2020年12月24日

「からまる」千早茜

CIMG3745.JPG

7編の連作短編集。
第一話の「まいまい」は地方公務員の武生という青年が主人公。
ある日アパートの前でうずくまって雨宿りしている女を見て声をかけ、部屋に誘ったらついてきました。
それ以来、休みの日に鍵を開けておくと勝手に入ってきて数時間ベッドで過ごして帰っていきます。
名前もどこに住んでするのかも何をしているのかも知らない。
たまたま職場の女性を連れ込んでしまったときに彼女がやってきて、それ以来姿を見せなくなります。
ですがしばらくして意外なシチュエーションで彼女を目撃して・・・・。
この第一話に出てくる彼女は第七話「ひかりを」で主人公となって登場します。
他、武生が連れ込んだ同僚は第二話「ゆらゆらと」で。
同じく第一話に出てくる武生の上司は第三話「からまる」で、姉は第四話「あししげく」で、というようにそれぞれが主人公となり、また登場人物たちが間接的にリンクしているんですね。
連作短編によくあるパターンですが、こういうのを読むとこんな狭い範囲でそうそう繋がってるわけがないだろうと思ってしまいます。
もはやステレオタイプですね。
内容としましては何がどうと説明するのは難しいのですが、やはり人それぞれ他人(外側)からはわからないものを抱えているということでしょうか。
第一話に登場した連れ込まれた同僚の女性が第二話で主人公として一人称で語ることにより、第一話ではわからなかった内面や日常を知ることができる。
第七話で武生の部屋に通う女性の素顔が明らかになる。
第三話ではいつも穏やかな上司の家庭事情が語られる。
またかよ、と思う手法ではありますが、そういう面白さはあります。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ち』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月22日

「ちばてつやが語る「ちばてつや」」ちばてつや

CIMG3536.JPG

いまや漫画界の巨匠であるちばてつや。
昭和20年に6歳で満州から引き揚げてきた頃からの人生を振り返り、いかにして漫画家になったのか、そしてデビューしてからのひとつひとつの作品に込められた思いやエピソードを語った自伝です。
ちばてつやといえば数々のヒット作で知られ、ずっと第一線で活躍してこられた漫画家さんですね。
「あしたのジョー」、「のたり松太郎」、「おれは鉄平」、「ハリスの旋風」・・・・。
ヒットに恵まれず消えていく漫画家がほとんどの中、これだけの大きな作品を何作も残すなんてすごいことなんですよね。
本書では順を追って当時に発表した作品を紹介しておられます。
なぜそのような作品を描こうと思ったのか、その時の状況はどうだったのか、どのような苦労があったのか。
制作秘話といいますか、作品を読んでいるだけではもちろん知ることのできない話が満載です。
弟のちばあきお、七三太朗といった人たちも登場します。
漫画に興味のある人ならば、ぜひ読んでいただきたい一冊ですね。
ラベル:漫画本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ち』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月20日

「嘘つきLovers」知念みづき

CIMG3535.JPG

親友からある男を誘惑してほしいと頼まれた悠莉。
その男に復讐したいのだと。
引き受けた悠莉は成り行きでいきなりその男をホテルに誘ってしまいます。
ところが人違いだったことが判明。
相手の男を知っているという彼は、悠莉の誘惑に協力すると言い出して・・・・。
ちょっと無理やり話を作り過ぎなんじゃないでしょうか。(笑)
まず親友がそんな頼み事なんかしないでしょ普通。
復讐のため見ず知らずの男を誘惑してくれなんて。
その理由が最後に語られるのですが、また陳腐で。
復讐するにも別の方法があるだろと。
というか、そんなことで復讐を考えるなんてそもそも筋違いだろと。
悠莉という主人公も誘惑するくらいだからセックスくらいはしょうがないな、なんて貞操観念薄いし。(笑)
でも結局人違いで誘ってしまった彼とはめでたしめでたしになるという。
もう、ね・・・・。
posted by たろちゃん at 03:53| Comment(0) | 『ち』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月15日

「パルプ」チャールズ・ブコウスキー 柴田元幸 訳

CIMG3383.JPG

私立探偵ニック・ビレーン。
いつも酒を飲んで競馬に入れあげ、ろくに仕事ができないのですがそれでも依頼は来ます。
妻の浮気調査だったり、いるのかいないのかよくわからない赤い雀を探してほしいという依頼だったり。
それだけならまだしも“死の貴婦人”という死神が出てくるかと思えば、地球を侵略するためにやってきた宇宙人の美女まで登場します・・・・。
いやもうめちゃくちゃです。(笑)
行き当たりばったりです。
普通こういうのは主人公が飲んだくれだなんだといってもここぞというときはビシッと締めるのですが、そんなのはまったくありません。
死の貴婦人に助けられたり宇宙人の美女に助けられたり。
主人公の刹那的で投げやりな生き方がまさしくストーリーにも表れているようです。
というか、めちゃくちゃな主人公を描くためのこのめちゃくちゃな話の展開なのか。
人生を達観したような世間を鼻で笑ったようなこの内容はさすがにブコウスキーというべきなんでしょうか。
ラベル:海外小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ち』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月14日

「男子厨房に愉しむ 50歳からの健康手料理」中央文庫編集部 編

CIMG3305.JPG

8人の料理人(丸元淑生、道場六三郎、檀太郎・晴子、村上信夫、山田宏巳、西川治陳建一)が手ほどきする料理入門書。
入門書というのとはちょっと違うか。
まあコンセプトはそういうことなんでしょう。
50歳から始めてみませんか、というような。
若い頃のようにジャンクな物を食べる年齢ではありませんし、ちゃんと体のことを考えた料理を自分で作って食べましょうと。
市販のお惣菜はそれはそれで便利ではありますが、やはり味がしつこい。
添加物もいろいろと入っていますしね。
手作りなら自分好みの味に仕上げられますし、添加物も避けることができます。
この本の内容はすべて80年代~90年代に書かれたものですが、ちゃんとした料理には古いも新しいもありません。
中では道場六三郎氏と檀太郎・晴子夫妻のレシピが実践的ですかね。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ち』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする