2018年06月10日

「やさしいため息」青山七恵

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一人暮らししているまどかは派遣会社の事務をしています。
4年ぶりに朝の通勤電車で行方知れずだった弟の風太と再会しました。
風太はまどかのアパートに居候することになります。
毎日まどかの1日の行動を聞き、観察日記をつける風太。
そして風太の友人の緑という男子がちょっと気になり始めて・・・・。
これといって変化のないまどかの毎日ですが、しかし風太には作り話の報告をし日記に書かせます。
客観的に見ると自分の1日の行動なんて平凡なものなんですよね。
そうそうドラマがあるものじゃない。
そんな毎日は引け目を感じることなのか。
一緒にごはんを食べたり飲みに行ったりする相手がいないことは恥ずかしいことなのか。
平凡な毎日に弟が少しだけ風穴を開けます。
それに刺激されてか紹介された緑に惹かれてしまったり。
やはり自分には自分のペースがあり、行動パターンがあるわけで。
それを見失ってペースの乱れた行動を取っても納得のいく日々とはなりません。
そんな思いを持ちました。
ラベル:小説
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2018年06月04日

「なにを食べたらいいの?」安部司

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飽食の日本。
身近なところでいろんな食品が手に入るようになりました。
素材ではなくすでに調理され、すぐに食べることのできる食品が大量に出回っています。
たしかに便利です。
包丁もまな板もいらなかったりします。
実際ひとり暮らしの若い人で包丁を持っていない人も多いようですね。
しかしそのような食品は手作りの料理とはまったく違うものです。
なにより大きな違いは添加物の有無でしょう。
というわけで、この本では出来合いの食品がいかに添加物まみれで危険なものであるかということを紹介しておられます。
しかしほんとうに危険なのかという反論もあるでしょう。
国が安全と認められているから使用されてるんじゃないかと。
一理あります。
ですが安全として認可されていた添加物がいきなり発がん性があるとして使用禁止になる例もあるのです。
そして動物実験などで問題なしとして安全と言われている添加物でも、何十年も摂取し続けた人体がどうなるかなどまだ誰にもわからないのです。
ひとつの食品に含まれている添加物はコンビニおにぎりで20~30種類、サンドイッチで80~100種類だとのこと。
こんなので1日を過ごすとあっというまにのべ数百種類にもなってしまいます。
著者は商社で加工食品の開発をしておられました。
なので添加物のエキスパートです。
そんな自分が開発した添加物まみれの肉団子を幼い娘が食べているのを見て、著者は翌日会社に辞表を提出したといいます。
自分で作ってきたからこそ、こんなのは決して子供に食べさせるべきではないというのをひしひしと感じたんですね。
今さら何をという批判ももちろんあるでしょうが。
現在の食生活において食品添加物を100%避けるのはほぼ不可能でしょう。
しかし知識を持ち、できるだけ避けることは可能です。
このような工業製品ともいえる食品が溢れかえっているのは、作ったメーカーもそうですが無関心に受け入れている消費者がいるからです。
食品を購入するときは原材料表示を確認し、あまりにもひどいものは避け、できるだけ手作りの料理を食べることを心掛けたいものです。
ラベル:グルメ本
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2018年05月07日

「阿川佐和子のアハハのハ この人に会いたい2」阿川佐和子

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対談の達人、阿川佐和子による対談集の第2弾。
週刊文春に連載された対談からの抜粋です。
時代は93年~99年。
今回のゲストは、まず最初に北野武。
この頃は映画監督としてもイケイケの頃ですね。
個人的には最近の北野武の言動というのはちょっとウザイといいますか。
老害という気もします。
私ごときが何をと言われるかもしれませんが。
松坂大輔も登場していますが、まだ高校生です。
写真を見るとさすがに幼い。
今のようなふてぶてしさはまったくありません。(笑)
白洲正子、高倉健はすでにお亡くなりになっておられますね。
サッカーの川口能活なんてあのころの活躍を思い出します。
最近はあまり名前を聞きませんがどうしていらっしゃるんでしょうか。
今回の登場は総勢22人。
ほんと幅広い人選ですね。
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2018年04月21日

「クジラの彼」有川浩

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自衛隊に勤務する人たちをモチーフにした短編集です。
表題作の「クジラの彼」は潜水艦に乗る男性を彼氏にした女性の話。
潜水艦乗りは一旦任務に就くと携帯電話もつながらず、何か月も会うことができません。
そんな男性を彼氏にしてしまった女性の苦労やいかに・・・・。
他の収録作もそうなのですが、自衛隊員本人やそういう人を恋人に持ってしまった人たちの四苦八苦(?)なラブコメです。
表題作や「有能な彼女」は「海の底」の番外編となっています。
「クジラの彼」は冬原春臣、「有能な彼女」は夏木大和が登場。
特に夏木と望のその後が読みたかったので楽しみでした。
「ファイターパイロットの君」は「空の中」の続編。
これも高巳と光稀のその後が読めてよかった。
やっぱり光稀がいい。
どれもそれぞれ独立した短編となっており、前作については軽く触れる程度です。
なので前作を読んでいなくても楽しめるようにはなっていますが、やはり「海の底」、「空の中」の両作品を読んで経緯を知ってからのほうがより楽しめると思います。
ついでに「塩の街」も読んで自衛隊3部作制覇を。(笑)
「国防レンアイ」もよかったですね。
自衛隊員同士の恋愛なんですけど。
主人公の腐れ縁の女性隊員を小馬鹿にした元カレへの啖呵がいい。
「女に恥かかせて何楽しいんだお前」、「腹筋割れてて何おかしいんだ? こっちゃ伊達や酔狂で国防やってねえんだよ。有事のときにお前ら守るために毎日鍛えてんだよ。チャラチャラやってて腹なんか割れるか」
ブラボーです。
拍手喝采です。
「ロールアウト」なんかも、よくこんなところに目をつけるなぁと感心しました。
作者はかなり自衛隊の事情にお詳しいようで。
かといってマニアックにならず、その知識を実に上手く作品に活かしておられますね。
ラベル:小説
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2018年03月14日

「R62号の発明・鉛の卵」安部公房

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表題作他10編が収められた短編集です。
会社をクビにになり自殺しようとしていたところスカウトされ、生きたまま自分の死体を売りロボットになった主人公。
人間にとって都合よく働くためにロボットにされたのですが、その主人公が発明した機械は・・・・。(R62号の発明)
単純にいいますと機械社会といいますか機械文明といいますかそういうものに対しての皮肉であり、しっぺ返しのようなものなんでしょうが、話自体にはひねりもなくそのまんまといった印象です。
文章には独特なシュール感があるのですが。
私がよかったのは最後の「鉛の卵」です。
冬眠機で100年後に目覚めるはずだったのが、機械の故障で目が覚めてみたら80万年後。
100年ならともかく80万年となると人類はどれだけ変化していることか。
見た目もまったく違いまるで植物のようです。
言葉も通じません。
人間のように食料を食べません。
さて主人公はそんな世界でどのように生きていくのか・・・・。
実際このように冬眠して未来に目覚め、数十年後数百年後を見てみたいと希望する人はいるようですが、私はまっぴらです。
考えるだに恐ろしい。
現在とさほど変わらなければまだしも、大きく変わっていればほとんど動物園の動物状態じゃないですか。
気が狂います。(笑)
ラベル:小説
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