2019年11月12日

「すきやばし次郎 鮨を語る」宇佐美伸

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「すきやばし次郎」。
ミシュラン3ツ星の高級鮨屋です。
職人は小野二郎。
この本の取材時で84歳。
2019年現在でなんと94歳。
ミシュラン3ツ星の最高齢料理長としてギネス世界記録にも認定されているとか。
そんな鮨職人が半生を語ります・・・・。
店については賛否両論ありますが、鮨のレベルに関してはやはり文句なしなようで。
そんな最高峰の鮨職人はどのような修行をし、人生を送ってきたのか。
もちろん鮨そのものについての考えもみっちりと語っておられます。
「すきやばし次郎 旬を握る」という里見真三による名著もありますが、こちらは握りの原寸大のカラー写真やマグロの断面図など多量の画像を掲載し、技術といいますか仕事について多くのページを割いた本です。
この「鮨を語る」のほうはもっとソフト面について取材しているといいますか。
しかし鮨職人としてここまで取り上げられる人物というのは他にはいないですね。
ラベル:グルメ本
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2019年10月12日

「フランス料理は進化する」宇田川悟

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今では日本においてさえ、海外のVIPを迎える食事はフランス料理だったりします。
個人的には非常に不満なんですけどね。
日本でもてなすのになぜフランス料理なのかと。
素晴らしい食文化が日本にあるにもかかわらず。
ま、それほどフランス料理というのは料理として洗練されているということなのでしょう。
そして言語でいえば英語のように世界共通ということなんでしょうね。
ですがブルボン王朝、ルイ十四世の時代。
ヴェルサイユ宮殿での豪華な晩餐会。
実は今ほど料理やマナーは洗練されていませんでした。
ではその後どのようにフランス料理は進化してきたのか・・・・。
過去や現在のフランスの食文化を紹介し、そしてエスコフィエなどの偉大なる料理人にも触れます。
ヌーヴェル・キュイジーヌがあり、いろんな料理人が出てきました。
しかしその反動も大きかった。
わけのわからない料理を作る料理人も続出。
揺り返しで昔ながらの地方料理に目が向けられたりします。
食材の鮮度やその味を生かすことにも目が向けられました。
そんなの日本料理では当然のことなんですけどね。
それまでのフランス料理はそうではなかったんです。
そのようなフランス料理の歴史がきっちりと語られています。
最後の章は著者がロンドンでプロデュースしたフランス料理店のいきさつです。
ミシュランの星を取ることを目標に、どのような店づくりをしたのか。
その結果は。
これは非常に興味深く読みました。
ラベル:グルメ本
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2017年11月24日

「ナポリタン」上野玲

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私が子供の頃はスパゲティといえばナポリタンでした。
太めの柔らかく茹でた麺、ケチャップまみれの真っ赤な見た目、甘酸っぱいベタな味。
具は薄切りのハムもしくはソーセージ、玉ねぎあたりが定番、あとは店によりピーマン、グリーンピースといったところですかね。
マッシュルームなんかはワンランク上の具材で、ほとんど見かけませんでした。
これこそがスパゲティだと思っていたので、麺にソースを絡めず上にかけたミートソースなんかを知ったときはとてもオシャレに思えました。
ある年齢以上の人には懐かしい料理のナポリタンですが、この本ではそんなナポリタンについて徹底検証しています。
ナポリタンはいつどこで誕生したのか、名前の由来は、日本各地でどのような違いがあるのか。
スパケディの本場イタリアにナポリタンはないというのは有名な話ですが、しかしストックホルムにあると聞いた著者はスウェーデンに飛びます。
中国は上海で正統なナポリタンを食べてみたり。
そしてナポリタンといえば欠かせないのがケチャップ。
ケチャップの歴史にも触れ、ニューヨークにあるハインツの工場を取材。
国内ではカゴメ愛知県小坂井工場。
コンビニのナポリタンもどのように作られているのかとミニストップの埼玉県八潮工場へ。
巻末にはコンビニナポリタンの食べ比べ、全国のナポリタン名店の紹介と至れり尽くせり。
堪能できます。
しかしナポリタンというのは店の主役にはなれませんね。
たいがい洋食屋や喫茶店の1メニューです。
私の周りにも今まで何軒かナポリタン専門店ができましたが、ほとんど長続きせず閉店しています。
ナポリタンに思い入れのある世代といってもさすがにそう頻繁に食べるわけでもないですし、若い世代にはさほど思い入れはないでしょうし。
でもそれでいいと思います。
わざわざ専門店を作って出すようなものではなく、あくまで洋食屋や喫茶店で他のメニューに交じって載っているのを発見し、「お、久しぶりに食べてみるか」というのがちょうどいいポジションかと。
でもそれさえ減ってきているようですが。
ラベル:グルメ本
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2016年11月15日

「身体のいいなり」内澤旬子

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38歳で乳癌になった著者の闘病エッセイ。
闘病記というよりは闘病エッセイといったほうがしっくりくるように思います。
乳腺全摘出という女性にとって非常につらいことになったわけですが、しかしどこかあっけらかんとしているんですね。
「人間なんてどうせ死ぬんだし」という達観した視点がなんとも頼もしいような清々しいような。
摘出のあとは乳房再建です。
このあたりの体験談もけっこう赤裸々ですが、淡々と綴っておられます。
退院後自宅に戻ってゆっくり胸を見て、左右とんでもない方向を向いていて仰天したなんてなんとも生々しく体験者ならではのレポートです。
以前に読んだ「世界屠畜紀行」も屠畜という仕事をイラスト入りであっけらかんと取材し紹介しておられました。
これも著者のキャラといいますか作風といいますか。
そして驚くことに癌になってからのほうが健康になったといいます。
アトピー性皮膚炎や冷え性、無排卵性月経などいろいろ抱えていたのが治まり、夢のような日々を送れるようになったとのことです。
う~ん、なんだかそれもいかにも著者のキャラらしいなと思ったり。
大変な闘病の記録ではあるのですが、読み物として面白く力付けられる一冊となっています。
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2016年11月01日

「書店員の恋」梅田みか

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書店で働く今井翔子は26歳。

一流シェフを目指している水田大輔という彼氏がいます。

大学時代からバイトをしていたフレンチレストランが閉店し、現在はファミリーレストランでバイト中。

ですが最近の大輔には覇気がありません。

夢をあきらめてこのままファミレスの社員になってしまいそうな気配です。

お金がどうの週休二日がどうのという現実的で投げやりなことばかり口にする大輔に、翔子は重い気分になります。

そんなとき翔子の目の前に現れたのがケータイ小説のベストセラー作家、青木譲二。

譲二から積極的なアプローチを受け、翔子の心は揺れます・・・・。

2人の男性のあいだで心を迷わせる恋愛小説であり、書店員という仕事に打ち込むお仕事小説であり、成長の物語でもあります。

恋と仕事、夢と現実、愛かお金か。

女性が主人公の恋愛小説ってつねにこのテーマを抱えていますよね。

お決まりのテーマではありますが、それはつまり普遍的でもあるということ。

誰しも心当たりあるゆえに共感もあるのでしょう。

男性はもっとあっけらかんとしてますけどね。

ところでケータイ作家の名前が青木譲二ってどうよ。(笑)

ラベル:小説
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