2016年03月20日

「芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録」岡本敏子 編著

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芸術家、岡本太郎。

彼を現役で知っているのは30歳以上の人たちになりますかね。

テレビにも出演し、個性的な言動で人気もありました。

作品の代表作はやはり大阪万博の太陽の塔でしょう。

この太陽の塔制作のエピソードが紹介されていますが笑えますね。

万博のシンボルゾーンの大屋根は丹下健三の設計です。

その高さは30メートル。

構造計算が難しく時間がかかるそうです。

そこに乗り込んできたのが岡本太郎。

「太陽の塔の高さは70メートルだ。ぐんと、ぶつかるんだ」と、大屋根に穴を開けろと言い出します。

建築家たちはカンカンになって怒ったそうですが、結局は太郎の情熱に圧倒され大屋根をぶち抜いて太陽の塔が突き抜けるというあの造りになってしまったそうです。

その太陽の塔ですが、あるジャーナリストが太郎に質問したそうです。

「どうしてあんなものが出てきたんですか?」

30メートルの屋根をぶち抜く70メートルの塔。

誰しもその発想を知りたいところです。

太郎は「それはねぇ・・・・」と言ったきり答えが出てきません。

長い沈黙に何かまずいことを聞いてしまったのかと、ジャーナリストとカメラマンは冷や汗をかきながら身を小さくしていたそうです。

やがて太郎がぽつりと言います。

「それは・・・・当人に聞いてみないと解らないねぇ」

「えっ?」

さすがの岡本太郎ですね。(笑)

その他、岡本太郎のいろんなエピソードや痛快な発言が収められています。

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2016年03月14日

「聖の青春」大崎善生

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将棋界のトップクラスA級に在籍し29歳という若さで逝去した棋士、村山聖。

重い腎臓病を抱えながらも名人を目指して命がけで将棋を指しました。

自分には時間がないとわかっていたが故に、将棋にかける情熱は凄まじいものがあったようです。

そんな村山聖の生涯を描いたノンフィクション。

著者は「将棋世界」という雑誌の編集長をしていましたので、間近で村山を見ておられました。

なので村山の素顔などもよく知っておられます。

その筆からは将棋にかける凄まじい執念とは対照的な、純粋で無邪気な面も描き出されています。

そして師弟愛。

森信雄と村山との師弟関係は普通には考えられない関係です。

師匠の森は村山のパンツまで洗ってあげたといいます。

それほどの愛おしさを師匠は持っておられたんですね。

またそこまでさせる魅力が村山にはあったということです。

「もし」とか「れば」などの話をしても詮無いことですが、体のハンデもなく存命ならばどれほどの活躍をされたのだろうと残念でなりません。

ただハンデあってこその“怪童”村山聖だったとは思いますが。

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2015年12月23日

「歴史はグルメ」荻昌弘

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映画評論家だった著者。

食通としても知られた人でした。

「男のだいどこ」「男のままごと」といった料理エッセイを上梓し、男料理の先駆け的存在でもありました。

さて、この本はそんな著者が歴史や古人から食習慣などを眺め直してみようと試みておられます。

と同時にご自身の日本各地や世界各国の食経験も披露。

縦横に食文化を語っておられます。

やはり“食べる”という行為は人間のもっとも興味あるものなのだなと思えてきますね。

興味といいますか生きていくための源ですから。

そしてその土地や文化でいろんな食習慣があり、歴史によって変化もしていく。

私は食に対する興味は人一倍あると思っていますが、あの店この店のガイドブック的情報はもういい。

写真を撮ってこの店でこんなの食べましたなんてのがネットでも大流行ですが、ウンザリです。

それよりもこの本のように、それぞれの土地、文化、歴史といった観点から食を知りたいと思いますね。

と言いつつ自身はそのような行動力はないんですけども。(笑)

なのでこのような食エッセイが私にとっては貴重なわけです。

ラベル:グルメ本
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2015年11月08日

「残花繚乱」岡部えつ

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会社の常務である柏木荘太と不倫の関係にあった西田りか。

それを知った荘太の妻美津子はりかに近付き、一人娘の美羽が兄と慕い家族の一員のように付き合っている落合圭一をりかの見合い相手に押し付けます。

見合い話は美津子からりかへの警告だったわけですが、見合いをした圭一はりかを見初め、りかもこの話を進めてほしいと美津子に返事をします。

美津子としては圭一がりかを気に入るはずなどなく、りかが居づらくなって会社を辞めていくだろうという思惑でした。

しかしその思惑とは違い、やがて二人は結婚することになります。

もちろんりかは美津子の思惑を知ってのことです。

そうなるとこれからもずっとりかと柏木夫婦の付き合いは続いていくわけです。

何事もなかったかのように二人を祝う荘太と美津子。

水面下でそれぞれの思惑とプライドが交錯し、物語は意外な方向に・・・・。

りか、圭一、荘太、美津子を中心に、柏木夫妻の娘の美羽、りかの友人の麻紀、りかや麻紀が師事する書道家の龍子なども絡んで複雑な人間関係が展開されるわけですが、とにかく狭い範囲で関係がつながりすぎです。

すべての登場人物がどこかでリンクしている。

これはこれで小説のひとつの手ではありますが、ちょっとご都合すぎて私はあまり好きではありません。

んなわけないやろと白けてしまうんですね。

それはそれとしてふむふむと読みましたけども。

まあ節操のない男と女たちの話ですね。

残花繚乱というよりも男女紊乱といったところでしょうか。

ラベル:小説
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2015年10月05日

「編集長を出せ! 『噂の眞相』クレーム対応の舞台裏」岡留安則

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04年3月、黒字のまま休刊したスキャンダル雑誌「噂の眞相」。

それまで25年間にわたり編集発行人を務めてきたのが著者です。

皇室でさえ俎上に乗せる編集内容にはクレームの嵐。

内容証明、民事・刑事告訴、右翼の編集部襲撃なんて事件もありました。

そんな著者が当時の舞台裏を紹介しつつ、どのようにクレームに対応したか、メディア関係だけでなく一般企業にとってもトラブル対処の参考になるだろうと書かれた本です。

私もこの雑誌にはよく目を通していました。

面白かったですねぇ。

まずは巻頭の足立三愛氏のイラストがいつも楽しみでした。

芸能界などの男女のゴシップをヌードイラストで描いたもの。

実在の人物とは関係ありませんと注が添えられていますが、リアルなイラストを見れば実在の人物です。(笑)

柱に掲載されていた一行情報も下世話でよかった。

皇室ポルノ事件なんてのもありましたし、田中康夫と宅八郎のトラブル、筒井康隆の断筆宣言なんてのもありましたね。

読みながら懐かしく思い出すと共に、またぜひ復刊していただきたいとの思いを持ちました。

posted by たろちゃん at 03:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 『お』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする