2013年12月05日

「スカートの下の劇場」上野千鶴子

Cimg2286

「ひとはどうしてパンティにこだわるのか?」

これがこの本のテーマです。

女性の下着だけでなく男性の下着についても論じられています。

下着の起源から始まってどのように進化してきたか。

どのように扱われているか。

面白いのは下着の権限を握っているのは家庭の主婦であるということ。

子供のうちは母親が買ってきた下着をあてがわれるわけですし、年頃になって自分で選ぶようになっても洗濯をするのは母親です。

娘がどのようなパンティを穿いているのかつねに監視されているわけです。

なのであまりド派手なのやエロいのは「こんな下着を誰に見せるつもり?」と母親の倫理に引っかかるのですね。(笑)

ただ女性の下着というのは男性に見せるためだけに選ばれるわけではないというのはちゃんと書かれていますが。

この本が出たのが1989年。

今とはまた事情が違います。

女性の下着についてもセックスについても驚くほどオープンになりましたしね。

posted by たろちゃん at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 『う』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月16日

「脚美人」宇佐美游

Cimg2222

短編集です。

表題作は「脚美人」。

25歳の菜江は競馬で47万3千円を手に入れます。

それを仲のいい瑞香に言うと「じゃあ奢ってくれるでしょ」といきなりたかられます。

妻子ある不倫相手の堀井もなんだかそのお金をあてにしているみたい。

持っていてもろくなことはないと、ずっとコンプレックスだった脚を整形することに。

何軒か病院を回り、ここという病院で脂肪を吸引してもらうのですが・・・・。

美しい脚を手に入れたいという話と、いまいち親友になり切れない瑞香との微妙な関係が描かれています。

しかしなんだか中途半端なんですよねぇ。

二つのテーマがどうもしっくりと馴染んでいない気がしました。

料理でいえばせっかくの材料をなんでこんな味付けにしてしまうのかなという感じ。

他の作品もラストで「は?」と思ってしまったり。

なんだか安易に話を作っているような気がしました。

この作品集を読んだ限り、また他の作品も読みたいと思えるような作家さんではなかったです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 『う』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月24日

「ラ・パティスリー」上田早夕里

Cimg2170

夏織は神戸の洋菓子店のパティシエです。

といっても新入りなので、いつもいちばん早くに出勤して店のシャッターを開け、開店の準備をするのも仕事のうち。

ある日シャッターを開けて店に入ってみると、すでに厨房に人がいます。

長身の見知らぬ男性は市川恭也と名乗り、自分はこの店のオーナーだというのです。

実は恭也はなんらかの事情で記憶喪失になっており、勘違いを起こしているようなのです。

とりあえずは事情がわかるまで、オーナーの計らいでしばらくこの店で働くことになります。

一緒に仕事をしながら、夏織はしだいに恭也に惹かれていくのですが・・・・。

マンガでは料理人や菓子職人を扱った作品は多くあり、すでにひとつのジャンルにさえなっています。

しかし小説ではなぜかマンガほどそういうのが成立していないですね。

活字の世界では難しいのでしょうか。

さて、この作品は洋菓子の世界を扱いつつ、主人公の成長の物語であり、ほのかな恋心があり、親子の絆のようなものも描かれています。

ただなんとなく読み終わって全体的にフラットな印象なんですね。

夏織と恭也の関係がもひとつ浅いですし、恭也の記憶の問題についても解決しないままです。

パティシエという職業の世界については素人の私にはよくわかりませんけども、そこそこ描けているのかなぁと。

ただ夏織と恭也にもっとパティシエの仕事を絡ませたほうが、こういうジャンルの小説として読み応えあったのではと思います。

まあ広く浅く無難にまとめておられるという印象ですかね。

シリーズの第一作という受け止め方もできますし、もし続編が出れば読んでみたいです。

ラベル:グルメ本 小説
posted by たろちゃん at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 『う』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月17日

「食べるのが好き 飲むのも好き 料理は嫌い」内館牧子

Cimg2064

脚本家による食エッセイ。

食エッセイというとたいがい素材であったり料理であったりをテーマにするのですが、これはちょっと変わっています。

食にまつわる器をテーマにし、その器の使い道として料理を紹介しておられるのですね。

ひとつの章に必ず1ページのカラー写真が添えられています。

しかしこのタイトル。

なんとひねりがなくストレートなことか。

でも猫も杓子もグルメを自認する時代、こういう女性ってけっこう多いんじゃないですかね。

あちこち食べ歩いてどうこういうわりには自分ではほとんど料理しない(できない)とか。

別に女性だからといって料理できなければならないというわけではありませんけども。

それはそれでその人のスタイルであります。

この本の著者の場合、なんやかんやいいつつも作っておられるようですが。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 『う』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月03日

「ワーホリ任侠伝」ヴァシィ章絵

Cimg1975

商社でOLをしているヒナコはワーキングホリデーの資金を作るため、夜はキャバ嬢として働きます。

そこで出逢ったのがリュウイチさん。

資産家の息子のようで羽振りがいい。

しかしリュウイチさんと連絡が取れなくなり、やがて別れ話に。

ここから話がえらい方向に向かいまして、ヒナコはヤクザに追われる身となり海外逃亡。

さてヒナコの運命は・・・・。

次から次と話が転がっていき、けっこう楽しめましたね。

コメディであり恋愛小説であり、お水と任侠の世界であり。

やや話を暴走させ過ぎな感もなくはないですが、でもそれは新人のデビュー作としてパワフルな好印象とも取れます。

タイトルに任侠伝とありますが、OLと任侠の組み合わせというのに赤川次郎の「セーラー服と機関銃」を思い出したりしました。

海外に舞台を移すあたりに伊集院静の「羊の目」をダブらせたり。

男性よりも女性に支持されそうな小説です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 『う』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする