2020年06月26日

「女子は、一日にしてならず」黒野伸一

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奈美恵はもうすぐ30歳になろうかというOL。
体形はそろそろ4Lもきついくらい太っています。
醜い体形だけでなく、性格もキツイ女の言動は注目の的。
社内ではお局様的な立場ですが、つねに若い後輩たちはさりげなく彼女の言動に注目しています。
そんなことわかっていつつ、むしろ楽しむようにいなしている大胆不敵な奈美恵です。
ある日、奈美恵は肥満女たちのサークルに入会します。
「ファット イズ ビューティホー」
太っていることは美しいというスローガンのそんなサークルです。
そこで知り合ったのが自称小説家の南原。
付き合うことになるのですが。
さて奈美恵の恋の行く末は・・・・。
4Lの女性が「ファット イズ ビューティホー」のスローガンのもと、どんどん太っていきます。
5L、6L、7L。
そんな中、小説家だという男と出会って恋に落ちて・・・・。
う~ん、作者は何を書きたかったのかなぁ。
太っている女性の恋愛? 苦悩? 生き様?
ダイエット?
もひとつよくわかりませんでした。
ラベル:小説
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2020年04月19日

「バカにつける薬」呉智英

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バカをバカと言うことが禁忌になった。
それは70年代初頭から始まったサベツ狩りの愚行以来だと著者は言います。
あらゆる差別用語と一緒に、バカという言葉も社会から抹殺されていったと・・・・。
著者はいろんな雑誌、あるいは新聞の投稿欄で一般人をも相手にバカ呼ばわりして論争してきました。
この本はそんなバカにつける薬だとのことです。(笑)
私は自分が決して賢いとは思っていませんし、むしろ著者の言うバカに当てはまります。
ですがそんな私でもやはり「こいつはバカか?」と思う人たちが大勢いるんですよね。
この本は1988年に単行本として出版されたものの文庫化です。
ちょっと話が逸れますが、1991年に某ドリンクのCMで桃井かおりが「世の中、バカが多くて疲れません?」というのがあったのですが、当然批判殺到。
こんなのでわざわざ抗議する連中こそがまさにそのバカなのですが、CMは差し替えられました。
差し替えのセリフが「世の中、お利口が多くて疲れません?」(笑)
お見事。
強烈なカウンターですよね。
実はこれ、批判殺到を予想して差し替え用も撮影済みだったという話があります。
本当かどうかはわかりませんけども。
コピーは仲畑貴志。
名コピーライターです。
まさにバカを手玉に取っておられます。
さて本書ですが、やはり同じくバカ(著者曰くです)を手玉に取って翻弄しておられます。
必ずしも著者の意見が正しいわけではないでしょうし、いろんな反論もありましょう。
バカな私には判断がつきません。
この本を読んで「それは違うんじゃないか」と思う人はぜひ反論を。
著者は嬉々として受けて立つと思います。(笑)
といいましても、もう30年前の本なのですが。
しかし著者は今も現役でご活躍ですので、現在の著者の評論を読んでいっちょやったろかいという論客がいらっしゃればぜひ。
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2020年02月17日

「明るい夜」黒川創

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風呂なし、トイレ共用の古アパートに住む朋子はチェーンのイタリア料理店でアルバイトをしています。
彼氏の工藤くんは小説を書きたいと宣言し、3年ほど勤めていた本屋を辞めてしまいました。
しかし小説を書いている気配はまったくありません。
バイト先の友達であるイズミちゃんは自身の生い立ちを朋子に語ったあと消息不明に。
京都を舞台にした不安定な3人の物語です・・・・。
読んで思いましたのは、『場所』と『時間』かな、と。
ちょっと抽象的ですね。
『自分の居場所』と『現時間の認識』と言い換えましょうか。
余計わけわからんですかね。(笑)
まあそんなことを感じました。
途中、主人公はバイトしていたレストランを辞めパン屋で働くのですが、しばらくしてレストランを訪れると店がなくなってたりするんですよね。
このエピソードなんかもそんな風に感じました。
時間と存在みたいな話になりますとかなり哲学的なのですが、この小説自体は決して小難しいものではありません。
ただそのようなテーマを含んでいるのかなと私が感じただけで。
ラベル:小説
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2020年02月03日

「よるのふくらみ」窪美澄

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圭祐・裕太の兄弟とみひろは幼馴染みです。
弟の裕太とみひろは同い年。
ですが高校生のとき兄の圭祐がみひろに告白して、2人は付き合うことになります。
裕太も実はみひろに惹かれていたのですが。
大人になり圭祐とみひろは結婚を前提とした同棲を始めます。
ですが2人にはセックスがありません。
みひろはしたくてたまらないのに。
やがて2人はすれ違いはじめ、裕太もそれに気付き・・・・。
それぞれの人物の視点から描いた連作短編集です。
兄弟と幼馴染みの女の子の三角関係。
あだち充の「タッチ」みたいなものですね。(笑)
それをもっと濃くした大人の恋情です。
若いころは勢いで付き合ったり結婚したりしてしまいますけど。
いや、これはいくつになっても同じか。
そのときはよかれと思うんですよね。
でも付き合っていくうちにズレてくる。
心、体、思考、生活のリズム、いろんな原因があります。
でも一生添い遂げたから正解、別れたから不正解とは言えませんよね。
愛のない一生を終える夫婦もある。
一時の付き合いでもずっと相手が心に残ることもある。
いくつになっても難しいですねぇ、男と女は。
ラベル:小説
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2019年05月15日

「漂泊の牙」熊谷達也

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宮城県北西部の村にオオカミが出たという情報を得たテレビ局プロデューサーの丹野恭子は、目撃者の老人に取材します。
ところがなんとも話にならない呆け老人です。
絶滅したはずのニホンオオカミを目撃したなんてあるはずがないのです。
しかしその後山奥に住む主婦が野犬に喰い殺されるという事件が起こります。
被害者はオオカミを研究する動物学者城島郁夫の妻でした。
その後も犠牲者が発生します。
はたしてその正体は本当に野犬なのか。
それとも絶滅したはずのニホンオオカミなのか。
愛妻を喪った城島は真相を追求すべく追跡を開始します。
それをカメラに収めようと同行する恭子。
さて真実は・・・・。
こういう内容を書かせるとさすがの熊谷達也だなと。
直木賞、山本賞をダブル受賞した「邂逅の森」を始め、そのシリーズで山や動物を描いた迫真の作品を発表してこられましたからね。
それらは熊やマタギを描いておられましたが、今回はニホンオオカミです。
絶滅したはずのニホンオオカミが本当に生き残っているのか。
それを軸に、なぜその動物は次々と人を襲って喰らうのか、というミステリーの要素もあります。
オオカミの生態や山中の描写が実に臨場感あります。
一級の動物小説であり山岳小説であり冒険小説でもありますね。
堪能しました。
ラベル:小説
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