2012年04月18日

「味な旅 舌の旅」宇能鴻一郎

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官能小説の大家、宇能鴻一郎センセイは美食家であります。

この本では北は北海道から南は奄美大島まで美味しいものを求めて旅をしておられます。

さすがに食べ物だけではなくその土地の文化に触れることも忘れてはおられません。

この本が書かれたのは昭和43年です。

だんだんと食べ物事情もよくなってきた時代ではありますが、食べ歩きのために全国を旅するというのはよほどの思い入れがないとできることではないでしょう。

作家という特殊なお仕事をしておられるせいもあったでしょうが。

私には到底できることではありませんので、このような本を読んで気分だけでも浸っています。(笑)

ラベル:グルメ本
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2011年11月10日

「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午

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主人公の成瀬将虎は自称「何でもやってやろう屋」。

いろんなことに首を突っ込みたいキャラなんですね。

そんな成瀬が通っているフィットネスクラブの常連客から、悪徳商法の調査を依頼されます。

そしてたまたま地下鉄のホームで飛び降り自殺する女性を目の当たりにし、その女性を救います。

悪徳商法の調査、そして自殺未遂の女性こと麻宮さくらとの付き合いが話の柱となります。

成瀬の過去も挟んだりしつつ。

それでまあ話はなんやかんやと進んでいきまして、それぞれの謎が結びつき解けていくのですが・・・・。

最後に読者を「えっ」と思わせる種明かしがあります。

その仕掛けがたぶんこの作品の評価を高めていると思うのですが、話自体はそれほどどうということもないんですよね。

作者はこの仕掛けありきでたぶん話を作られたのでしょう。

なので細かい所にもきっちりとそのための伏線を張っておられます。

途中に探偵から暴力団の一員になった過去のエピソード挟むあたり、上手く機能していると思います。

ですが、読み終わってじゃあなんなのと。

水準以上の読み応えはあったと思いますが、印象に残りません。

そんな仕掛けをしなくてもストレートに書けばいいではないかと私は思うのです。

もしそうなら話題作にはならなかったでしょうけども。

でも種明かしを読んで、だからどうなの? ということです。

ただ単に読者をあっと言わせてやっただけの話です。

それで「ああ、やられたなぁ」なんて満足できる読者はいいですけども。

仕掛けがバレないよう気を使う必要があるので、どうしても登場人物を深く描ききれていない気がします。

私が印象が弱いと感じたのはそこかもしれません。

タイトルは秀逸。

このタイトルこの設定で大層な仕掛けなどせず、もっとがっぷりとした内容を書けばまた違ったいい味わいになったのではと思います。

なんてことを言ったらこの小説の意味がないか。(笑)

ラベル:小説
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2011年10月13日

「セクハラ大好き」宇能鴻一郎

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セクハラをテーマにした短編集。

OLとその上司というのがほとんどのパターンですね。

セクハラというとどうしてもそのようになってしまうのかもしれませんが、同じようなのが十編もあるとさすがにうんざりします。(笑)

「あたし、○○なんです」という独特の文体でエロ小説を発表されたのはいつ頃なのか存じませんが、当時としては画期的だったのではないでしょうか。

大人をバカにしとんのかと言いたくなるような文体ですが、官能小説の大御所である宇能鴻一郎氏は元々は純文学作家。

東大文学部から大学院という学歴をお持ちで、芥川賞も受賞されています。

氏がそんな文体を編み出したこともさることながら、細部の表現もぬかりありません。

例えば。

「あーっ、これ、きく、感じる」

ツボを刺激するマッサージじゃあるまいし、「これ、きく」って。(笑)

エロ小説でこんな表現初めて見ました。

宇能センセイの言語感覚恐るべし。

他には。

男性には棒と玉がありますよね。

棒による刺激の描写というのは当然どんなエロ小説にもあるんです。

「奥まで入れられて」とか「突き上げられて」とか。

しかし宇能センセイは玉による刺激も描写されます。

「主任の睾丸が、あたしのビンカンなところを、ピタピタと叩いてくれるのも、いい」

う~ん、普段は陽の目の当たらないタマタマにもスポットを当てるとは。

タマがピタピタなんて女性は意識しておられるんでしょうか。

まあ全編そんな調子で余計なストーリーは一切なし。

ヤマなし、オチなし、意味なし、ひたすらエロまくりです。

でもあっけらかんとしていてユーモラスで、エロながら清々しさもあるんですよね。(笑)

ところどころ食べ物に対してのウンチクが出てくるのは、グルメな宇能センセイのご愛嬌。

ラベル:小説
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2011年07月09日

「名探偵浅見光彦の食いしん坊紀行」内田康夫

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内田康夫氏といえば売れっ子のミステリー作家です。

しかしいまだかつて氏の作品は一度も読んだことがなく、これが初めてとなります。

といいましても本業のミステリー小説ではなく食べ歩きエッセイですが。

著者の内田氏とその作品に登場する有名な名探偵浅見光彦が、編集者と同行してあちこち食べ歩くという内容。

カラー写真がふんだんに掲載されており、やはりこういうのは文章だけよりも写真が添えられているほうが楽しいですね。

内田氏は食についてはかなりシビアなようで、だめな店はだめとはっきり批判することが「愛のムチ」であるといいます。

なので作品の中でも取材中に訪れた店を浅見光彦の口から批判させたりしているようですね。

わざわざ取材先で案内された店でさえ作品中で批判するという徹底ぶり。(笑)

しかしそれは決して食通ぶっているというわけではなく、その店や受け継がれてきた食文化のことを思えばこそであります。

作品には主人公が訪れた先の店や食べ物がいろいろと出てくるようでして、いちど小説も読んでみなければと思った次第です。

ラベル:グルメ本
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2011年02月21日

「弁天山美家古 これが江戸前寿司」内田正

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著者は東京浅草にある「弁天山美家古寿司」の五代目。

寿司のこと全般について書かれています。

魚の選び方や仕込みの仕方、魚河岸の様子。

そして店でのいろんなエピソード。

寿司の歴史についても書いておられ、寿司についてのことが幅広く楽しく読めるようになっています。

ラベル:グルメ本
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