2019年04月05日

「エンジョイしなけりゃ意味ないね」朝倉かすみ

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12編収録の短編集です。
表題作の主人公はバブル期にイケイケだった女性です。
現在は二人の子供がいる46歳の主婦。
信託銀行でパートをしています。
同じ職場の若い女の子を眺めつつ自分の過去を振り返り、地味な現在も悪くはないなと思ったりします。
タイトル的には表題作かなとは思いますが、内容は他の作品にいろいろといいのがあると思います。
どれも独立した作品であり連作ではないのですが、最後にするするっと他の作品とのつながりがあったりして。
この作家さんは言葉遣いや文章の言い回しに独特のセンスがあるんですよね。
そしてさりげない細かな描写とか。
この作品集では女性たちの微妙な立場をそのようなセンスで絶妙に描いておられます。
ラベル:小説
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2018年12月09日

「料理ノ御稽古」嵐山光三郎

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「うまいものは自分で作るに限る」という信念のもと、著者が4年間にわたって御稽古してきた料理を披露。
カラー写真をふんだんに使って紹介されています。(写真は脇坂進)
レシピ集というほど細かい作り方が紹介されているわけではなく、ざっくりですね。
この著者、食べ物についての本はいろいろと出しておられるのですが、これが最初の本になるんですかね。
なので(?)出てくる料理はわりとまとも。
せいぜいカクテキのからあげなんてあたりがいかにも的か。
その後の「素人包丁記」シリーズなんて尺八や物干し竿なんかも料理してますから。(笑)
この本ではカマボコを手作りしてみたりラーメンも麺を手打ちしたり、そのあたりけっこう律儀に手作りです。
まさに「うまいものは自分で作るに限る」ですね。
しかし表紙の著者の写真、若いなぁ。(笑)
ラベル:グルメ本
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2018年11月11日

「書店ガール5 ラノベとブンガク」碧野圭

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シリーズ第5弾。
前作で駅中の小さな書店の店長になった宮崎彩加。
しかしどうも売れ行きがよくありません。
自分の理想の棚よりも売れる棚を作るべきなのか。
また若いアルバイトたちとどのようにコミュニケーションしていけばいいのか。
行き詰っている彩加です。
一方、できたばかりのライトノベル編集部で編集長を務める小幡伸光は、第一弾第二弾で活躍した小幡亜紀の夫です。
初めての新人賞選考で二人の受賞者を出すのですが、一人が受賞を辞退し、また編集部員がベテラン作家の原稿に無断で手を入れ、販売が中止になるなどのトラブルが続き、前途多難な様相となります。
そんな彩加と伸光が出会い、話は一気に盛り上がっていきます・・・・。
書店業界を描いたお仕事小説なわけですが、今回は出版界(ライトノベル)の舞台裏も描かれています。
いつもながら読ませられます。
なんやかんやありつつも話はめでたしめでたしに向かって進んでいくので、ベタといえばベタなんですけども。
しかしそうでないと読者のカタルシスが満たされませんしね。
現実の作家名や作品名を登場させ、フィクションの中にも上手くリアルを取り込んでおられるのもいつも通り。
ご本人に許可を取っておられるのかな、などと余計なことを考えてしまいますが。(笑)
あと2巻。
楽しみに読ませていただきましょう。
ラベル:本・書店 小説
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2018年07月16日

「チア男子!!」朝井リョウ

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晴希は大学1年生。
家が柔道の道場をしているので子供の頃から柔道をし、大学でも柔道部です。
しかし才能のある姉と比べて自分の限界を知り、また怪我をしたこともあって柔道を辞めます。
同じく柔道をしていた幼馴染みの一馬もそれに合わせたかのように柔道を辞め、一馬に誘われ他の学校にもない男子だけのチアリーディング部を作ることになります。
個性のあるメンバーが集まってくるのですが、皆未経験者ばかり。
しかし目標は全国選手権・・・・。
まずチアリーディングというモチーフがいいですし、しかも男子だけのチームというのがいい。
パターンとしては素人の集まりが努力して段々と成長していくというステレオタイプではあります。
しかし柔道だの野球だのというありふれたスポーツではなく、チアリーディングというのがミソなんですね。
あまり詳しく知られていない世界ですから、読んでいてとても新鮮でした。
まずは学園祭でのデビュー。
そして地方予選、全国大会。
友情、努力、勝利、というテーマが盛り込まれ、まるで少年ジャンプのようですが。(笑)
でも素直に感動しました。
ちなみにモデルとなったのは作者の母校である早稲田大学に実在する『SHOCKERS』という男子チアリーディング部だそうです。
ネットで動画を観ましたが、いやあ、なかなか。
もっと注目されていいスポーツだと思います。
ラベル:小説
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2018年06月14日

「白樫の樹の下で」青山文平

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浅間山が噴火し、その衝撃からまだ立ち直れない江戸。
賄賂まみれの噂から田沼意次が失脚し、清廉な松平定信が老中に。
そんな騒然とした天明の時代、白樫の樹の下に道場がありました。
竹刀での稽古が主流となっている昨今、この道場では木刀による形稽古を行っています。
そこに集まった三人の若者。
その中の一人、村上昇は普段竹光を差している貧乏な小普請組です。
昇はある日一口の名刀を預かることになります。
刀匠一竿子忠綱。
しかしこの名刀を預かることにより、登の周りが動き始めることになります・・・・。
閉塞感の漂う江戸を背景にした若い武士たちの希望のない日々といいますか。
貧しく鬱屈しがちな毎日です。
それは精神の暴発にもつながります。
友人の精神崩壊、また辻斬りで登の周りの者が次々と殺され、登は疑心暗鬼に陥ってしまいます。
ラストはアンハッピーというわけではないのですが、しかしなんともやるせないですね。
ラベル:時代小説
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