2018年04月13日

「「面白半分」の作家たち 70年代元祖サブカル雑誌の日々」佐藤嘉尚

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「面白半分」というサブカル雑誌があったそうです。
昭和46年から55年まで。
残念ながら私は知りませんでした。
この雑誌は原則として半年交代で編集長を代えるのが特徴で、吉行淳之介、野坂昭如開高健、五木寛之、藤本義一、金子光晴、井上ひさし、遠藤周作、田辺聖子、筒井康隆半村良、田村隆一といった、錚々たる人たちが編集長を務められたそうです。
著者はそんな雑誌の発行人。
約10年、様々な個性ある人たちを編集長に迎え、雑誌を作ってきた記録です。
メインで登場するのは吉行淳之介。
それほどこの雑誌に大きくかかわり、また著者にとっても大きな存在だったのでしょう。
『わいせつ裁判』についても頁を割いておられます。
「面白半分」に掲載された永井荷風「四畳半襖の下張」がわいせつかどうかと。
話題になりましたねぇ。
その他、なんやかんやと個性的な編集長たちと仕事をした楽しさ、苦労などが描かれています。
このような雑誌、今もあるのかなぁ。
あったとしてもこれほどの作家を迎えることなんてなかなかできないでしょうしね。
やはり時代でしょうか。
この時代だからできた企画かもしれません。
サブタイトルに「元祖サブカル雑誌」という言葉があります。
70年代の文壇やサブカルを知るいい資料ではないでしょうか。
ラベル:書評・作家
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2018年03月06日

「おいしい店とのつきあい方」サカキシンイチロウ

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飲食店には常連というのがいまして。
店の人と親しげに話してたりなんかして。
レストランなんかだとシェフが挨拶に出てきたりして。
同じコースを頼んだのに明らかにあちらのほうがいい料理が出てきたりして。
カウンターの飲み屋なんかでも「ちょっとこれ食べてみて」なんてサービスで小鉢が出てきたり。
「あれ頼むよ」なんて言葉だけで裏メニューが出てきたり。
けっこうそういうのに憧れる人は多いようです。
フレンチレストランではそれを『ソワニエ』と言うそうでして、それを目指そうなんて特集した料理雑誌もあったりしました。
私などアホらしと思うのですが、しかし無愛想にされるよりは愛想よくしてもらったほうが気持ちいいですし、同じお金を払うならいいものを食べたいというのは道理だとも思います。
この本では外食産業のコンサルタントをしているという著者が、店への予約の段階から、店での振る舞い、マナー、注文の仕方、などなど、ご自身の経験も例に挙げコース仕立てでアドバイスしておられます。
レストランに行く楽しみは予約の段階から始まっているのです、なんて最初に書かれると、「ああ、また始まった、マンネリのウンチクが」と思ったのですが、読み進めていくとけっこう細かくいろいろと書かれており、通り一遍のレストラン入門書ではないなという感想を持ちました。
100パーセントこの通りにすべきかというとそれはちょっとなと思う部分もありますが、まずまず参考になるんじゃないですかね。
読み物として面白かったです。
ラベル:グルメ本
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2017年12月18日

「窓際OL トホホな朝ウフフの夜」斎藤由香

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窓際族というのは普通閑職に追いやられた中高年のサラリーマンをいうわけですが、著者は窓際OLとのこと。
そんな窓際に追いやられた著者に与えられた仕事は精力剤のPR。
問い合わせ殺到する中、せっせと商品の売り上げに励みます・・・・。
まあ窓際OLなんてのはあくまで自虐でしょうけど、しかし上司を笑いのネタにし、会社の裏話を週刊誌のエッセイ(この本のことですが)で暴露しまくるなど、窓際の開き直りか、そんなことだから窓際に追いやられるんだと思ってしまったりもします。
ちなみに著者がお勤めの会社はあのサントリーです。
「やってみなはれ」の社風が著者にこのような暴挙を許すのか。(笑)
それにしてもの感ありありです。
父は作家の北杜夫、祖父は歌人の斎藤茂吉、叔父は精神科医の斉藤茂太。
エリートな家系です。
そのせいか作家さんたちにもつながりがあるらしく、いろんな売れっ子作家からも精力剤についての問い合わせあり。
みなさん苦労しておられるんですなぁ。
(あ、精力剤とは『マカ』のことです。)
前半は笑える話が満載ですが、最後の章は父や祖父、祖母の話でちょっとしんみり系。
できれば前半のノリで最後まで読ませていただきたかったのですが。
しかし祖母の話はなかなか興味深く、このエッセイの続編とともに祖母のことを書いた「猛女とよばれた淑女―祖母・齋藤輝子の生き方」も購入しました。
後日読んでみます。
ラベル:エッセイ
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2017年12月16日

「「食の職」新宿ベルク 安くて本格的な味の秘密」迫川尚子

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「新宿駅最後の小さなお店ベルク」に次いで、著者が変わりましての第2弾。
前作は店長でしたが今回は副店長。
ベルクというのは飲食店なわけですが、前作では主に店の経歴や経営者としての考えを書いておられました。
飲食についてというよりもビジネス的な読み物という感じでしたかね。
今回はぐっと具体的に飲食について掘り下げておられます。
第1章では店のメニューについて開発のいきさつやこだわりなど。
15坪という狭い店で、カウンターは立ち飲み(食い)。
そんな店ではありますが、ただ単に大量生産品を仕入れて売るというような店ではないんですね。
自分たちが納得いく素材を使って料理を出す。
しかもそれらのメニューがほぼ500円以内なんですよね。
店の努力と良心だと思います。
第2章ではベルクが仕入れをしておられるパン屋さん、ソーセージ屋さん、コーヒー屋さんとの対談もあり。
職人さんの苦労やこだわりを知ることができます。
第3章では著者の食に対する考えが述べられています。
いやしかし、このような店が地元にあったなら。
もし私が東京に行くことがあったら、ぜひ立ち寄ってみたいですね。
ラベル:グルメ本
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2017年10月13日

「ほっこりおうちごはん 「どうぞ飯あがれ」」柴門ふみ

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人気漫画家の食エッセイ&レシピ集です。
2児の母でもありますから、そりゃもう仕事しーの家事をしーの大変だったことと思います。
売れっ子マンガ家で仕事しつつ主婦もなんて、よくもまあ。
ま、それはそれとしまして、本書は著者がいろんなエピソードを書きつつそれにまつわる一品を紹介し、そのレシピは巻末にという内容です。
しかしなんなんですかね、読んでいていまいち気分がよくない。
なんといいますか、文章に高飛車なところが感じられるんですよねぇ。
なんでこんな物言いなんかなぁと。
あとは投げやり感とか、開き直り感とか。
もっと普通に書けばいいのにと思います。
著者は当然普通に書いておられるつもりなんでしょう。
これが著者の文体でありスタンスなんでしょう。
そこに嫌味を感じてしまうのは、私と著者の感性のズレかもしれません。
ラベル:グルメ本
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