2017年03月29日

「大衆食堂パラダイス」遠藤哲夫

CIMG3023.JPG.jpg
大衆食堂って最近ほとんど見かけなくなりましたね。
地域にもよるんでしょうけど。
お昼ごはんをやっている店でも食堂ではなく夜の店が昼はランチやってますという形式がほとんどです。
もしくは中華や、うどん・そばなどそれぞれの専門店。
大衆食堂の洋風化したのがファミリーレストランということになるんでしょうか。
定食に特化した店としては「大戸屋」や「やよい軒」、「街かど屋」などがありますが、大衆食堂の雰囲気はないですね。
チェーン店ではありますが、「まいどおおきに食堂」なんかがいちばん正統に大衆食堂の流れを受け継いでいるのかもしれません。
自分でいろいろとおかずを選ぶというスタイルですね。
さて、本書では昔ながらの大衆食堂を数多く紹介し、著者の思いや大衆食堂の変遷などについて語られています。
白黒ですが写真も多数掲載されています。
やはり外観がいいですね。
暖簾や外壁にしっかりと「大衆食堂」と書かれています。
年季の入った暖簾や看板、テント、色褪せたウィンドウのサンプル。
店内には壁にずらりと貼られたお品書き。
鄙びた雰囲気ながらも飯時にはおっさん連中がわんさと押しかけ、ガッツリとメシを食っていく。
いいじゃないですか。
小洒落た店よりも私はこのような店のほうがいい。
カフェめしなんて食った気がしませんもんね。
昔懐かしよき日本という気がします。
著者が熱く語る気持ちもよくわかります。
うんうん。(笑)
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月03日

「枝元なほみの料理がピッとうまくなる」枝元なほみ

CIMG3009edited.jpg
人気料理研究家のレシピ&エッセイです。
レシピでは料理のちょっとしたコツですね。
ひとつの料理からレパートリーを増やす方法、甘辛い和風味なら酒・みりん・醤油が1:1:1とか。
酢の物の味つけの割合とか。
ま、ひとつのパターンを覚えておくと何かと応用が利きます。
エッセイでは著者がどのようにして料理研究家になったのかということが書かれています。
他の料理研究家もそうなんですけど、はなっから料理研究家になろうとしてなった人って意外といません。
現在の若い人たちは最初から目指しているというパターンが多いでしょうけど、栗原はるみにしろ有元葉子にしろ、ふとしたきっかけで料理の腕を買われて仕事を依頼されるようになったというのが多いですね。
この本の著者も劇団のまかないをやりーの、飲食店をやりーのしているうちにこの業界の手伝いをするようになり・・・・というパターン。
才能(キャラ)のある人は自然とそのように導かれていくということでしょうか。
最終章は文庫版のためにということで、単行本から8年後の活動を書いておられます。
農業やビッグイシューへの参加について。
そして食育についても綴られています。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月23日

「中国で、呑んだ! 喰った! キゼツした!」江口まゆみ

CIMG3012.JPG
通訳やコーディネーターを一切介さず、丸腰で現地の人の中に入って、酒を飲んでくる。
これが著者の取材のモットーだそうです。
しかも中国の奥地にまで出かけていくのですからハンパではありません。
少数民族の多い南部へと旅立ち、言葉が通じないながらも身振り手振りで現地の人に地酒を所望し、一緒に飲んで酔っぱらう。
実に豪快ではないですか。
土地柄ということもあるのでしょうか、読んでいますと皆さん快く受け入れてくださっているようです。
やはり酒は人をつなぐのでしょうか。(笑)
よく飲み屋なんかで初めて会った見ず知らずの人と仲良くなって盛り上がったりしますもんね。
それの国際版といいますか冒険版といいますか。
私など小心者で出不精なのでこんな行動はぜったいに無理です。
ちなみにこの本で紹介されている白酒の高級酒『五粮液』は、著者が日本に紹介したとのこと。
しかし知名度アップとともに値段が高騰してしまったとか。
本書で紹介せず、隠れた中国の銘酒としておいたほうがよかったかもと、ちょっと後悔しておられたり。
そう、こういうことってありますよね。
紹介するとハイエナのように一気にたかってくる人たち。(笑)
一般には知られていなかったお気に入りの店なんかも、ネットで紹介したとたんわやくちゃにされます。
土足で踏み込んでくるような連中の多いこと。
私も何度もそういう経験がありますね。
それはともかく、この著者、現地の人に交じってよくもまあ飲んで食べたことよ。
あっぱれ。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月12日

「給食のおにいさん」遠藤彩見

CIMG3005.JPG
佐々目宗は調理師。
数々の料理コンテストで優勝しているほどの腕前です。
しかし我の強さが災いし勤めていた店と揉めて辞め、その後もレストランやビストロなどいろんな店を渡り歩いてきましたが、やはり居場所がありません。
それならばと自分で小さなビストロを開きましたが、店を火事で失ってしまいました。
もう店に勤める気にはなれず、インターネットで臨時給食調理員の募集を見つけます。
というわけで、小学校の給食調理場で働くことになった宗ですが・・・・。
腕に覚えのある料理人が小学校の給食を作る立場になって・・・・という内容です。
展開としてはまったく予想通り。
プライドのある料理人が最初は学校給食を馬鹿にしていたものの、実はそんな生易しいものではなかったという話ですね。
で、だんだんと給食という仕事に目覚め始めると。
もちろんそこには子供たちとのコミュニケーションが存在します。
給食に関わる子供たちとのいろいろな問題をクリアしていく、という内容です。
ここがこの作品の読ませどころとなります。
元カノが今や有名店のシェフになっていたりという対比もあったりして、主人公のコンプレックスや焦燥感なども描かれています。
素直に楽しめる小説でしたね。
大まかには設定そのままのストレートな内容ですが、しかしその中でいろいろと心に滲みるものもありました。
シリーズとして続編も出ていますので、追いかけていきたいと思います。
ラベル:小説 グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月17日

「私も燃えている」円地文子

CIMG2964.JPG
女子大を出、教授の下で共同翻訳の仕事などもしている千晶は病院のひとり娘。
両親は若い外科医である宇津木を養子に迎え、跡を継がせたい思いがあります。
千晶も宇津木に好感は持っているものの、いまいち積極的ではありません。
そんな千晶の前に現れたのが原子物理学を研究している香取です。
真面目な宇津木とは正反対に博打や女遊びもする香取に千晶は惹かれます。
自分を望んでくれている宇津木に悪いと思いつつ。
しかし香取は千晶の叔母で小説家の宇女子と親しくなってしまいます。
香取への思い、宇女子への嫉妬、宇津木への罪悪感に苦しむ千晶。
いっぽう、宇女子は独身ではあるものの結婚歴があり、香取よりも十歳以上年上。
ですが叔母として千晶の恋愛を暖かく見守りつつも、香取への思いを抑えることができません。
女性二人の恋愛の行方は・・・・。
この作品は昭和34年に約1年にわたって新聞に連載された小説とのこと。
560ページほどの長編です。
やはりまずは連載期間ありきだったのでしょうか、私にはちょっと延ばしすぎかなと。
最初は千晶に視点を据えた物語かなと思ったのですが作者の感情は宇女子に込められているようで、ちょっとどっちつかずな印象がそのように思わせたのかもしれません。
しかしこれだけの長編ですし女二人の恋愛を描いているわけですから、その配分が二人にまたがるのは当然のことでしょうけど。
私はやはり若い千晶よりも宇女子に肩入れしたいですね。
中年になったといえども若い魅力のある男に惹かれ、その気持ちに正直に行動し、それを小説という仕事に生かしつつ自身も妖艶に美しくなっていく。
いいじゃないですか。
やはりいくつになっても燃えていませんと。(笑)
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする