2017年02月03日

「少女マンガ家ぐらし」北原菜里子

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マンガ家が書く本といえば、本業のマンガを除きまして大きく2種類あります。
まずは「マンガ家入門」といった類いの本ですね。
マンガを描くためのノウハウが書かれた技術書です。
原稿用紙のサイズはB4です、用紙にはケント紙、画用紙、模造紙などがあります、ペン先にはかぶらペン、Gペン、丸ペンなどがあります、といった道具の紹介。
そしてコマ割り、構図、効果線、スクリーントーンの使い方云々・・・・。
こういう本はたいがい大御所ですね。
石ノ森章太郎の本が有名ですが、手塚治虫藤子不二雄なんかも出しておられます。
そしてもうひとつはエッセイ。
これもやはり大御所が多い。
なので時代は昭和、トキワ荘が必ず出てきたりきます。(笑)
地元の田舎でマンガに出会い、マンガ家を目指して上京。
四畳半のアパートでひたすらマンガを描いていた云々・・・・。
マンガにかけた青春期といったところ。
自伝ですね。
で本書なのですが、そのどちらでもありどちらでもなく、ちょっと今までになかったかなといった内容です。
タイトルの通り、少女マンガ家はどのような暮らしをしているのかと。
技術的な指南もあり自伝的な内容でもあるのですが、もっと具体的日常的にマンガ家というのは普段どのような生活をしているのかといったようなことが書かれています。
もちろんそれはマンガに関わる範囲内でのことですけど。
大先生のお話を伺うというよりも、友人のマンガ家に話を聞くという感じでしょうか。
なので現在マンガ家を目指しておられる人には、けっこういい刺激になり勉強にもなるように思います。
憧れの存在がぐっと身近に感じられるといいますか。
この本が出版されたのは1993年。
私はこの著者のお名前を知らなかったのですが、さほど大きな作品を残したわけでもなく、現在は活動しておられないようですね。
しかしこのような本を書いた人でも、10年後20年後にはどのようになっているのかわからない。
そういう世界です。
この本プラスその後の消息を含め、まさにマンガ家ぐらしがどういうものかを物語っているのではないかと。
ラベル:漫画本
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2017年01月26日

「化学探偵Mr.キュリー2」喜多喜久

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シリーズ2作目。
Mr.キュリーこと沖野晴彦は四宮大学理学部の准教授。
庶務課の七瀬舞衣のもとに持ち込まれた難事件(?)の解決を毎度毎度手伝わされる羽目になります。
さて今回はどのような事件が・・・・。
連作で5話収録されています。
小学生が橋の下で見た老人。
老人の手にきらめく白い閃光。
その閃光は地面に置かれていた黒い壺に吸い込まれ、次の瞬間炎が噴き出しました。
火柱を扱うその老人の正体とは・・・・。(化学探偵と炎の魔術師)
大学で学内アイドルのオーディションが行われることになったのですが、主催のアイドル研究会にオーディションの開催を延期しろと脅迫状が届きます。
警察に届けたりすると爆弾を仕掛けるというのですが、化学研究室から過酸化水素水が盗まれた事件と何か関係があるのか・・・・。(化学探偵と盗まれた試薬の使途)
アイドル女優が子供の頃、祖母に手作りのクッキーを食べてもらったのですが、急に祖母は苦しみ始め死んでしまいます。
自分のせいで祖母が死んでしまったのではないかとアイドルは悩み、悪夢にうなされます。
記憶ではアーモンドの匂いがしていたのですが、もしかしてそれは誰かが入れた青酸カリの匂いではなかったのか・・・・。(化学探偵と疑惑の記憶)
沖野が化学者ということで、どの話も化学的な要素があります。
沖野の知識でそれを謎解きし、解決するというパターンですね。
舞衣はその助手みたいなもので、探偵と助手という典型的なパターンです。
キャラがいいですね。
ぶっきらぼうな沖野、なぜか事件に巻き込まれてしまう舞衣。
ほのかに恋愛感情を匂わせたりもして。
突出して面白いというわけではありませんが、また次作を読んでみようかなという気にはなります。
ラベル:小説
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2016年12月25日

「無憂華夫人」菊池寛

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従兄弟同志でありながら、維新の変乱がきっかけで犬猿の仲になってしまった××松平家と△△松平家。
××松平家の康為は侯爵、△△松平家の康正は伯爵です。
康為侯と康正伯にはもう昔のこととわだかまりはないのですが、頭の固い旧臣連中はいまだに根強く相手に昔の恨みを持っています。
そんな康為侯の妹・絢子と康正伯の弟・康貞が、偶然両家が避寒に訪れた熱海で出会い恋に落ちます。
これをきっかけに両家の仲が修復されればいいと、康為侯と康正伯は愛し合う2人の結婚を積極的に進めます。
しかし納得しないのが旧臣連中。
猛烈な反対に合い、破談してしまうのです。
愛し合う2人はお互い一生結婚せず愛を貫くと誓うのですが、女性の絢子はそうもいきません。
周りがなんとか結婚させようと強引に世話を焼きます。
また康貞も仕事で外国に行くことになり、距離的にも遠く離れてしまい・・・・。
日本版ロミオとジュリエットといえましょうか。(笑)
悲恋の物語です。
好きでもない相手と結婚させられながらもひたすら康貞を想う絢子が健気であり、また康貞も誓いどおり独身を貫き、遠い外国の地で絢子の幸せを願う生き様が凛としています。
ベタな話ではありますが、なかなか読ませられましたね。
ただラストがあまりにもあっけなく、なんじゃそりゃと。
もうちょっとしっかり作って締めていただきませんと。
ラベル:小説
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2016年12月01日

「食をめぐる旅」銀色夏生

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著者と角川書店2人の編集者であちこち話題の店を食べ歩いたグルメエッセイ。
面白いのは店を決定するまでのプロセスや訪問の感想についてのメールのやりとりを掲載していることですかね。
このあたりがちょっと他のグルメエッセイとは違います。
ただ読んでいてこの人たちの感覚は世間とはズレているなと。
出版社の経費で三ツ星の店だの何だの。
お勘定は5万だの7万だの。
出版社というのはいまだにこんなものなんでしょうか。
本が売れないだのなんだの言われている中で、お気楽な企画です。
これも仕事であり経費であるというのならば、それはまったく真っ当な主張だと思います。
もっとお金のかかる企画はいくらでもあるでしょうし。
しかしこんなことを堂々と書いて本にしてしまうそのセンスが問題で、著者は無邪気なのか無神経なのか。
出版社の金で次はあの店に行きたいこの店に行きたいって、あんた・・・・。
というか、企画して一緒にはしゃいでいる編集者も同じくなのですが。
もちろんどのようなジャンルの取材にもお金はかかるでしょう。
ですがこのバブル時代のようなバカッぷりはなんなのかなと。
もうちょっと露骨さを控えるという心遣いはできなかったものか。
ひとことで言えば「下品」なんですね。
タイトルが「食をめぐる旅」って。
このような内容の本につけるタイトルですかねぇ。
ラベル:グルメ本
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2016年09月02日

「食品業界残酷物語」北沢俊

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ひとくちに食品業界といいましてもその幅は広い。

飲食店もあれば製造業もあります。

小売店もありましょう。

さらにそれぞれにジャンルがあります。

それらすべてひっくるめて食品業界の実態について書かれたのがこの本です。

営業マンがいかに苦労しているか。

メーカーに対して横柄な大手スーパーマーケット。

コンビニや外食チェーンに振り回される卸問屋などなど。

なるほどその業界には業界なりの苦労があるのだなと思います。

普段何気なく利用しているコンビニやスーパー、飲食チェーンなど、裏側に回ってみるとやはり商売は熾烈なんですね。

ただこれはどんな業界でも同じですが。

表からはわからない苦労があります。

そんな業界の裏側を読ませてくれるのはいいのですが、化学調味料を取り上げた6章だけが異様に浮いています。

他の章はあくまで食品業界の実態を描いているのですが、6章では徹底した化学調味料批判とその製造会社批判。

ちょっとレールをはずれて暴走しているのでは。

それはそれで別の本で書くべきことで、この本の主旨ではないでしょう。

化学調味料の話になるとなぜか頭に血が上ってムキになる人が多い。(笑)

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