2017年10月17日

「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」ジェーン・スー

CIMG3131.JPG

何年くらい前からでしょうか、やたら『女子』という言葉が目に付きだしたのは。
いや、『女子』という言葉自体にはなんら問題はありません。
中学生や高校生に対して使われているのならば。
目に付くのは30代や40代の中年女性なんかが使い始めたからなんですね。
『女子会』だの『女子力』だの。
「オバハンが集まってな~にが女子会じゃアホタレが」などと思わず毒づきたくなってしまいます。
かといって何歳以上は『女子』にあらずなどという規制はなく、使用するのは自由なわけですが。
しかし女子女子言っている女たちも自分が女子という年齢ではないことを十分自覚していると著者は書いています。
『女子』という言葉は年齢ではなく女子魂を象徴しているのだと。
ま、いくつになっても女は永遠に『女子』なのですね。
そのような心構えはなるほど見た目も気持ちも若々しく保つのに有効かもしれません。
一歩間違うと苦笑モノになってしまうのが要注意ですが。
表題の他、未婚女性の立場から恋愛や結婚、仕事、老後のことなど、さまざまなテーマを取り上げておられます。
これはやはり男性よりも女性が読んで共感を得る本でしょうね。
当たり前か。
ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月15日

「ホルモン焼きの丸かじり」東海林さだお

CIMG3126.JPG

丸かじりシリーズ第31弾。
今回のタイトルはホルモン焼きです。
内容では「ホルモン焼きを懐石で」が表題作となりましょうか。
ホルモン焼きといえばもちろん焼肉なのですが、ロースやカルビとかと違っていわゆる臓物ですよね。
普通の焼肉とはちと違う。
というわけで、『ホルモン料亭』といわれる店に出掛けていくのですが・・・・。
で、その店の実況なわけですが淡々としたメニューの紹介に終始しています。
んで最後は飲み物がどうだとか。
今後ホルモンの二極化がどうだとか。
どうした東海林さだお。
そこで本領を発揮してくださいませんと。
たぶんエッセイとして面白可笑しく紹介するには苦しかったんでしょうねぇ。
それまでに費やした枚数のせいでホルモン屋についての記述が足りなかったのかもしれませんが。
表題にするにはもひとつインパクトがありませんでした。
こういう不発はよくあります。
そりゃこれだけ書き続けていればねぇ。
他の作品でもやはり出来不出来はあります。
ですけども、その不出来さえあくまでも東海林さだおレベルであり、他の食べ物エッセイなどと比べると抜きん出ている。
やはり偉大な食エッセイストでありましょう。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:31| Comment(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月01日

「味覚極楽」子母沢寛

CIMG3106.JPG

明治・大正を生きてきた様々な人たちの語る味覚についての話。
その世代の人たちは味覚を通じ、何を語るのか・・・・。
序や後記の日付を見ますと昭和32年。
しかし記事が書かれたのは昭和2年で、東京日日新聞に連載されていたもののようです。
今から90年前ですか。
内容は作家である著者が新聞記者時代に各界の人たちに食について語ってもらい、それを聞き書きし、著者のコメントや後日談を添えたものです。
登場する人たちも子爵だとか伯爵だとか男爵夫人だとか、陸軍中将なんて人もいらっしゃいます。
いまとなっては聞くことのない肩書きの人たちがずらり。
その他の人たちも社会的な立場のある人たちばかりです。
読みましても「はぁ、そうでございますか」としかいいようがありません。(笑)
いや、肩書きがどうこうとかではなくて、この当時でそこまでのこだわりを聞かされ(読まされ)たらひれ伏すしかないでしょう。
現在のように飽食の時代ではありませんが、やはり食にこだわる人はこだわっていらっしゃる。
もちろんそれは今の若い人たちがキャッキャ言いながら話題にしているようなレベルではなく。
食にこだわるにもそれなりに社会的経済的な立場があってこそでしょうし。
今のように猫も杓子も食べ物について語れるという時代ではありません。
そんな中でしっかりと味覚に対してのこだわりを語っておられるんですね。
内容についてちらりと書きますと、面白かったのは銀座千疋屋主人の章で、「東京の料理屋ホテルなどで使う果物はあまりよくないものばかり。あんなものを客にすすめるのは感心しない。そこへ行くと星ヶ岡茶寮の主人は毎日自分で出かけて来て、その日のいい果物を持って行かれるが、これには私も感心している」という発言をしておられます。
この星ヶ岡茶寮の主人というのはいうまでもなく北大路魯山人
評価されています。
ですが医学博士の竹内薫兵氏はこう書いておられます。
「北大路君は偉い人だが、何だかこう見せつけるというようなところがあっていけない。(略)わざとらしい嫌味を私は感ずるのである」
なるほど、芸術に関してはちょっとアクが強かったようで。
「しかし、このうちの果物だけは、何時行っても感心する。まことに立派なものである」
ここで銀座千疋屋主人の発言と見事に一致するのですね。
こういうリンクが読んでいて面白く思います。
あとはまあ手巻き寿司についての記述もあったりしまして、
手巻き寿司の歴史に関しては諸説あると思うのですが、この時代からぼちぼちとそのような店が出てきたということが書かれています。
もっと後の時代になって某寿司屋が手巻き寿司発祥の店と語られていたりもしますが、いま一度検証が必要なのではと思いました。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月08日

「小説 君の名は。」新海誠

CIMG3114.JPG

東京で暮らす男子高校生、立花瀧。
田舎町で自分が女子高校生となって暮らしている夢を見ます。
また田舎な糸守町で暮らす女子高校生の宮水三葉も東京で男子高校生になっている夢を見ます。
お互い最初はリアルな夢だと思っていたものの、どうやら2人は夢の中で入れ替わっていることに気づきます。
自分が相手の体になっているあいだは本来の自分の体の記憶はありません。
そして夢から覚めると相手の体で過ごしていた記憶が儚く消えてしまうのです。
2人は入れ替わっている間にノートやスマホで相手へのメッセージを残します。
最初は入れ替わっているあいだに勝手なことをするなと腹を立てたりしていたものの、だんだんと相手に想いを寄せるようになります。
ですがある日から急に入れ替わりが途絶えてしまいます。
瀧はうっすらと残る夢の記憶を頼りに糸守町を探し当て訪れるのですが、糸守町は3年前に隕石の落下で壊滅していたのでした。
被害者名簿の中には宮水三葉という覚えのある名前が。
ではあの入れ替わりはなんだったのか。
自分は3年前に死んだ人間と入れ替わっていたというのか・・・・。
大ヒットしたアニメ映画の原作小説です。
先にアニメを観てしまったせいか、ちょっと小説としてどうなのか判断できなくなってしまいました。(笑)
なにしろあらゆる場面でアニメの絵が浮かんでくるもので。
最初は読んでいてちょっと混乱しますね。
またアニメを前もって観ていなかったらちょっとわかりづらいのではないかと思える箇所もありました。
そのせいか話の中でつじつまが合わないのではと感じた所も。
ただ全体的にピュアで美しい小説ですね。
これもアニメの絵の美しさの影響があるかもしれませんが。
思春期の男女の入れ替わりとなるとコメディ路線になりそうなものですが、東京と田舎町で直接の面識はなく、彗星のエピソードなどを取り入れ、時空を超えた運命の出逢いといったような縦軸横軸ともにスケールのある話に仕上げています。
本好きとしましてはアニメを観る前に前知識なく読んでおきたかったと。(笑)
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月23日

「活字博物誌」椎名誠

CIMG3078.JPG

「活字のサーカス -面白本大追跡-」に続いてのシリーズ(?)第2弾です。
内容としましてはやはり前作と同じくいろいろな本を紹介しているのですが、必ずしもその本を直接批評しているわけではありません。
自分の周りの出来事を語りその流れで本が出てきたり、逆に本があってそこからどんどん話が流れていったり。
なので書評集というよりは本にまつわるエッセイといったほうがいいかもしれません。
でも小難しい言葉で内容についてあーだこーだ書かれるよりも、このような形で紹介されたほうが「なんだか面白そうだな」と興味が持てます。
本書のあとにもまだ2冊刊行されています。
これらもすでに購入済み。
また楽しみに読ませていただきます。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする