2017年11月10日

「東大オタク学講座」岡田斗司夫

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96年から97年にかけて著者が東大で行った『オタク文化論』についての講義をまとめた本です。
東大とオタクというのは似つかわしくないような気もしますが、私はなんとなくイコールな気もするんですけどね。
さて、オタクというと最初はマンガやアニメのマニアに対して使用されていた言葉です。
なのでちょっとマイナーといいますか、世間から外れた特殊な人たちというイメージがありました。
今もそれはありますけど、当時に比べたらずっとメジャーになりましたね。
ジャンルもマンガやアニメに限定されることなく使われるようになり、その道のエキスパート的なニュアンスさえあったりします。
ですがこの本のいうオタクとはまさしくマンガやアニメな人たちのことです。
あとはゲームですね。
そしてオカルト。
前半の「光のオタク編」ではそれらの世界をしっかりと分析、解説しておられます。
後半は「闇のオタク編」。
こちらではゲストを招いての対談です。
「現代アートの超理論」では村上隆氏、「敗れざるゴーマニズム宣言」で小林よしのり氏、「愛と誠の変態講座」で唐沢俊一氏など。
最後には講義を受けた学生たちのレポートを著者がチェック。
オタク文化についてたっぷりの読み応えがある一冊です。
ラベル:漫画本
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2017年10月07日

「わたしたちに許された特別な時間の終わり」岡田利規

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ライブハウスで出会った男女。
時はブッシュがイラクに攻撃を開始する数日前です。
2人はラブホテルに籠りきり、テレビも観ずひたすらセックスと会話で4泊5日を過ごします。
そのあいだに外の世界ではアメリカとイラクの戦争が開始されているのかいないのか・・・・。(三月の5日間)
戦争という当事者たちにとっては大変な出来事が行われているいっぽう、まったくそれとは無関係な人物と時間が確かに同時期に存在しているんですよね。

夫婦はどちらもフリーター。
妻は自宅の布団の上でだらだらと過ごし、夫はファストフード店のカウンターで突っ伏して眠っています。
布団の上の妻の想像は夫や他人の様々な視点となり・・・・。(わたしの場所の複数)
妻はあくまで自宅におり、夫やたまたま見つけたブログの主の言動は想像なわけですが、まるで幽体離脱したかのような視点とその人物の肉体に入り込んだかのような視点が混在としています。
そして過去の自分さえ登場して。
気怠くも緻密な小説です。

どちらも面白かったかと問われると素直には頷けません。
ですが第2回大江健三郎賞の受賞作。
やはりそれなりの作品なのでしょう。
一般受けはしないと思いますが。
ラベル:小説
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2017年10月05日

「現代日本の小説」尾崎真理子

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現代文学といえばちょっと堅苦しい。
現代文学の前に近代文学なんてのがあったりします。
なんだか電車の『今度』、『次』みたいなものでどっちがどないやねんとツッコミを入れたくもなりますが。(笑)
ちなみに私の住む大阪では『先発』、『次発』とはっきりしております。
さて、この本のタイトルは「現代日本の小説」。
つまり現代の日本の小説を取り上げておられるわけですが。
じゃあどこからが現代なのかというとまたややこしくなりますのでその問題は置いときまして、この本では1987年、よしもとばななの登場でスタートしておられます。
そして村上春樹。
デビューではありませんが「ノルウェーの森」がこの年なんですね。
俵万智の「サラダ記念日」も同じく。
第1章はほぼ“ばなな&春樹”。
第2章はひたすら村上春樹。
第3章で芥川賞最大の“事件”としまして、19歳・20歳で受賞した綿矢りさ金原ひとみを取り上げておられます。
その後第4章では原稿の手書きからワープロ(パソコン)への移行、それが単なる手書きからキーボードに移ったというだけでなく、それがどのように小説に変化をもたらしたのかの検証。
たしかにワープロ→パソコンの登場は小説の世界にも大きな影響を与えています。
それを上手く作品に取り込んでいる作家もいらっしゃいますね。
ここでは笙野頼子なんかが取り上げられています。
例えば「レストレス・ドリーム」などまさにそれでしょう。
最終的には佐藤友哉舞城王太郎、清涼院流水らの名前が出てきます。
「キッチン」や「ノルウェーの森」からわずか20年でこれほどの変化があったと結んでおられます。
そうか。
改めて指摘されるとなるほど様変わりしましたね。
ケータイ小説なんてのもありましたけども、今後どのような形で新しい作家が出てくるのか。
私個人としましてはがっつりと骨太な作家の登場を期待します。
ラベル:書評・作家
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2017年09月05日

「サブカルで食う 就職せずに好きなことだけやって生きていく方法」大槻ケンヂ

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サブカルでメシを食っていくにはどうしたらいいか。
誰しも好きなことをしながら食べていければ万々歳なわけですが、なかなかそうはいきません。
ましてやサブカルなんて何やってんだかよくわからない、得体のしれない、フリーターの延長のような存在。
いわゆる“ギョーカイ”の人なんだろうけども、いろんなことに手を出しているうちになんだか名前が売れて、でもどう考えてもそれだけでメシ食っていけるか? というような肩書きの人たち。
著者の本業はロックミュージシャンですが、音楽以外にもいろいろと活動しておられ、世間からはサプカルな人と見られているようです。
そんな著者は小学生の頃からどのような生活を送ってきたのか。
中学時代は、高校時代は。
どのようにデビューのきっかけをつかんだのか。
自らの経験を語りつつ、サブカル世界の実態を書いておられます。
ま、俺はネクタイ締めてスーツ着て毎朝満員電車に乗って決まった時間に出勤してなんて人生はまっぴらだ、という人がこのような道へ進んでいくんでしょうね。
目指すというよりも気が付いたらそのような立場になっていたみたいな。
なんだか好きなことやってラクそうでお金稼げていいな、なんて思われがちですが、当然そんなボロい商売があるわけはなく。
やはり努力はいりますし運も必要。
そしてなんだかんだいいつつもセンスといいますか才能といいますか。
走り続けていくにはそれは必須でしょう。
平凡にサラリーマンやっているほうが道のりとしては簡単でしょうね。
ラベル:エッセイ
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2017年08月28日

「寿司屋のカラクリ」大久保一彦

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寿司屋といいましてもいろいろとありまして。
銀座にあるような高級店、近所の大衆店、回転寿司。
そんないろいろな寿司屋の裏側はどうなっているのかと。
その裏側を「カラクリ」として紹介しているわけですが、別に業界の裏話を暴露しているというような内容ではありません。
ありませんが、まあ業界の人たちにとってはそんなことまでばらしてくれるなよという内容かもしれません。
かといってそれだけの内容ではなく、寿司屋を楽しむためのガイドもしておられます。
回転寿司から高級寿司、海外の寿司事情。
しっかりと網羅しておられます。
魚というのは肉に比べて難しいですよね。
それを商売にするとすれば。
なのでそのあたりの事情がいつも新鮮で最高のネタをという寿司屋の敷居を高くさせていると思います。
ですがこの本を読みますと、高級な値段を取る店にはそれなりの理由があるというのがわかります。
いまさらですけどね。
それよりも、突き詰めていきますとどうしても現在の日本の漁業というところに話がいきます。
結局そこだと思います。
特に天然や近海物にこだわる高級店でその影響は大でしょう。
現在高級店で扱っておられるネタというのは、本来あたりまえのネタのはずなんですよね。
それが今や貴重品となりバカのような高額な金額でやり取りされている。
どう考えてもおかしい。
しかし経済や商売というのはそういうものです。
自身の味覚や価値観を持たず、そのような経済や商売の事情に惑わされる人は多い。
自称食通も溢れています。
ですけど漁業のことまで考えている“食通”はどれほどいるんでしょうかねぇ。
あ、なんだか全然本の内容と違う話になってしまいました。(笑)
この本の内容に関しましては私は必ずしも納得できるものではありません。
ですがまあフードコンサルタントという飲食のプロが書いておられるので、経験に基づくその内容は貴重なものでしょう。
ラベル:グルメ本
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