2018年07月18日

「サービスの達人たち 究極のおもてなし」野地秩嘉

CIMG3307.JPG

サービスマンを取り上げたシリーズの、これは第4弾になるんでしょうか。
著者のライフワークですかね。
今回紹介されているのは、飛び込みの営業でベンツを日本一売る男、戦後最高のカフェ店主の神接客、デパ地下でとんかつを売りまくる女性店長、など。
なぜ彼らは客の心を捉え、商品を売ることができるのか。
著者はポリシーとしてただ取材だけではなく、実際に彼らのサービスを体験するんですね。
といってもベンツを買うわけにもいかず、デパートの美容部員から化粧の手ほどきをしてもらうわけにもいかなかったようですが。(笑)
ただベンツの場合は取材の同行者が実際にベンツを買ってしまったそうですし、美容部員の場合は女性編集者とカップルを装って化粧品売り場を徘徊したり、わざわざ地下で食料品を買ったりして客を装ったりして普段の仕事ぶりを観察されたようです。
達人たちのノウハウはそれぞれですが、皆自分の仕事を苦労とも思わず楽しんでやっておられるとのこと。
そうですね、いやいややっていてお客さんに喜ばれるわけないですもんね。
posted by たろちゃん at 02:50| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月28日

「河口へ」佐藤洋二郎

CIMG3296.JPG

短編集。
どの作品も肉体労働者を主人公としています。
そして現場には外国人労働者がいます。
『クロ』と呼ばれる肌の黒い外国人、『パキ』と呼ばれているのはパキスタン人。
そんな中で汗を流して働いている男の日々が描かれています。
今の若い人とひとくくりにはできませんが、そういう人たちとは対極の生活ですね。
おしゃれなスポットが出てくるわけでなし。
あ、東京ディスニーランドなんて出てきます。
しかしそれは現場から眺めることができる場所というだけだったりします。
いい女が出てきて恋愛物語が始まるわけでもありません。
出てくるのは飯場の飯炊き女です。
あるいは場末の飲み屋の女。
そんな女に手を出そうとしている男たち。
たぶんこの作品集を読んでもいまやピンとくる人は少ないんじゃないでしょうか。
ネクタイ締めてスーツ着て冷暖房の効いたオフィスで仕事している人たちとは別世界。
今の若い人たちが求めているのとは真逆の生活です。
ですがこういう世界や生活があるのは事実で、だからこそ世の中が成り立っているわけです。
当事者としてはごく当たり前の日常なんですけどね。
社会の下の層といえるかもしれません。
ですがそんな視線をしっかりと皮肉も込めずに淡々と描いているのがこの作品集。
浮かれていないしっかりと地に足の着いた視線があります。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月19日

「寿司屋のかみさん とびっきりの朝ごはん 今日は何を食べよう・・・?」佐川芳枝

CIMG3252.JPG

「寿司屋のかみさん」シリーズの一冊です。
この本では朝ごはんをテーマにしておられます。
寿司屋さんというのはどのような朝ごはんを食べておられるのか。
毎日いい魚を扱っておられるのでさぞかし豪華な朝食では。
たしかにこの本を読みますと店の残りの魚を使ったりして、なかなか贅沢な朝食が出てきます。
といってももちろん毎日そんなのを食べておられるわけではなく、パンの時もあればごく普通に納豆と佃煮なんてことも多々あるとのこと。
しかしまあ一般家庭よりは魚に関してバラエティもあり、美味しいものを食べておられるようです。
レシピというほどの詳細ではありませんが、いろいろと食べ方も紹介しておられます。
朝ごはんとのことですが、時間は11時半くらいだそうです。
世間一般で言えば昼ごはんですよね。
昼食は4時半。
半日ずれています。
早朝から仕入れ、帰ってきて仕込み、そしてようやく朝ごはんとなるようです。
なかなか大変ですね。
そんな忙しい合間を縫って支度する朝ごはん。
実に美味しそうです。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月13日

「「面白半分」の作家たち 70年代元祖サブカル雑誌の日々」佐藤嘉尚

CIMG3247.JPG

「面白半分」というサブカル雑誌があったそうです。
昭和46年から55年まで。
残念ながら私は知りませんでした。
この雑誌は原則として半年交代で編集長を代えるのが特徴で、吉行淳之介、野坂昭如開高健、五木寛之、藤本義一、金子光晴、井上ひさし、遠藤周作、田辺聖子、筒井康隆半村良、田村隆一といった、錚々たる人たちが編集長を務められたそうです。
著者はそんな雑誌の発行人。
約10年、様々な個性ある人たちを編集長に迎え、雑誌を作ってきた記録です。
メインで登場するのは吉行淳之介。
それほどこの雑誌に大きくかかわり、また著者にとっても大きな存在だったのでしょう。
『わいせつ裁判』についても頁を割いておられます。
「面白半分」に掲載された永井荷風「四畳半襖の下張」がわいせつかどうかと。
話題になりましたねぇ。
その他、なんやかんやと個性的な編集長たちと仕事をした楽しさ、苦労などが描かれています。
このような雑誌、今もあるのかなぁ。
あったとしてもこれほどの作家を迎えることなんてなかなかできないでしょうしね。
やはり時代でしょうか。
この時代だからできた企画かもしれません。
サブタイトルに「元祖サブカル雑誌」という言葉があります。
70年代の文壇やサブカルを知るいい資料ではないでしょうか。
ラベル:書評・作家
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月06日

「おいしい店とのつきあい方」サカキシンイチロウ

CIMG3212.JPG

飲食店には常連というのがいまして。
店の人と親しげに話してたりなんかして。
レストランなんかだとシェフが挨拶に出てきたりして。
同じコースを頼んだのに明らかにあちらのほうがいい料理が出てきたりして。
カウンターの飲み屋なんかでも「ちょっとこれ食べてみて」なんてサービスで小鉢が出てきたり。
「あれ頼むよ」なんて言葉だけで裏メニューが出てきたり。
けっこうそういうのに憧れる人は多いようです。
フレンチレストランではそれを『ソワニエ』と言うそうでして、それを目指そうなんて特集した料理雑誌もあったりしました。
私などアホらしと思うのですが、しかし無愛想にされるよりは愛想よくしてもらったほうが気持ちいいですし、同じお金を払うならいいものを食べたいというのは道理だとも思います。
この本では外食産業のコンサルタントをしているという著者が、店への予約の段階から、店での振る舞い、マナー、注文の仕方、などなど、ご自身の経験も例に挙げコース仕立てでアドバイスしておられます。
レストランに行く楽しみは予約の段階から始まっているのです、なんて最初に書かれると、「ああ、また始まった、マンネリのウンチクが」と思ったのですが、読み進めていくとけっこう細かくいろいろと書かれており、通り一遍のレストラン入門書ではないなという感想を持ちました。
100パーセントこの通りにすべきかというとそれはちょっとなと思う部分もありますが、まずまず参考になるんじゃないですかね。
読み物として面白かったです。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする