2020年01月18日

「増補版 ディズニーランドの経済学」粟田房穂 高成田享

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1983年に開業した東京ディズニーランド。
もう今年で37年になりますか。
しかし長く続いていますね。
2018年にはディズニーシーと合わせてですが、過去最高の入園者数を記録したとか。
まさに遊園地の中では独り勝ちの感さえあります。
アメリカ生まれのディズニーランドがなぜここまで日本に受け入れられたのか。
ハード面ソフト面、様々な角度からそれを分析しています。
この本が最初に出たのが1984年。
開業の翌年ですね。
あとがきには「この成功がいつまで続くだろうか」と書いたそうですが、40年近くも独走しているわけです。
著者もこれはさすがに予想外だったようですね。
まるで生命体のように姿を変化させていくとは思ってもみなかったと。
そう、このような施設はつねに進化し続けていないと飽きられてしまいます。
あの手この手を打ち出して客を呼び込んでいます。
アトラクションの追加、そしてディズニーシーを立ち上げ、東京ディズニーリゾートとして進化しています。
さて、10年後20年後はどのようになっているのでしょう。
少子化がどのように影響するのかも懸念ですね。
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2020年01月16日

「かけら」青山七恵

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3編収録の短編集。
桐子は写真教室に通う女子大生。
家族5人でさくらんぼ狩りツアーに行く予定だったのですが、兄の小さい娘が熱を出し、心配した母が行かないと言い、兄も行かないと言い出します。
結局は桐子と父の2人で出かけることになります。
父と2人きりという状況がどうも気詰まりです。
しかし一緒に行動しているあいだ、桐子は父の今まで見たことのなかった顔を目にします・・・・。
他の2編もそうなのですが、共通して底辺に流れているのは所詮自分以外の人間のことなんてその正体はわからないということですね。
わからないのだけど、だからこそ(?)気になってぎこちなく意識してしまう。
父と娘であっても知らない部分はたくさんあるわけです。
「欅の部屋」は婚約者がいる男性が同じマンションに住む元カノの心境が理解できず、結婚を控えていながらも心を乱されるというような話です。
付き合っていた時に彼女がこのマンションに引っ越してきたのですが、いきなり一方的に別れを告げ、しかしいまだに同じマンションに住み続けています。
どうやら彼から乗り換えた相手とは破局したようですが。
もしかしてまだ自分のことを・・・・などとうぬぼれた気持ちを持ってしまったりもします。
「山猫」は西表島に住む叔母の娘が東京の大学に進学したいということで、東京を案内してあげてほしいと頼まれ、しばらく新婚家庭に寝泊まりさせることになります。
しかし表情もなく口数の少ないその少女は何を考えているのかわからない。
自分と夫とでは態度も違います。
彼女の言動が不快に感じ、声を荒げてしまったりもします。
人間、つい他人に自分が思い込んでいるイメージを求めがちですが、決してそんなわけはないのですね。
ラベル:小説
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2020年01月12日

「あのひとは蜘蛛を潰せない」彩瀬まる

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28歳の梨枝は24時間営業のドラッグストアの店長。
躾に厳しい母のもとで実家暮らしです。
男性経験もなかった梨枝ですが、ある日入ってきた大学生と付き合い始めます。
それがきっかけでしょうか、母に反発し、いよいよ一人暮らしを始めます。
しかし母から離れてみて、自分はいかに母の躾を叩き込まれていたか、ことあるごとに気付かされます。
失踪した中年店員の柳原、彼氏の三葉君、来店するたびにバファリンを買っていく鎮痛剤依存症の“バファリン女”、義姉で幼馴染みの雪ちゃん、いろんな人たちと関わりながら梨枝もひたすら毎日を過ごしていきます・・・・。
梨枝の現状というのがなんといいますか非常に宙ぶらりんなんですね。
ドラッグストアの店長といっても、あちこち主力でない店に回されています。
自分に自信がないので、売り場のレイアウトなども部下に意見を聞かないと不安で独断による決定ができません。
家庭でも28歳という年齢でいまだ母親の呪縛から抜けられていない。
夜勤から帰ってきてもきっちりと栄養のバランスを考えた朝食が用意されています。
家の中はつねに母により掃除が行き届いています。
一人暮らしをしたいと母親に伝えたときは、あんた一人で何ができるのかと罵倒されます。
それでも飛び出して一人暮らしを始める。
うんうん、そんなもんです。
今までできなかった、していなかったことでもいずれはしていかなければしょうがない。
人間関係にしても、立ち向かっていかなければしょうがない。
いろんな人に対して、いろんな状況に対して。
そんな梨枝の成長の物語といえば大げさですね。
少しずつ変化していく日々です。
タイトルの「蜘蛛を潰せない」というのは失踪した柳原さんのエピソード。
深夜の仕事中、レジカウンターに現れた小さな蜘蛛に戸惑う柳原さん。
梨枝がティッシュにくるんで店の外に放ちます。
そんな柳原さんがある日、若い女と失踪する。
柳原さんは最初の章に出てくるだけです。
蜘蛛は最後の章にも出てきます。
平気で蜘蛛を潰せるアルバイトの小林君の前に。
ですが梨枝は「潰さないで」と蜘蛛を外に逃がしてやります。
ラベル:小説
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2019年11月08日

「恋歌」朝井まかて

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師の中島歌子が病に臥せ、留守宅の書類の整理を依頼された三宅花圃。
そこで花圃は歌子の手記を見つけます。
手記には歌子の壮絶な知られざる過去が記されていました・・・・。
中島歌子という人は樋口一葉の師として知られた歌人です。
花圃はその弟子で小説家。
物語はただ歌子が過去を語るのではなく、弟子が師の半生を読むという形式です。
時代は幕末の江戸。
商家の娘として育った歌子ですが、水戸藩士である林忠左衛門以徳の家に嫁ぎます。
尊王攘夷を掲げて活動する以徳ですが、やがて水戸藩で内乱が起き、歌子も投獄されてしまいます。
それでもひたすら行方の知れない以徳を思い続ける歌子。
波乱の人生です。
明治生まれのちゃらちゃらした若い娘たちに自分たちがどれだけ苦労してきたか、今の時代を作ってきたのは誰なのかというのを語って聞かせるという、いつの時代にもあるテーマでもあります。
この国をよくしようと命を賭けた男たちがいたのだと。
それを支え耐え忍んできた女たちがいたのだと。
静かに、しかし力強く訴えます。
弟子の樋口一葉に比べるとさほど一般に名前の知られていない中島歌子。
そんな人物に光を当てた佳作です。
ラベル:時代小説
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2019年10月14日

「ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領」アンドレス・ダンサ/エルネスト・トゥルボブィッツ 

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ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカ。
給料の7割を寄付し、その質素な生活ぶりから『世界でいちばん貧しい大統領』と呼ばれていました。
元ゲリラで何年も投獄されていたという異色の大統領でもあります。
注目を浴びたのは2012年6月、ブラジルのリオデジャネイロでのスピーチ。
人間の欲、自国の利益しか考えない各国のエゴな政治などを指摘批判し、一躍世界的な注目を浴びました。
自国での政治では、例えば目立つところでは大麻の合法化なんてのがありますね。
われわれ日本人の感覚では「えっ」と思いますけど。
かなりざっくりといえば、麻薬密売者の仕事を奪ってしまうということです。
麻薬密売が違法であるからこそ、密売者たちが暗躍し生き延び、大きな影響力を持つようになってしまっている。
そして莫大な金が動きます。
これを合法化してしまえば密売組織は商売として成立しなくなります。
また麻薬中毒者をコントロールできるようにもなるだろうと。
現実はどうなんでしょう、思惑通りにはいっていないような記事も読んだ記憶がありますが。
ま、あまり政治や思想について語るのは好きではないので深くは触れませんが、しかし日本にウジャウジャいる口先だけクリーンな政治家たちとはまったく人物が違います。
先生と呼ばれてふんぞり返って、何が庶民のことをわかるものですか。
とは言いつつも、平和で飢餓もなく過ごせている日本の現状に私は感謝していますけどね。
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