2020年11月24日

「K氏の大阪弁ブンガク論」江弘毅

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著者は関西のローカル情報誌「ミーツ・リージョナル」創刊から携わり、12年間編集長を務めた人です。
関西で「ミーツ」といえば特にグルメ情報には定評があり、他のミーハーな情報誌では取り上げないような店なんかもよく紹介しておられました。
そしてなんといっても「街」をテーマにしておられたので、飲食店に限らずきっちりと地元の愛されている店なんかを紹介しておられるあたりに足場の確かさを感じました。
私も著者が編集長をしておられた時代には購読してましたね。
最近はまったくですが。(笑)
で、本書はそんな著者が大阪弁とブンガクについて語った本です。
大阪を舞台に大阪弁で書かれた小説を取り上げて、著者があれこれと解説しておられます・・・・。
なるほど、ちょっとなかったかな、こういうの、と。
ただ私の感想では、「大阪弁ブンガク論」というよりも「文学に見る大阪弁論」だと思いましたが。
だって文学について語っているのではなく、あくまで大阪弁の使い方や表現について語っておられるわけで。
あるいは風俗とか。
まあそのあたり「文学」ではなく「ブンガク」と上手くかわしておられますけども。
で、K氏という人物の言動を紹介しつつという構成なのですが、イタイですね。(笑)
もちろんK氏というのは著者です。
なんで一人称にせず三人称なのか。
その理由についてはあとがきに書いておられますけども。
ですが自分のことをK氏と書くイタさを思います。
で、これは著者のインテリジェンスによるものなのでしょう、やたら表現がまわりくどくよくわからん言葉や言い回しが出てきます。
カタカナ言葉なんかも。
「エクリチュール」がどうこうなんて、なんで普通に日本語で書けないのか。
その割には自分は岸和田バリバリだと主張しておられる。
大阪弁、岸和田弁を語るのなら、「エクリチュール」なんて言葉は使わないでほしい。
世間の風潮でもそうなんですけど、最近こういうカタカナでやっつけてやろうという風潮ないですか?
「コンプライアンス」とか「リスペクト」とか、なんでそれらを普通に日本語で表現できないの、と。
こだわるのならとことんこだわってほしい。
とても面白く読みましたが、著者の他の著作にも感じたように、キャラがイタイですね。
「おまえ、なんもわかっとらんな!」と言われそうですけど。(笑)
ラベル:書評・作家
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2020年10月05日

「築地で食べる 場内・場外・“裏”築地」小関敦之

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築地市場。
日本どころか世界でも一、二を争う巨大市場です。
もともとはプロ相手の市場でしたが、素人も訪れる観光地と化してしまった面もあります。
もちろんお目当てはグルメ。
しかしとびっきりの素材が集まる築地だからといってどの店も美味しいのか。
築地といえば皆寿司屋に行きたがりますが、それは正しい選択なのか。
本当に美味しい店はどこなのか。
2003年に「TVチャンピオン築地王選手権」で優勝した著者が築地のグルメについて語りつくします・・・・。
といいましても、誰もが知るように築地市場は2018年に豊洲に移転しました。
なので2004年に出版されたこの本を今更読んで築地もないだろうということにもなりますが。
ただこの本では場内だけではなく場外、“裏”築地、そして築地周辺までフォローしておられます。
また場内が移転した豊洲市場でもこの評価は受け継がれているんじゃないでしょうか。
行ったことないのでわかりませんけどね。(笑)
ところで移転前はいろんな問題が持ち上がり大騒ぎでしたけど、ピタッと話が聞こえなくなりました。
現在(豊洲市場)はどうなんでしょうね。
築地を取り上げている本書では、皆寿司屋に行きたがると書いておられます。
著者に築地を案内してほしいという人のほとんどが寿司屋を希望すると。
なんでなんでしょうね。
私はそんなとこ行きたくもない。
いや、ないことはないんですけどね。(笑)
それよりも案内を求める人がほとんどいないという、築地で働く職人さんが通っている店。
私は絶対にこれです。
寿司屋なんかじゃなくていい。
職人さんたちがガッツリと腹ごしらえする店、仕事のあとちょいと飲んでくつろぐような店。
そういうのに強く惹かれます。
もちろんそのような店もちゃんと紹介しておられます。
いまや築地市場はなくなってしまったわけですから、当時の様子を記した資料として貴重かもしれませんね。
ラベル:グルメ本
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2020年09月27日

「ゴーマニズム戦歴」小林よしのり

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1992年、「ゴーマニズム宣言」という漫画で言論界に切り込んだ小林よしのり。
皇室、差別問題、オウム真理教事件、薬害エイズ問題、従軍慰安婦問題、戦争論、天皇論・・・・。
片っ端から斬り込んでこられましたね。
漫画家という立場で、そして漫画というジャンルで、このような活動ができるのだと、ある意味新しいジャンルを開拓されました。
大学教授だの評論家だのいう人たちの書いた硬い本なんか手に取らない人たちも、漫画なら読みます。
「世界」(岩波書店)、「中央公論」(中央公論新社)、「正論」(産業経済新聞社)、「諸君!」(文藝春秋 すでに廃刊)などなど、こんな雑誌を購読している人なんて周りで見たことない。(笑)
でも「SPA」や「SAPIO」に連載されている漫画ならかなりの人が読む。
というわけで俄然注目を浴び、若い人たちをも引き寄せたんですね。
もちろん氏の意見には賛否両論あります。
あって当然です。
ただ私はかなりの部分で賛同できます。
特に日本人の自虐史観については、これはよくぞ描いてくださったと。
なんで日本人ってこんなに自分の国の歴史や文化を自虐するんでしょうか。
謙虚や謙遜は日本の美徳ですが、それと自虐はまったく違います。
国歌を否定する。
国旗を否定する。
こんなアホな国世界中探しても日本だけですよ。
国の歌、国の旗に敬意を表するどころか否定するなんて。
以前に式典で「君が代」を歌うのはけしからんと主張した団体がありまして、じゃあどうするのかといえば「ハレルヤ」にしろと。
もうアホかと。(笑)
なんで日本の式典で外国の歌を歌わにゃならん。
つーか、「君が代」の意味、「ハレルヤ」の意味を知っているなら絶対にこんなバカな発想は出てこないはずなんですが。
こういう連中はなにがなんでも否定ありきなんでしょうね。
従軍慰安婦問題にしても日本はなんら卑屈になる必要はないんです。
そういうことをきっちりと主張しておられるのは私にとっては実に心地よい。
もちろん異議も多数あるでしょうから、いつまでたっても落ち着かないでしょうけどね。
しかし著者の小林よしのり、デビュー作の「東大一直線」を描いておられた頃からは想像もつかない漫画家になられましたね。
いまや日本に物申す論客です。
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2020年05月07日

「かながわ定食紀行」今柊二

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タイトルの「かながわ」というのは神奈川県のこと。
この本は神奈川新聞に連載された神奈川の定食屋を紹介した記事をまとめたものです。
その数50軒。
著者は定食屋を愛することで知られた人。
他にもいろいろと著書があります。
ですが定食屋を愛するということでは、ある程度の年齢以上の男性なら皆そうではないですかね。
気取った店なんかで昼めしを食いたくない。
安くて旨くてガッツリと。
カフェめしなんて頼まれてもいらんわ。
そんな人は多いと思います。
お洒落なカフェでパスタランチ?
本日のパスタにパンとサラダ?
で、980円?
アホかと。(笑)
んなもんで体が持つかいっ。
財布も持たんわ。
日本男児ならメシでしょ。
白ごはん。
これを大盛りにしてもらってね。
で、鯖の焼いたのだとか味噌煮だとか、トンカツだカラアゲだ、肉と野菜を炒めたのが皿にどばっとか、そんなのをおかずにして、白ごはんをわっしわっしですよ。
ごはんおかわりできますなんて言われたりしたらあんた、食べるペースも進みまして、おかわりしなきゃ損とばかりに1杯目をソッコー空けまして、「すんません、おかわり!」と。
これでしょ、定食屋。
いや、話が飛躍してしまいました。
これはあくまで私の個人的な思いであります。
著者はそこまでは書いておられませんので。(笑)
紹介されているのは必ずしも純粋な定食屋(大衆食堂)というわけではありません。
中華屋や洋食屋もあります。
しかしその姿勢は定食屋だったりするんですよね。
昔ながらの定食屋というのがどんどん無くなっています。
そしてこの本で紹介されている店も現在はやはり何軒も閉店しておられるようです。
寂しいですね。
ファーストフードやファミレス、チェーン店は気軽に入れますし便利です。
ですけどなんの風情もありませんし、店のオトーチャンやオカーチャンとの思い出とか、そんなのありませんもんね。
私は大阪在住で神奈川の定食屋なんてまったく縁がないわけですが、事情は同じ。
だんだんと、いい定食屋は姿を消しています。
このような本が定食屋存続につながりますことを。
ラベル:グルメ本
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2020年04月21日

「シャーロック・ホームズ傑作選」コナン・ドイル

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シャーロック・ホームズ。
これはもう世界一の名探偵と言っていいんじゃないでしょうか。
彼が登場する小説を読んだことがない人でも名前は知っているはず。
そんなホームズの傑作選ということで短編集です。
短編6編収録。
ふむ。
シャーロック・ホームズといえば、世界中にファンがいます。
ロンドンのベイカー街なんてファンの聖地です。
世界中からファンが殺到しています。
それほど支持されているシリーズに物申していいのか。
と思うのですが、やはりここでは素直な感想を。
→ それほどのものか?(笑)
これはもう私が個人的にミステリーを好んでいないせいだと思います。
そして時代もあるでしょう。
ホームズが書かれたのは1886年~です。
100年以上前になりますね。
私も何度か読んでいまして今回は再読といえるのですが、やはり「はてな?」と思います。
有名な『まだらの紐』なんかも、「それ蛇やん」とソッコーでわかってしまいます。
また蛇をそのように手名付けられるのかよと。
そしてホームズに叩かれた蛇が戻っていくか?
普通落ちるやろ。(笑)
こういうところで私は白けてしまうんですよね。
もしかしたらこういうのってプロレスと一緒なのかもしれません。
「そういうところは、まあ、ナニがアレなんで、ここはひとつ穏便に」と。
納得できるのがミステリーファン。
プロレスファンと一緒です。
「わかった上で楽しんでんだよ、こっちはよ」と。
納得できないのが私のような素人。
ホームズであろうが金田一であろうが、ダメなものはダメ。
ここはおかしいだろ、あそこはそんなはずないだろ、と。
ミステリーといいますか、推理小説ですね、私が好きになれないのは。
探偵やら刑事やらがトリックやアリバイを解くという類の小説が好きになれません。
そういう意味では、この作品集、どれも感心できなかったですね。
あーあ、シャーロック・ホームズにケチつけちゃいました。(笑)
ラベル:海外小説
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