2020年08月25日

「いのちの食卓」辰巳芳子

CIMG3691.JPG

「いのちの食卓」。
なかなか重いタイトルです。
なので私の日々の食事はこんなのですよ、というような内容ではありません。
著者は『崩食』の時代を危惧しておられるのです。
『崩食』。
いろんな意味がありますよね。
食材そのものの安全性、毎日3食というリズムの崩壊、家族そろっての食事の減少、インスタントやコンビニ食の普及・・・・。
つまりいろんな面で食が崩壊している。
「食というのは呼吸と等しく、いのちの仕組みにくみこまれている」と著者は言います。
まったくその通りですよね。
でもその食がこれほどおろそかにされている時代は過去になかったでしょう。
飽食ゆえの崩食だと私は思っています。
本書ではレシピもいろいろ紹介されています。
昔ながらのちゃんとした材料を使ったレシピです。
派手ではありませんが滋味ありそうな料理です。
グルメだのなんだの、いつから食はこんなチャラいものになってしまったのでしょう。
ほんと食とは何か、真剣に考える時期にすでに入っています。
添加物まみれの料理もそうですし、日本の食料の自給率にしてもそう。
これらを真剣に考えている“自称グルメさん”はどれだけいらっしゃることやら。
インスタ映えなんていいながら料理の写真撮ってる場合じゃないですよ。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月02日

「週刊誌風雲録」高橋呉郎

CIMG3680.JPG

週刊誌って現在どれくらいあるんでしょうね。
それぞれ部数を競い合っています。
で、テレビのワイドショーなんかもこれをネタ元にしている場合が多いです。
昨日発売の週刊〇〇の記事によると・・・・なんて。
政治だったり社会だったり芸能界だったり。
あらゆるジャンルを網羅しています。
さて、この週刊誌、どのように発足したのか。
そしてどういう変遷があったのか。
週刊誌勃興期を知る著者が語ります・・・・。
週刊誌と聞いてどれを思い浮かべますかね?
「週刊文春」、「週刊新潮」、「週刊現代」・・・・。
それらはすべて出版社系の週刊誌です。
もともとは朝日新聞が出した「週刊朝日」が最初なんですね。
つまり新聞社系です。
当然最初はノウハウなんかないわけですから、それをどう売るか。
記事を書くライターが重要なカギとなります。
そして当時は連載小説なんかが売り上げに大きなウェイトを占めていたようです。
今は小説目当てに週刊誌を買う人なんかいないでしょうけど。(笑)
編集者、ライター、作家。
週刊誌というメディアからいろんな人たちが名を馳せました。
だんだんと昔を知る人がいなくなってきます。
こういう歴史を文献として残しておくのは実に貴重なことだと思います。
ラベル:本・書店
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月04日

「「あまカラ」抄1」高田宏 編

CIMG3665.JPG

昭和26年に創刊され、同43年まで200号発刊された食の雑誌「あまカラ」。
毎月20篇前後の食エッセイを掲載していたとのこと。
トータルでおよそ3000篇前後とのことですが、その中から3巻で約130篇を収録したのがこの「あまカラ」抄です。
編者は苦労されたようですね、作品選びに。
そりゃ3000篇の中から130篇を厳選するわけですから。
3巻で刊行するにあたって、まずその3巻をどのように分けるか。
編者は第1巻は作家篇、第2巻は学者・評論家篇、第3巻は諸家篇としました。
そして選び出した基準が『「食」を通して「人間」が見えてくる点においた』といいます。
『もっと言うなら、書き手の生(いのち)が、書き手の喜怒哀楽が、飲食を通して見えてくる文章を選んだ』と。
そんな基準で厳選された44篇がこの第1巻に収められています。
採用されている執筆者の名前を数人挙げますと、幸田文とか。
まあいかにもといいますか、納得ですね。
武田泰淳井上靖、伊藤整といった文壇の大御所。
開高健獅子文六などは、まあ当然出てくるわな、と。
大岡昇平などはあの魯山人の「ラ・トゥール・ダルジャン」でのエピソードを披露しておられます。
そう、パリの高級レストランで鴨料理を山葵醤油で食べたというあのエピソード。
このとき同席していたのが案内役で画家の荻巣高徳と大岡昇平でした。
魯山人本人のエッセイやいろいろな伝聞で有名な話ですが、同席者の証言ということでこれは保存されるべきでしょう。
瀬戸内晴美(寂聴)のエッセイもいい。
これは現代人にも体験できる話です。
20日間の断食を行い、それがきっかけで好き嫌いがなくなり、何でも美味しく食べられるようになったと。
そう、グルメだ美食だ好き嫌いだなんてのは、飢えの前ではぶっ飛びます。
美食も結構ですが、まずは食べられるありがたさに感謝しませんと。
ダイエットしている女性がつい食べすぎたり甘いものに手を出してしまったりなんて話を聞きますが、なんでも好きなものが食べられる立場の道楽みたいなものです。
そこには食に対しての感謝などありません。
ま、そんなことにケチつけてもしょうがないし、話がそれました。(笑)
食べることを文章にする。
やはりそこには大げさな話になるかもしれませんが、その人の人生観みたいなのを、少なくともその人の価値観を感じたいと思います。
そういう意味では非常に砥がれた食エッセイ集ですね。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月02日

「さようなら、ギャングたち」高橋源一郎

CIMG3649.JPG

作者のデビュー作です。
詩人のわたし。
そして恋人のS・B(ソングブック)。
んで、ギャングたち・・・・。
なんですか、これ。(笑)
私にはさっぱりわかりませんでした。
吉本隆明が当時「ポップ文学の最高の作品」と評したそうですが、う~ん、そもそもポップ文学とは何ぞや?
2020年の今、そんな言葉使ってる人いないですよね。
“ポップな感覚”という言葉自体、今からすれば“ナウい”と同じくらい恥ずかしい感性だと思うのですが。
まあ時代もありましょうが、作者はそんな中で評価されデビューし、いまだ作家の肩書でご活躍です。
いまや文壇の重鎮の風格さえ漂ってきました。
ポップな感性についていけない私ごときが触れる作品ではありませんでしたね。
スンマセン・・・・。(笑)
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月29日

「酒のかたみに」監修 髙山惠太郎

CIMG3648.JPG

「月刊たる」という大阪の出版社が発行している酒の専門誌に掲載されたエッセイ集。
もちろん内容は酒について書かれたもの。
いや、酒についてというよりも、酒を愛した作家たちについて書かれたエッセイですね。
昔の作家は酒が似合いました。
文壇バーなんてのもありましたし。
なのでエピソードにも事欠きませんでした。
そんな作家たちを、身近にいた編集者や文筆を生業とした人たちが語っておられます。
ここに登場する作家は、開高健、有吉佐和子、色川武大、立原正秋井上靖源氏鶏太池波正太郎、梶山季之、高橋和巳、森敦、稲見一良中上健次、吉行淳之介。
錚々たる顔ぶれですね。
皆すでに亡くなっておられます。
執筆しておられるのは菊谷匡祐立松和平山本容朗などなど。
こちらもまた亡くなっておられます。
昔の作家と生で接し、いろんな言動を見聞してきた人たちがいなくなる。
寂しいことですがこれも時代であり歴史であります。
なのでこのようなエピソードを文章で残しておられるのはとても貴重ですし、嬉しいことでもあります。
このあと「続・酒のかたみに」、「新・酒のかたみに」と出ており、どちらも購入済み。
また楽しみに読ませていただきましょう。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする