2015年05月04日

「天皇の料理番」杉森久英

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小さい頃から強情だった秋沢篤蔵。

いちど言い出したら聞く耳持たなくなり、なにがなんでも貫き通そうとします。

坊さんのスタイルに憧れ寺へ入ったものの悪さが過ぎて追放。

その後仕出し料理屋に養子に出されるのですが、納品のため訪れた歩兵連隊で生まれて初めてカツレツという料理に出会います。

あまりの美味しさに感動したこれをきっかけに、篤蔵は西洋料理の道に進むことを決意します。

福井県の武生からいざ東京へ。

まずは華族会館という皇族や華族を相手に料理を出す所に入門することになります。

負けん気の強さ、人一倍努力する一本気な性格で、めきめきと頭角を現していく篤蔵。

そしてやはり本場のフランスで勉強しなければとパリへ。

修行して数年、天皇の料理番をして欲しいという話が持ち込まれます・・・・。

タイトルの通り長年にわたり天皇の料理番を勤めた秋山徳蔵氏をモデルとした伝記小説です。

35年前にテレビドラマ化されましたが、最近になってまた再ドラマ化されたとのこと。

そんな話を聞いて、そういえば数年前に購入したまま積ん読状態だったなと引っ張り出してきて読んでみた次第。

ある意味成り上がりな内容なわけですが、本人の筆ではなく小説仕立てですので嫌味なくドラマとして読めます。

篤蔵の人間的魅力がいい。

そして当時の料理界や皇室の内情、時代背景を知ることができるのは作者の取材の功績でありましょう。

550ページの分厚い本ではありますが、読みやすく面白く、するするとページが進んでいきました。

ラベル:グルメ本 小説
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2014年06月15日

「杉浦日向子の食・道・楽」杉浦日向子

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漫画家でエッセイストでもあった著者。

江戸時代の風俗にも詳しく多数の著書があります。

そんな著者の食エッセイ。

口絵には愛用の酒器の写真もあり、さすがに趣味人な著者らしいですね。

文章はちょっと気負いすぎなのか、高飛車なところがあります。

しかし日本酒について「冷や」を注文して冷蔵庫で冷やしたのを出す店があるのを嘆いておられるのには私も同意。

「冷や」の意味がわかってないんですね。

「冷や」とは冷蔵庫で冷やしてあるのではなく常温のことです。

私もこれはずっと以前から気になっていました。

酒を飲み歩いて本を書いておられる人は他にもいらっしゃいますが、銘柄がどうの店がどうのでこのような根本のことについて指摘しておられる人はいません。

よくぞ書いてくださいました。(笑)

ラベル:グルメ本
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2013年08月02日

「世界奇食大全」杉岡幸徳

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タイトルどおりまさに世界の奇食を紹介した本です。

それは素材であったり調理法であったり。

まず素材なら、わりと知られているところでは石川県能登地方のフグの卵巣の糠漬けとか。

長野県伊那地方のザザムシやハチの子なんてのも聞きますね。

外国に目を向けますとメキシコならサボテン。

中国ではサソリとか。

土を食べる習慣も世界各地にあるとか。

組み合わせの奇食では愛媛県のみかんご飯。

ポンジュースで炊いたご飯で、学校の給食にも出たりするんだとか。

名古屋の「マウンテン」という店は有名です。

この本では甘口いちごスパなんてのが紹介されています。

その他、奇食というか珍食というか中国料理ではラクダのこぶなんて紹介されていますし、鳥の肛門から体液を吸うキビヤックなんていう北極圏に住むイヌイットの料理(?)もあります。

しかし人間ていろんな物を食べてるんですねぇ・・・・。

ちなみにこの本に紹介されている食べ物はすべて著者が実際に食べておられます。

ラベル:グルメ本
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2013年01月20日

「ミザリー」スティーヴン・キング

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酔っぱらい運転をしていて雪道で転倒事故を起こしてしまった人気作家ボール・シェルダン。

運よく通りがかりの女性に助けられたのはいいのですが、これがとんでもない人物でした。

彼女の名前はアニー・ウィルクス。

元看護婦ですが、ちょっと精神に異常をきたしています。

アニーは病院や警察に連絡することもせず、ポールを自宅に連れ帰ります。

ポールのナンバーワンの愛読者だというアニーはポールを監禁状態にし、自分ひとりのために小説を書くよう迫ります。

へたに逆らうと殺されかねないポール。

実際に彼女の機嫌を損ねて足首を斧で切り落とされたりするのです。

ポールは地獄のようなこの状況から抜け出すことはできるのか・・・・。

なんとも怖い話ですね。

訳者のあとがきに次のようなエピソードが紹介されています。

作者のS・キングが講演会のあと、ある男に執拗に一緒に写真を撮ってほしいとせがまれます。

S・キングは一緒にポラロイド写真を撮り、その写真に「マーク・チャップマンへ。S・キングより」とサインします。

そのマーク・チャップマンなる人物は、翌年あのジョン・レノンを射殺した犯人なのです。

一歩間違えば自分があのようなことに・・・・。

ファンというのはありがたい存在ですが、中にはこのような異常な人物もいるわけですよね。

そんな有名人にとっての身の周りの恐ろしさみたいなところからこの作品は生まれたようです。

異常者に監禁されるという恐ろしさはじゅうぶんに伝わりましたが、私にとってはやはり文章が馴染めませんでした。

いかにも翻訳物といった言い回しで。

なんで海外の小説ってこうなのかなぁ。

これが日本人作家の手で書かれていれば、思いっきりのめり込めたのに。

ラベル:海外小説
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2012年05月12日

「作家ってどうよ?」鈴木光司 馳星周 花村満月 姫野カオルコ

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4人の人気作家がご自分のことについて語っておられます。

鈴木光司、馳星周、花村満月、姫野カオルコ。

作家のプライベートというのは文壇に興味を持つ者としてはなかなか気になるところです。

そしてなにより小説の周辺が気になりますね。

1日をどのように使って仕事しておられるのか。

アイデアはどのようにして得られるのか。

収入はどんなものなのか。

直木賞の候補に選ばれ、結果を待つ気分と状況はどのようなものなのか。

などなど。

まあミーハーといいますか下世話な好奇心ではあります。(笑)

しかしそういうことに興味を持つ人が少なくないからこそこのような本も出されるわけで。

興味をお持ちの方は一度読んでみられてはいかがでしょうか。

ラベル:書評・作家
posted by たろちゃん at 04:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 『す』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする