2017年05月28日

「女子をこじらせて」雨宮まみ

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「女子をこじらせ」てしまい、気が付けばAVライターになっていた著者。
はて、女子をこじらせてしまうというのはどういうことなのか。
こじらせてしまったという著者はこれまでにどのような人生を過ごしてきたのか・・・・。
「こじらせ女子」という言葉は流行語大賞にもノミネートされたそうですね。
そういうのに疎い私はまったく知りませんでしたが。
見た目決してかわいくない、なので男に縁がない、でも性欲はしっかりとあるので頭の中はエロい妄想だらけ。
青春を満喫している人たちを羨ましく思うものの、自分はそのようにはなれない。
自分なんて所詮・・・・というコンプレックスの塊です。
う~ん、それを女として「こじらせてしまった」と表現しておられるわけですが、そういう人は多いんじゃないですかねぇ。
すべてとは言えません。
異性にモテて楽しんでいる人も実際にいるわけですし。
でも私もそうですけど決して異性に縁があったわけでなく、妄想な日々を過ごしてました。
(現在もですが 笑)
周りの人を見てもそんなにウハウハしてませんでした。
そしてモテるモテないだけでなく、自分の存在感や価値観というものもやはり意識します。
自分は世間に対していったい何ができるのだろう、どの程度の存在でどれだけの価値があるのだろう。
実は何ほどの者でもないんですよね。
私は著者の境遇や経験というのは別に特殊なものではないと思います。
むしろ普通じゃないでしょうか。
同じような人は男女を問わずいっぱいいると思います。
それを赤裸々に語り、「女子をこじらせて」という言葉にもっていったのが著者のセンス。
(編集者がつけたのかもしれませんが)
本人にとってはすごくシビアな問題であるはずですが、コミカルな印象のタイトルと文章で成功していると思います。
この本を発表後もいろいろとご活躍されていましたが、40歳の若さで逝去。
何もそんなに生き急がなくとも。
とことん自分を突き詰めておられたんでしょうか・・・・。
ラベル:エッセイ
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2017年04月24日

「荒木飛呂彦の漫画術」荒木飛呂彦

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著者の荒木飛呂彦氏といえば「ジョジョの奇妙な冒険」などジャンプ系で人気の漫画家です。
デビューしてから30年以上になられるんですね。
その間、ずっと一線で活躍しておられるのだからすごいことです。
氏のデビュー当時は私も少年ジャンプを購読していまして、なのでデビュー作も読んでいるはずなのですがまったく記憶にありません。
記憶にあるのは「魔少年ビーティー」、「バオー来訪者」あたりからですか。
でもまったく面白くなくて飛ばしてましたね。(笑)
まずアメコミっぽい絵柄が生理的にだめでした。
話の内容もちんぷんかんぷんで。
絵が見づらい(私にとっては)ので、ストーリーが頭に入ってこないんですよね。
でも「ジョジョの奇妙な冒険」なんかはロングセラーになっているわけで、やはり私の読解力が足りなかったのでしょう。
それはともかく、本書は人気漫画家荒木飛呂彦氏が漫画を創作するときのノウハウを惜しげもなく紹介した一冊です。
書かれていることは氏が実践してこられたことなのでもちろん間違っているわけはなく、まさしくヒット作を創るための裏側です。
よく手の内を明かされたものだと思います。
ただそれは明かしたところで皆が“荒木飛呂彦”ではないわけで、その通りまねても同じレベルの作品が描けるわけではありません。
いくら頭でわかっていても、こういうのはやはりセンスであり才能ですからね。
そのあたりの自信もあっての執筆ではないかと思いますが。
しかしこのような内容の本を書かれたことはほんとに思い切りのいることだったと思います。
そして漫画を描く者にとって大いなる参考となるのは間違いないでしょう。
私のようなど素人がこんなことをいうのもなんですが、読んでいて「それはどうかな」と思う部分もあります。
短い期間ですが私もこの仕事をしていたこともありますし。
ある程度は描く側のこともわかっているつもりです。
ですが著者は実績で証明しておられるわけですからね。
やはりそのような人の発言は重いです。
なので、この本の内容をじゅうぶんに咀嚼しつつ、そして自分なりの考えを駆使しながら、ぜひぜひ若い人たちが才能を開花させてくだされば。
てなことを読み終わって思った次第です。
部外者の私が。(笑)
ラベル:漫画本
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2017年04月16日

「海の底」有川浩

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横須賀米軍基地で開催された桜祭り。
大勢の人たちで賑わう中、いきなりパニックとなります。
海から巨大なザリガニの大群が押し寄せてきたのです。
逃げ惑う人たちを喰らう巨大ザリガニ。
海上自衛官の夏木と冬原は13人の子供たちと潜水艦に避難し立てこもります。
いったいこの巨大ザリガニはなんなのか。
警察、自衛隊、国はどのように対応するのか。
潜水艦という閉鎖された空間に避難した2人の自衛官と子供たちの避難生活にもさまざまな問題が浮上し・・・・。
「塩の街」「空の中」に続くシリーズ第3弾。
作者の作品の中で自衛隊3部作と呼ばれているシリーズです。
といってもそれぞれにつながりはありませんが。
私はこの作品がベストだと思います。
いやぁ、よかった。
読まされました。
ラノベ的ではあります。
メインキャラの夏木と冬原とか。
ですが警察や自衛隊といった組織の描き方が実にしっかりとしており、荒唐無稽ではあるもののビシッと話が締まっているんですよね。
ちょっと西村寿行的な雰囲気がなきにしもあらず。(笑)
パニック小説ですし、シミュレーション小説でもあります。
そして大人2人がいるものの、子供たちが隔離された空間で生活するということでは「十五少年漂流記」を思わせます。
あるいは「蠅の王」とか。
潜水艦に避難した子供たちの中にいちばん年上の森生望という17歳の女の子がいるのですが、このキャラがいい。
夏木とのさりげないラブストーリーもあったりして。
そして潜水艦の中と同時進行で、この件に対応する側の警察の動きも描かれます。
そちらのメインは明石警部。
このキャラがまた飄々として面白いのですが、私が気に入ったのは警察庁の参事官、烏丸警視正という男。
この問題について警察を総指揮する立場の人間なのですが、明石よりも若く30代半ば。
コイツが実にいい。
普通こういう小説に出てくる警察のエライさん、ましてや若造といえば、たいがい口だけの軟弱なエリートです。
ですがそうじゃないんですね、烏丸は。
作者は憎いキャラを作ったなと思います。
おまけで「番外編 海の底・前夜祭」という作品が収録されています。
私はこれは不要だと思いました。
まったく面白くない。
しかしこの作家、幅広いですねぇ。
「阪急電車」「植物図鑑」と同じ作者とは思えない。(笑)
ラベル:小説
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2017年01月02日

「小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代」阿古真理

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最近は料理研究家という人たちが引っぱりだこですね。
テレビを観ればどのチャンネルにも必ず毎日料理研究家が出ています。
本屋に行けば賑やかに彼女(彼)らの本が並んでいます。
そんな料理研究家たちと日本の暮らしの変遷や女性の生き方を重ね、検証した本です。
タイトルには小林カツ代と栗原はるみという名前が出ていますが、ふたりに特化した内容ではありません。
働く女性たちに時短料理を提案し支持を集めた小林カツ代、外食の普及で家庭料理にも変化が求められ数千ものレシピでカリスマ的な人気を集めた栗原はるみ、というように紹介されています。
料理研究家の歴史の中でもやはり時代の節目節目にはエポックメーキングな人が登場し、その時代に合わせた料理やライフスタイルを提案してきたということですね。
皆が外国のセレブリティに憧れ始めたときに西洋料理を紹介した飯田深雪、昔の家庭料理が危ぶまれ始めると新米主婦たちに伝統的な家庭料理を教えた土井勝や辰巳浜子。
生活が落ち着き始めるとパーティ料理など遊びのあるレシピ本を出した入江麻木や城戸崎愛というふうに。
日本の暮らしの変化とともに、いろんな料理研究家たちが紹介されています。
ただ「料理研究家とその時代」がこの本のテーマではありますが、当時の女性の生き方のほうにもかなり主眼が置かれており、けっこうジェンダーな話にもページが割かれています。
そのあたりは読んでいてちょっとウンザリしましたかね。(笑)
そういう話題を求めて読み始めたわけではありませんので。
ただ料理というものが家庭においては女性の役目という図式がありましたので、昔とは女性の生き方も違ってきた昨今、やはり関連して語らないわけにはいかないでしょう。
ラベル:グルメ本
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2016年12月13日

「彼女のしあわせ」朝比奈あすか

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栗林家は両親と3姉妹の5人家族。
現在、姉妹はそれぞれ独立して暮らしています。
三女で27歳の桃井凪子は過去の経験や病気のこともあり、セックスもできず子供を産むこともできません。
姉たちも知らないそんな問題を抱えつつ、しかし夫の亮一はそれを理解し凪子を受け入れてくれています。
次女の梅原月子は33歳の専業主婦。
夫の転勤で田舎暮らしが不満です。
もうすぐ3歳になる娘をほったらかしにして、自身のブログ更新に熱中しています。
長女の征子は百貨店で催事の企画運営を担当する副部長。
36歳、独身のキャリアウーマンです。
マンションも購入しこれからも独りで生きていくつもりですが、一抹の寂しさも感じています。
母の佐喜子は62歳。
夫と姑に愛想を尽かし、ついに家出してしまいます。
そんなそれぞれ悩みや傷を抱えた4人の女性たちの物語・・・・。
当たり前のことですが誰もが問題を抱えているのだなと。
それは外(他人)からはわからないんですよね。
凪子の体のことは両親と夫しか知りません。
月子はブログで実際とは全然違うオシャレな生活を演出しています。
征子は傍から見れば優雅ですが、心の中はにはつねに「これでいいのか」という引っ掛かりがあります。
佐喜子も夫と姑に対して長年辛抱してきました。
ざっくりと言えばこの小説のテーマは最初の1行に集約されているのかもしれません。
凪子の中学時代の担任が生徒たちに言った言葉。
「本当に欲しいものは手に入らない。それが人生なんです。」
でもそんな中で人は皆ささやかな幸せを見つけていくんですよね。
ラベル:小説
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