2017年11月24日

「ナポリタン」上野玲

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私が子供の頃はスパゲティといえばナポリタンでした。
太めの柔らかく茹でた麺、ケチャップまみれの真っ赤な見た目、甘酸っぱいベタな味。
具は薄切りのハムもしくはソーセージ、玉ねぎあたりが定番、あとは店によりピーマン、グリーンピースといったところですかね。
マッシュルームなんかはワンランク上の具材で、ほとんど見かけませんでした。
これこそがスパゲティだと思っていたので、麺にソースを絡めず上にかけたミートソースなんかを知ったときはとてもオシャレに思えました。
ある年齢以上の人には懐かしい料理のナポリタンですが、この本ではそんなナポリタンについて徹底検証しています。
ナポリタンはいつどこで誕生したのか、名前の由来は、日本各地でどのような違いがあるのか。
スパケディの本場イタリアにナポリタンはないというのは有名な話ですが、しかしストックホルムにあると聞いた著者はスウェーデンに飛びます。
中国は上海で正統なナポリタンを食べてみたり。
そしてナポリタンといえば欠かせないのがケチャップ。
ケチャップの歴史にも触れ、ニューヨークにあるハインツの工場を取材。
国内ではカゴメ愛知県小坂井工場。
コンビニのナポリタンもどのように作られているのかとミニストップの埼玉県八潮工場へ。
巻末にはコンビニナポリタンの食べ比べ、全国のナポリタン名店の紹介と至れり尽くせり。
堪能できます。
しかしナポリタンというのは店の主役にはなれませんね。
たいがい洋食屋や喫茶店の1メニューです。
私の周りにも今まで何軒かナポリタン専門店ができましたが、ほとんど長続きせず閉店しています。
ナポリタンに思い入れのある世代といってもさすがにそう頻繁に食べるわけでもないですし、若い世代にはさほど思い入れはないでしょうし。
でもそれでいいと思います。
わざわざ専門店を作って出すようなものではなく、あくまで洋食屋や喫茶店で他のメニューに交じって載っているのを発見し、「お、久しぶりに食べてみるか」というのがちょうどいいポジションかと。
でもそれさえ減ってきているようですが。
ラベル:グルメ本
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2016年11月15日

「身体のいいなり」内澤旬子

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38歳で乳癌になった著者の闘病エッセイ。
闘病記というよりは闘病エッセイといったほうがしっくりくるように思います。
乳腺全摘出という女性にとって非常につらいことになったわけですが、しかしどこかあっけらかんとしているんですね。
「人間なんてどうせ死ぬんだし」という達観した視点がなんとも頼もしいような清々しいような。
摘出のあとは乳房再建です。
このあたりの体験談もけっこう赤裸々ですが、淡々と綴っておられます。
退院後自宅に戻ってゆっくり胸を見て、左右とんでもない方向を向いていて仰天したなんてなんとも生々しく体験者ならではのレポートです。
以前に読んだ「世界屠畜紀行」も屠畜という仕事をイラスト入りであっけらかんと取材し紹介しておられました。
これも著者のキャラといいますか作風といいますか。
そして驚くことに癌になってからのほうが健康になったといいます。
アトピー性皮膚炎や冷え性、無排卵性月経などいろいろ抱えていたのが治まり、夢のような日々を送れるようになったとのことです。
う~ん、なんだかそれもいかにも著者のキャラらしいなと思ったり。
大変な闘病の記録ではあるのですが、読み物として面白く力付けられる一冊となっています。
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2016年11月01日

「書店員の恋」梅田みか

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書店で働く今井翔子は26歳。

一流シェフを目指している水田大輔という彼氏がいます。

大学時代からバイトをしていたフレンチレストランが閉店し、現在はファミリーレストランでバイト中。

ですが最近の大輔には覇気がありません。

夢をあきらめてこのままファミレスの社員になってしまいそうな気配です。

お金がどうの週休二日がどうのという現実的で投げやりなことばかり口にする大輔に、翔子は重い気分になります。

そんなとき翔子の目の前に現れたのがケータイ小説のベストセラー作家、青木譲二。

譲二から積極的なアプローチを受け、翔子の心は揺れます・・・・。

2人の男性のあいだで心を迷わせる恋愛小説であり、書店員という仕事に打ち込むお仕事小説であり、成長の物語でもあります。

恋と仕事、夢と現実、愛かお金か。

女性が主人公の恋愛小説ってつねにこのテーマを抱えていますよね。

お決まりのテーマではありますが、それはつまり普遍的でもあるということ。

誰しも心当たりあるゆえに共感もあるのでしょう。

男性はもっとあっけらかんとしてますけどね。

ところでケータイ作家の名前が青木譲二ってどうよ。(笑)

ラベル:小説
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2016年10月18日

「ショコラティエの勲章」上田早夕里

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絢部あかりが売り子をしている店は神戸の老舗和菓子店〈福桜堂〉。

その2軒隣には最近オープンしたショコラトリーの〈ショコラ・ド・ルイ〉があります。

バレンタイン間近のある日、昼休みに〈ショコラ・ド・ルイ〉に出かけたあかり。

賑わう店内で女子中学生たちの万引きを目撃します。

その事件をきっかけに〈ショコラ・ド・ルイ〉のシェフ長峰和輝と親しくなり、いろんな出来事に関わっていくのですが・・・・。

「ラ・パティスリー」シリーズの番外編ですね。

「ラ・パティスリー」や「菓子フェスの庭」の舞台となっているのは〈ロワゾ・ドール〉という洋菓子店。

〈ショコラ・ド・ルイ〉はその〈ロワゾ・ドール〉のショコラ・ルームを独立させた店です。

他の2作と違ってこちらは連作短編のミステリー仕立てとなっています。

ただちょっと話の持っていきようが苦しいですかね。

第一話「鏡の声」の万引きの種明かしは理屈が過ぎますし、そのわりには無理がある。

いや、無理を理屈で抑え込もうとしているのか。

第二話「七番目のフェーヴ」にしても普通そんなことしないだろと。

話の創り方が強引過ぎるのでは。

番外編ということで本編とは違った味付けにしたのでしょうが、成功しているようには思えません。

ただ第四話「約束」、第六話「ショコラティエの勲章」などミステリー色の薄い作品はまずまずの印象。

やはりこういう方向のほうがいいと思いますけどね。

ところでシリーズの続編は出ないんでしょうか。

ラベル:グルメ本 小説
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2016年06月14日

「噂の眞相七月別冊 噂の匿名座談会」

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1979年から2004年まで刊行されたスキャンダル雑誌「噂の眞相」。

その25年間途切れることなく続いた名物連載が「週刊誌記者匿名座談会」です。

政治、芸能界、文壇、スポーツ界、あらゆるジャンルの舞台裏を暴露し続けてきたこの企画。

タイトルどおり匿名で他誌では書けないような情報を暴いてきました。   

取り上げられた当事者たちはさぞかし動揺し、怒り、赤面したことでしょう。

そして次は自分かと戦々恐々する人たちも多数いたかと。

よくもまああれだけの情報を集めてきたものです。

それらをまとめて読めるお得な一冊がこの本。(笑)

といっても再録ではなくほとんど全面的に座談会をやり直したようですが。

「噂の眞相」といえば他にも名物連載はいろいろとありましたね。

足立三愛の描くとびら絵はお下劣ですがユーモアがありました。

柱に掲載されていた一行情報なんてのもしょーもないネタがあったりして笑えました。

毎月楽しみにしていたんですけどね。

休刊してしまったのはとても残念です。

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