2019年09月28日

「笑福亭鶴瓶論」戸部田誠(てれびのスキマ)

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笑福亭鶴瓶こそが最強の芸人であると主張する著者。
大物とも対等に渡り合うかと思えば後輩にボロクソいじられる。
あちこち地方を訪ねて地元の人たちと交流したかと思えば、翌日には大ホールで落語をやっていたりする。
鶴瓶というのはいったいどのような人間なのか・・・・。
なるほど笑福亭鶴瓶という芸人はトップレベルというほど抜きんでた存在ではありません。
しかしつねにトップのすぐ下におられますよね。
人気も安定しています。
著者は鶴瓶はスケベだといいます。
これは終始一貫してこの本の中で何度も使われており、各章のタイトルにも使っておられる言葉です。
もちろん性的な意味で使っておられるのではなく、芸人としての色気であったり、なによりいろんなことに対しての貪欲さを表現しておられるんですよね。
しかし私は読んでいるあいだずっとこの言葉に違和感を持っていました。
著者としては鶴瓶を表現するのに的確な言葉だと思っておられるのでしょうが、私にはどうも最後まで馴染めませんでしたね。
もうちょっと別の言葉で表現できなかったものかと。
いろんなエピソードや鶴瓶の魅力を読めたのは楽しかったですが、ひたすらスケベというキーワードでまとめようとしておられるのがどうも好きになれませんでした。
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2019年05月01日

「超高速!参勤交代 リターンズ」土橋章宏

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前作において老中・松平信祝よりわずか五日で参勤交代をせよとの命が発せられ、なんとかかんとか参勤を成し遂げた湯長谷藩藩主の内藤政醇。
信祝は政醇に皆の前で鼻をあかされ大恥を掻いたうえ、権力を利用し好き放題していたことを八代将軍徳川吉宗に咎められ、蟄居を申し付けられます。
しかし黙って引き下がるような人物ではありません。
ライバルたちを暗殺し、まんまと老中に返り咲きます。
そして政醇への復讐を企てます。
行きの“参勤”は果たしたものの、帰りの“交代”を終えて“参勤交代”です。
政醇に今度は二日で交代を終えよとの沙汰を下します。
明後日の暮れ六つまでに湯長谷城へ帰りつかなければ藩はお取り潰しです。
しかも江戸城天守閣再建の普請までやらせようとします。
その費用、およそ二十五万両。
ただでさえ金のない一万五千石の藩にできるわけがありません。
絶体絶命の政醇と湯長谷藩ですが・・・・。
いやしかし松平信祝のクソ憎たらしいキャラクターといったら。(笑)
人の命を屁とも思っていません。
それだけに内藤政醇の清廉な人物が際立つんですね。
なによりも藩のことを思い、村の子を子守し、百姓たちと一緒に田んぼを耕し、参勤の途中に出会った飯盛り女の人柄に惹かれ側室にし、自分が犠牲になってでも藩の者たちを守るような人物です。
そして政醇の側近たちがまた魅力的に描かれています。
話のクライマックスでは政醇を始めその側近たちと七人で信祝率いる一万二千人もの大軍と戦います。
この戦のシーンが迫力あるんですよね。
しっかりと読み応えのある時代エンターテイメント小説です。
でも調子に乗って第3弾は出さないでいただきたい。
人気をいいことにだらだら続編を書き続けたら熱も冷めてしまいますから。
読んでみたい気もしますけど。(笑)
ラベル:時代小説
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2019年03月06日

「雪の鉄樹」遠田潤子

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祖父、父とも庭師の家に生まれ育った雅雪。
自身もやはり庭師です。
地元ではたらしの家といわれるほど祖父も父も女好き。
つねに女を家に引っ張り込んでいます。
そんな中で育った雅雪は、二十歳のころから十三年間両親のいない遼平という少年の面倒を見続けています。
幼い頃は雅雪に懐いていた遼平ですが、現在は雅雪を恨むようになりました。
雅雪が隠してきたある過去を知ったからです。
過去に何があり、そして十三年経った今、なにがあるというのか。
なぜ雅雪は遼平の面倒を見、その祖母にひたすら罵倒され頭を床に擦り続けているのか。
雅雪の体が引き攣れ、不自由なのはなぜなのか・・・・。
冒頭から読者に謎が提示されますが、なかなかその理由は明かされません。
読み進めていくとじわじわと氷が解けてくるようにその謎が明らかになってきます。
骨太な文章でぐいぐい読ませるその筆力が実にいい。
第15回大藪春彦賞候補になったという経歴も頷けます。
描かれているのは家族の愛憎であり、男女の愛憎です。
たらしの家系という設定がなんとも絶妙ですね。
情というものを持たない祖父の冷徹なキャラがすごい。
その犠牲になった父、それを目の当たりにしてきた雅雪。
この雅雪のキャラがまたいい。
トラウマを抱え、精神的な傷を負いつつ、ひたすら贖罪し続ける孤独感と悲壮感。
すべての謎が読者に明らかにされたとき、雅雪は、遼平は・・・・。
再生の物語でもあります。
ラベル:小説
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2019年02月20日

「女とお酒のいい関係」友田晶子

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ワインコーディネーターの著者がお酒について語ったエッセイです。
著者のお酒についての日常だったり、酒好きならちょっと知っておきたい知識であったり。
もちろんお酒に対する主張だったり。
女性の立場から書かれているので男性の酒飲みが書いたエッセイとはひと味違います。
「女ならわかる仕事関係の男と飲む気苦労」という章は、これ男性には書けませんよね。
そんな大層なことを書いているわけでもないのですが(失礼)、女性だからこそ敢えて書くテーマでしょう。
「女ひとりでBARに行くということ」なども、やはり男性の一人客とはまた周りの見る目が違うでしょうし。
男性でさえ一人でBARどころが立ち飲み屋さえ入れない人がいます。
まあ女性も一人店に入って飲みたいときもあるでしょうが、著者もなかなか勇気がないと書いておられます。
チャライ飲み屋はともかくとしまして、それなりの大人の店で一人飲む女性はかっこいいですけどね。
今は女性がお酒を飲むということに自身も周りもなんら抵抗はない時代です。
だからこそ見苦しい飲み方はしてほしくないですね。
もちろん男もですが。
酔っぱらって歩きながら奇声をあげたり、酔いつぶれて道端でゲロ吐いたりする女性をよく見かけます。
著者のような女性が女性に対して「お酒の飲み方」をもっと啓蒙していただければ。
ラベル:グルメ本
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2018年12月07日

「人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった」戸部田誠(てれびのスキマ)

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「日刊ゲンダイ」に連載されたコラムです。
『テレビ番組中に出演者が発した名言や珍言をひとつピックアップして、そこからその発言者の人となりや思いなどを綴っていく』との趣旨。
登場するのはタレント、俳優、ミュージシャンなど100人。
なるほど皆さんいろんなことを語っておられますが、当然そこには本人の思想やそれまでの生き様があったりするわけで。
この人らしい発言だな、というのは確かにありますね。
よくまあこれだけの発言を集めたものです。
ただ比べるべきではないのかもしれませんが、ナンシー関と比べてしまいますと毒がないといいますかやはり切れ味はいまひとつ。
もともとコンセプトが違うのでしょうけど。
ラベル:エッセイ
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