2017年11月18日

「ハンドモデルの恋人」綾瀬麻結

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6歳のとき両親を事故で亡くした紗羅は、樫井家というジュエリー会社を経営している裕福な家に引き取られます。
そこには唯人という6歳年上の男の子がいました。
兄と妹のような2人でしたが、唯人は紗羅の初恋の相手となります。
しかし唯人はアメリカの大学に留学してしまいます。
離れ離れになって胸が張り裂けそうなほどつらい思いをしましたが、それから8年後、ついに唯人が帰ってきます。
お互い見違えるような魅力ある大人になり2人は男と女として惹かれあうのですが、お互いに誤解があり行き違いを繰り返してしまいます。
唯人しか考えられない紗羅ですが、唯人は紗羅には好きな男がいると思い込み別の女性に目を向けようとします。
そんなある日、ジュエリーのパンフレットに掲載されている美しい『手』の持ち主に唯人は惹かれるのですが・・・・。
ま、なんといいますか、非常に芝居じみていて回りくどく歯がゆい展開です。(笑)
子供やあるまいしお互いの気持ちくらいわかるやろと。
「やっぱりわたしのことなんか・・・・」、「俺は嫌われてるのか・・・・」という自虐的ナルシズムはお約束。
エタニティの定番ですね。
だからこそのラストのカタルシスなのかもしれませんが。
この作者の本は2冊目ですかね。
ふと「ん?」と思うようなことがあったりする。
舞台は神戸なんですがなぜか皆標準語とか。
前作もそうでした。
他、再会する前はお互い相手の記憶は数年前に離れたままで現在は見た目がどうなっているかわからないなんて設定ですが、メールのやり取りはしていたんだから普通写真のやりとりもするでしょ。
あと夜中に蝉が鳴いていたりとか。
(最近は熱帯夜の影響かそういう例もあるようですけど)
あまりこんなことにこだわると小姑のようですが。(笑)
この作品は3部構成。
最後の「永遠の囁きをずっと」というのがなかなかよかったです。
紗羅の祖母の半生です。
最後に締まりましたね。
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2017年11月16日

「くさいはうまい」小泉武夫

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くさい食べ物というのはいろいろあります。
まず思いつくのが納豆ですかね。
でも私はくさいとは思いませんが。
最近はにおい控えめなんてのがあったりして、そんなの意味ないやんと思ってしまいます。
くさやなんてのもくさい食べ物の代表でしょうか。
私は食べたことないんですけども。
チーズも種類によっては強烈なのがありますね。
世界最高レベルでいうと韓国のホンオフェ、スウェーデンのシュールストレミング。
これはもう相当なレベルのようです。
そしてイヌイットのキビヤック。
アザラシの腹の中にアパリアスという海燕の一種である鳥を何十羽も詰め込んで、3年間土の中に埋めたもの。
奇食ですね。
さて、それらの食べ物はすべて発酵食品です。
つまり発酵はくさいと。(笑)
もちろんくさくないのもありますが。
でもにおいのきつい食べ物って最初はとっつきにくいですけど、慣れると病みつきになりますよね。
そんな世界中のくさい食べ物を紹介した一冊です。
ラベル:グルメ本
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2017年09月03日

「書店ガール4 パンと就活」碧野圭

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新興堂書店でアルバイトをしている高梨愛奈は就職活動を控えた大学生。
周りが積極的に就職活動している中、愛奈はいまいち気持ちがはっきりしません。
本は好きですが、このまま書店に就職したとして未来はあるのか。
一方、駅ビルの書店で働く宮崎彩加は書店員5年目です。
大学時代からこの店でアルバイトし、卒業後は契約社員として勤めています。
愛奈より4歳年上ですが友達として親しく付き合っています。
正社員への登用とともに、新しくオープンする七坪ほどの駅中書店の店長を任せられることになるのですが。
2人の今後は・・・・。
シリーズ第4弾。
これまでは西岡理子と小幡亜紀のコンビでしたが、今回からはその2人は若い人たちにとって憧れの存在となり、次世代というべき愛奈と彩加がメインとなっています。
愛奈の就活、そして彩加の書店員としての成長を柱に、パン屋の大田英司という男性との接点があります。
寂れた商店街で書店をしている彩加の叔母の店を、大田のパン屋と提携してブックカフェにしないかという話が持ち上がっているんですね。
最初は太田に対してあまりいい感情を持たない彩加ですが・・・・。
サブタイトルの「パンと就活」というのはここから来ているわけです。
いつもながら登場人物が悩み葛藤しつつ成長していくという大きな幹があります。
そして女性が働くことの意味、本への愛情といったしっかりとした枝。
それらを描きつつちらっと恋愛の要素も隠し味程度に加え、実在の作家の名前や作品を多数登場させ、上手く現実とシンクロさせて読み応えのあるエンターテイメントとなっています。
毎回ただエピソードを羅列するだけではなく、しっかりと物語自体が進歩しているのがいいですね。
ラベル:小説 本・書店
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2017年08月12日

「バカボンのパパよりバカなパパ」赤塚りえ子

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「天才バカボン」や「おそ松くん」などで知られるギャグマンガ家、故・赤塚不二夫。
日本のギャグマンガを変えたといってもいいその功績はあまりにも偉大です。
さて、そのような天才マンガ家のプライベートとはどのようなものだったのか。
一人娘の著者が貴重な写真を多数掲載しつつ綴った一冊です。
マンガ家としての赤塚不二夫の経歴を紹介しつつ、娘という立場から書かれた家族の記録。
いやまあその生き様は抱腹絶倒です。
作品を地で行くような日々の生活ですね。
とにかく他人を笑わせるのが好きだったんでしょう。
しかしバカなことをやりまくっておられましたが、実はすごくシャイな人。
とても純粋な人だったんだなというのが読んでいて伝わります。
だからあれほど皆に愛されたのでしょう。
周りには人が良く集まったようです。
ホームレスを自宅に集めて宴会したり。
再婚の記者会見で前妻も同席するなんて普通あり得ませんし。(笑)
離婚後も前の奥さんとの仲はよく、新しい奥さんと前の奥さんは友達のように付き合っていたようで。
そんなエピソードも赤塚不二夫という人柄をよく表していますし、またギャグマンガのようでもあります。
評論家や編集者から見た漫画家論ではなく、娘から見た父親・赤塚不二夫の素顔です。
タイトルも父への愛しさがこもっており、いいですね。
ラベル:漫画本
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2017年06月11日

「かけおちる」青山文平

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柳原藩執政の阿部重秀は農政の実務に強いいわゆる地方巧者。
門閥には連ならない生まれながらも重責を務めています。
片腕の中山藤兵衛、阿部家若党の啓吾、娘婿の長英らの助力を得ながら、藩財政を立て直すことに尽力しています。
そんな重秀ですが過去にある事情を持っており、いつまでもこのような立場に居るわけにはいかず、そろそろ身を引こうかと考えている矢先。
江戸にいる長英に異変があり、啓吾もまた重秀を裏切ることに・・・・。
タイトルの「かけおちる」はいわゆる男と女の駆け落ちですね。
これが重秀が過去に抱える問題であり、また現在においても大きく関わってくる問題となります。
男と女が駆け落ちる。
そこにはどのような事情があるのでしょう。
この作品においてその行為は決して自分たち本位の行為ではありません。
重秀は自分が何も見えていなかったことに気づき、自身の至らなさに気づかされるのです。
人を思う気持ちの健気さ、尊さ、献身さ。
そういうのがひしひしと伝わる作品でした。
ラベル:時代小説
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