2016年07月28日

「崩食と放食 NHK日本人の食生活調査から」NHK放送文化研究所世論調査部[編]

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現在の日本人の食生活の実態はどのようになっているのか。

「豊食のなかの崩食」、「飽食のなかの放食」、「趣食と守食」、「崩食と放食の連鎖」、「共食と孤食」。

NHKが全国の3600人から調査した結果を、章ごとにそれぞれのテーマで公開し分析しています。

食生活は豊かになりましたが1日3食きちっととらず時間もばらばらな乱れた崩食。

世界中から食べ物が集まる中での無頓着で放任状態な放食。

趣味として楽しんで料理する人もいれば家族のため義務的に家事として料理する人もいる守食。

家族揃って食べる食事もあればひとりで孤独に食べる食事もあります。

なんでもかんでも昔ながらがいいというわけではないでしょうが、しかしちゃんとした素材で手作りした料理を家族揃って食べ、食事できることへの感謝の心を持ち、食べ残して捨てたりなどせず、などという当たり前のことを言い出すと、やはり現在の食生活は乱れていると言わざるを得ません。

まさしくタイトルの「崩食と放食」ですよね。

年齢による結果を見ますと、やはり若い年代ほど食生活は浮ついたものになっています。

食事の回数や内容、ファストフードやインスタントに対する抵抗のなさ、栄養についての考えなど。

時代によるライフスタイルの変化といえばそうなんでしょうけども、しかしこんな食生活をしていたらいずれとんでもないしっぺ返しが来るでしょうね。

自身の体はもちろん、食の世界全体についても。

それは間違いないと思います。

少しずつでも自覚を持って改めていきませんとね、日本人。

posted by たろちゃん at 03:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月01日

「週刊ブックレビュー 20周年記念 ブックガイド」

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「週刊ブックレビュー」という書評番組をNHKのBSでやっていたそうですね。

私はテレビはほとんど観ませんのでそのへんは疎く、知ったときには終わってました。(笑)

しかし20年も続いていたとは。

で、それを基にブックガイドという体裁で出版されたのがこの本です。

これはもう読書好きを自認する人ならば楽しまずにはいられない一冊でしょう。

司会を務めておられた児玉清氏への追悼、歴代の司会者の対談、いろんな作家へのインタビュー、各年間のベスト10など。

じっくりと丁寧に読ませていただきました。

しかしやっぱり読書っていいなぁと思いましたね。

ギャンブルなんかに比べるとお金もかからず健全ですし。

フィクションならば頭の中で世界が広がり、ノンフィクションならば教養となります。

しみじみと味わい深い行為だと思います。

巻頭に太田光氏へのインタビューがあるのですが、児玉清氏の番組でのエピソードを紹介しておられるんですよね。

それによりますと、『そういえば〈ブックレビュー〉を見ていて笑っちゃったエピソードで、番組のオープニングだったかで、児玉さんが、「このあいだ、公園で傘をさしてベンチで本を読んでいたんですけど・・・・」って言うのね。おかしいでしょ? なんでわざわざそこで本を?って。どんだけ本好きなんだよって。あの人はもう桁外れだったんだろうね。』と。

これ、すごいエピソードですよね。

雨の中、公園のベンチで傘をさしてまで読書するって。(笑)

児玉氏は読書好きとして知られた方でした。

「寝ても覚めても本の虫」という本も出しておられます。

本に対する愛着がひしひしと感じられ、お勧めの一冊です。

児玉氏は亡くなられましたし番組は終了しました。

でもまた志を引き継いだ番組ができるといいですね。

ラベル:書評・作家
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2016年02月05日

「女面」円地文子

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夫を亡くしたあとも短歌雑誌を主宰する姑の三重子と一緒に暮らしている泰子。

まだ若く美しい泰子に伊吹と三瓶という男たちが思いを寄せます。

泰子もその二人に対してはまんざらでもない態度を取るのですが、どうも煮え切りません。

どうやら三重子の影響が大きすぎるようです。

やがて泰子は伊吹と男と女の関係になります。

しかしそれにも三重子の意図があったのです・・・・。

この作品で描かれているのは三重子と泰子という女のしたたかさと怖さです。

作中で三重子が源氏物語について書いた随筆があるのですが、これが三重子の恋愛観・人生観であり、その奥には作者の主張があります。

女性の登場人物でもうひとり三重子の娘で春女という女がいるのですが、白痴という設定です。

この春女がいろいろと含みのある三重子や泰子と対照的であり、何も考えることなくただ雌としての存在として描かれています。

そんな女たちに男たちは振り回されるわけですが、やはり女のほうが一枚も二枚も上手なんだなと思わされます。

裏のある女に比べたら単純な男なんてかわいいものです。(笑)

ただ三重子が泰子と春女を使ってまで実行する企みの執念が私にはわからない。

そんなことしたからってどうなるの? という思いです。

ラベル:小説
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2015年08月20日

「主食を抜けば糖尿病は良くなる! 実践編 糖質制限食の応用法」江部康二

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糖質制限。

以前からありましたけども特に最近よく聞く言葉です。

インパクトのあるCMで話題の某ダイエットジムでもこれを実践しているようですね。

本書は「主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食のすすめ」の続編です。

こちらはダイエットではなく糖尿病に対しての糖質制限食のすすめですが。

前書がかなり評判となり、著者の勤務しておられる病院も訪れる患者さんが数倍になったとか。

なぜ糖質制限食が糖尿病にいいのか。

これはもうごく当たり前のことで、血糖値を上げるのはたんぱく質でもなく脂質でもなく糖質だけであるということ。

なので糖質を含む食品を避けましょうということなんですね。

ところが今までの糖尿病患者の食事はカロリーと脂質を制限重視したもので、血糖値に影響のある炭水化物などの食品に配慮していないことを指摘しておられます。

メインとなるのが日本人の主食となるごはん。

米ですね。

その他うどんやパンなどの糖質を多く含む炭水化物が槍玉となってきます。

こういう食品は避けましょうと。

野菜にしても芋類なんてだめですね。

逆にいえば炭水化物を含まないステーキなどはまったくOKとのこと。

糖尿病に関しては問題ないというのです。

血糖値を上げませんから。

アルコールもビールや日本酒はだめ、しかしウイスキーや焼酎などの蒸留酒はOK。

糖尿病というと食事制限がつらい病気です。

しかしこの本を読みますと、もっと食事に自由があるんだという希望を持つことができます。

ここに書かれていることをどう受け止めるかはもちろん読む人の自由。

私もどうこう言えるような知識や経験はありません。

ただ個人的に思うのですが、最近やたら炭水化物が悪者扱いされているのは不満です。

特に米について。

ごはんですね。

糖尿病になった人は炭水化物のせいでそうなったのかよと。

違うでしょう。

きっちりと和食の一汁三菜の食事をして糖尿病になったんですかと。

それとは程遠いジャンクな食べ物で暴飲暴食して糖尿病になって、いまさらその原因ではないごはん(炭水化物)を悪者扱いし、避けましょうなんてどうなんでしょう。

ダイエットをしている人たちに対してもです。

おまえがデブなのはごはん(炭水化物)のせいではないよと。

自分の食生活や行動を見直してからもの言えと。

ただ、そのようになってしまったのならば、この本に書かれている糖質制限食というのは理論的に有効ではないかと思います。

ラベル:グルメ本
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2015年07月25日

「離情」円地文子

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茉莉子は日本の短大を出てアメリカに留学しています。

両親からの仕送りも受けず、ベビーシッターなどのアルバイトをしながら遊ぶこともなく真面目に勉強をしている女性です。

将来日本とアメリカの架け橋になるような仕事ができればいいという夢を持っています。

そんな茉莉子に惹かれている2人のアメリカ人。

日本の文化に興味を持つ白人のスカーレンと黒人のベスです。

2人に求愛されますが結局は日本人の曾根の愛を受け入れ、結婚することになり日本に帰ることになります・・・・。

う~ん、なんといいますか、円地文子にしてはけっこうストレートな小説ですね。

主人公の茉莉子がとても清く、女のどろどろした部分が描かれていないせいでしょう。

スパイスとしては白人、黒人、日本人という人種を扱い差別問題も取り込まれていますが、けっこうベタ。

そして茉莉子が甲状腺の病気を患っているという設定も出てきますが。

私がむしろ注目したのは守屋義介という人物です。

守屋は美術評論家であり妻は画家。

日本からアメリカ各地を視察するためやって来る守屋夫妻の通訳を茉莉子が務めることになります。

実は守屋は茉莉子の母である節子と昔愛し合った仲でした。

そんな節子に似た娘である茉莉子に、妻帯者でありながら守屋は恋愛感情を持ってしまうのです。

茉莉子をはじめとしてスカーレンやベス、曾根、みんな純粋で一途な青年たちです。

ですが守屋だけは老年で妻帯者であるにもかかわらず昔の恋人の娘に対してひとりの女として意識し、不倫な感情を抱いている。

このあたりに作者はちょっとした引っ掛かりを作ったのかなと。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする