2019年09月10日

「給食のおにいさん 卒業」遠藤彩見

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もう一度自分の店を持つ。
しっかりと自分の気持ちに向き合った佐々目宗は都心にあるホテルのメインキッチンでバイトを始めます。
しかし昼間はいままで通り学校で給食のおにいさんです。
大変な中、相変わらずいろんな子供が問題を抱えていたり、給食の調理場の雰囲気が悪くなったり、へらへらした新人が入ってきたり。
宗はそれぞれの問題を解決できるのか・・・・。
シリーズ第3弾。
いよいよ宗が本格的に動き始めます。
学校の給食調理場を卒業し、正社員としてホテルのメインダイニングで働くことが決まります。
そうなると“給食のおにいさん”ではなくなってしまうではないですか。
シリーズが終わってしまう!?
いえいえ、このあとも「受験」、「浪人」と続きます。
まだまだ給食からは離れられないようで。(笑)
ラベル:グルメ本 小説
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2019年09月02日

「南の肌」円地文子

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貧困な天草島原の大勢の娘たちは幼くして女衒に騙され、南の国へ売られていきます。
もちろん体を売るなどとは知らされずに。
いい暮らしを夢見たおていもその中のひとり。
しかし香港に向かう船のいちばん底に荷物のように詰め込まれます。
そんな中でおていはあるイギリス人と出会います・・・・。
悲惨な状況ながらも逞しく強く生きていく女たちを描いています。
中には行方不明になったり無残な最期を遂げる女もいますが。
そのような時代であったとはいえ、あまりにも理不尽です。
珍しく作者が地の文で意見しておられます。
土地柄や時代の背景があったとはいえ、女性としてやはり納得できるものではありませんしね。
この作品はフィクションではありますが、日本が南洋を開拓していった歴史の陰にこのような女性たちもいたということです。
ラベル:小説
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2018年09月10日

「キッチンが走る! フランス・イタリア料理篇」NHK「キッチンが走る」制作班[編]

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NHKの人気番組(?)の書籍化です。
キッチン付きのワゴンでタレントの杉浦太陽と料理人が各地を巡り、その土地の素材で料理を作るという内容の番組です。
私はほとんどテレビは観ないのでこのような番組があるのは知らなかったのですが。
いい企画ですね。
スタジオではなく直接現地で生産者と飛び込み(?)で知り合い、その土地ならではの未知の素材と出会い、刺激された料理人がその素材を存分に活かした料理を作る。
そして生産者たちに自分たちが作った素材がこのような料理になりましたよと食べていただく。
さすがの名シェフの料理に生産者も感動されたようです。
当然そこには人のつながりというものが発生します。
登場するシェフはフランス・イタリア料理篇ということで、三國清三坂井宏行、小枝絵麻、神保佳永、工藤敏之、佐志原佑樹の各氏。
しかしさすがに名のあるプロの料理人ですね。
その土地を訪問し、初めて出会う素材をきっちりと料理に仕上げておられる。
しかも生産者たちを唸らせておられるのですからたいしたものです。
それらを描写する文章が想いを伝えようとし過ぎてちょっとキモかったりもするのですが、まあそれもやはりNHKなのかなと。(笑)
いや、実に丁寧なんですよ。
残念ながら現在はもうこの番組はやっておられないようですね。
日本も豊かになりましてグルメだなんだと食について語る人が多くなりました。
そのような本や番組も。
だからこそといいますか、あの店がいい、この料理が美味しい、話題の店に行ってきました~、の時代ではないですよね。
やはり素材の生産者がおられてこその料理です。
そこまで遡って、ただ食べるだけの立場の我々も生産の現場にまで関心を持たなくてはいけないんじゃないでしょうか。
素材を知る、それを生み出すための苦労を知る。
改めてそんな思いを持ちました。
ラベル:グルメ本
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2018年06月18日

「花散里」円地文子

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俳人の立川喜和、実業家の朝吹頼子、舞踏家の鹿野艶子。
そろそろ老齢に差し掛かろうという三人の女性。
それぞれの生き様、恋愛を描いています。
頼子は息子の家庭教師をしている大学生に惹かれています。
艶子は舞踏をやっていましたがパトロンができてから現役を引退しました。
そのパトロンの息子を養子にするべく預かるのですが、息子も艶子も男女としてお互いを見てしまいます。
喜和がいちばんニュートラルな存在ですね。
既婚者であり、不倫な恋愛はしません。
基本的な視点は喜和に置かれています。
なので頼子と艶子の恋愛といいますか性愛といいますか、それが強調されるのですね。
作者は決してその二人の女性を批判していません。
というか、平凡ともいえる喜和の視線を通して、むしろもっと自由に恋愛するべしと主張しているかのように思えます。
それは二人の生き様を見た喜和の思いにも表れています。
ラベル:小説
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2018年05月03日

「給食のおにいさん 進級」遠藤彩見

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元レストランのシェフだった佐々目宗。
勤めていた店と揉めて辞め、その後何軒も渡り歩くが長続きせず、それならと自分で店を開くも火事で喪失。
現在は小学校で臨時給食調理員として働いています。
最初は学校給食というものを小馬鹿にしていた佐々目ですが、少しずつ考え方も変わりやりがいを感じてきた昨今です。
そんな日々の中、保護者に給食を食べてもらう『給食試食会』に出席した佐々目。
給食時に落ち着いて食事をしようとしない子供たち、そんなマナーの悪さをまったくなんとも思っていない保護者たちという現状を目の当たりにし、佐々目は保護者たちにキレてしまいます。
正論を言って何が悪いと言う佐々目に対し、責任者の毛利は保護者たちに謝れと言います。
「よくそれで、自分の店を出したいなんて言いましたね」と嫌味も。
食事のマナー、給食を利用した陰湿ないじめ、頑なに給食を食べようとしない子供。
学校でのいろんな問題に直面しつつ、自身の料理人としての現状についても焦りを感じる佐々目ですが・・・・。
シリーズ第2弾です。
前作からさほど大きな動きはありませんが、佐々目の給食調理員としての成長(?)や、子供たちとのコミュニケーション、しかしこんなことをしていたら再びシェフとして復活することができないのではないかという焦燥感がじわりと描かれています。
元彼女がマスコミにも登場するスターシェフという設定も脇を固めていますね。
今後佐々目は給食のおにいさんを続けていくのか、もう一度シェフへの道に進むのか。
そのあたりの葛藤が学校でのエピソードを絡めつつどのように描かれていくのかということですが、まだまだシリーズは続きます。
楽しみに読ませていただきましょう。
ラベル:小説 グルメ本
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