罰当たりなんじゃないでしょうか。
「食と日本人の知恵」、日本人の知恵というのはほんとに素晴らしいですね。
しかし食の洋風化など、その素晴らしさが失われつつあります。
「天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語」、主人公が施主の思いを汲みとってちょっと変わった家を建てるファンタジーな小説。
いまいちインパクトがない気がしましたが。
「荒木飛呂彦の漫画術」、人気漫画家が明かす創作の秘密。
漫画家志望の人たちには大い参考になることでしょう。
「ホテルローヤル」、廃業したラブホテルとそれにまつわる人たちを描いた短編集。
ちょっと暗くてやりきれない気分になりますが。
「神様のいない日本シリーズ」、主人公が自分の息子にひたすら語って聞かせる自身の半生。
父と息子の物語です。

ということで今月の一冊。
けっこうどれも楽しく読め、そして味わい深いものもありました。
ですが今月はもう迷わずこれです。
「海の底」。
文句なしに今月の一冊に推します。
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2017年03月31日

3月の一冊

今月は15冊読みました。

・「ぼくはマンガ家」手塚治虫
・「枝元なほみの料理がピッとうまくなる」枝元なほみ
・「三屋清左衛門残日録」藤沢周平
・「書斎 創造空間の設計」現代新書編集部=編
・「トッカンvs勤労商工会」高殿円
・「突撃! はしご呑み」ラズウェル細木
・「ヨーロッパ退屈日記」伊丹十三
・「食客旅行」玉村豊男
・「春の道標」黒井千次
・「戦場でメシを食う」佐藤和孝
・「つかこうへいインタビュー 現代文学の無視できない10人」つかこうへい
・「晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)」大崎梢
・「サービスの達人たち 日本一の秘書」野地秩嘉
・「小銭をかぞえる」西村賢太
・「大衆食堂パラダイス」遠藤哲夫

「ぼくはマンガ家」、手塚治虫の自伝です。
ただ初出が昭和44年ですからね。
晩年については書かれていません。
「三屋清左衛門残日録」、隠居後の武士を描いた作品。
やはり世間からはなかなか離れられないようで。
「書斎 創造空間の設計」、書斎、ああ本好きにとってはなんと魅力的な響きでしょうか。
そういう場所で1日中過ごしたいという本好きは多いはず。
「トッカンvs勤労商工会」、税務署の徴収官の仕事が実にしっかりと描かれています。
それを面白くエンターテイメントに仕上げていますね。
感心。
「ヨーロッパ退屈日記」、洒脱なエッセイですね。
内容に統一感はありませんが、それがまた雑学的で。
「春の道標」、戦後の高校生の青春物語。
いつの時代も恋愛は変わらないなと。
「戦場でメシを食う」、人間どのような状況であっても食べていかなければなりません。
生物として当たり前ではありますが、浅ましさも感じてしまいます。
「晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)」、若い女性の素人探偵コンビに幽霊騒動。
無邪気な小説です。
「小銭をかぞえる」、いつもながらのダメ男ぶりを発揮する西村小説の主人公。
男の私からしても最悪だと思いますが、女性の意見はいかに。

さてさて、今月の一冊。
これといって突出したものはなかったですね。
味わい深かったのは「三屋清左衛門残日録」。
エンターテイメントとして楽しめたのは「トッカンvs勤労商工会」。
どちらも決め手には欠けますが、今月はシブく時代小説でいきましょうか。
「三屋清左衛門残日録」で。
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