2015年03月18日

「そんなに読んで、どうするの? 縦横無尽のブックガイド」豊崎由美

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「文学賞メッタ斬り!」で大森望氏とコンビを組み、歯に衣着せぬ書評でおなじみのトヨザキ社長。

そんな戦う書評家の初書評集。

239作品が紹介されています。

といってもメッタ斬りのような過激さはありませんけども。

前半は日本の作品、後半は海外の作品が紹介されており、その割合は4対6ですかね。

私はあまり海外の小説は好きではないので、後半はちょっと退屈しましたけど。

それでも読んでみたいと思える作品は何冊もありました。

メッタ斬りのせいか作家(というより文学賞の選者)をこき下ろす書評家というイメージがあったりもしますが、この書評集を読みますと小説への愛情が溢れております。(笑)

お気に入りの作品をぜひぜひ読んでもらいたいという気持ちがひしひしと伝わってくるんですよね。

これからの本選びの参考にさせていただきたいと思います。

しかし巻末には袋とじで過激なことを。

某大作家にケンカを売っておられます。

やはりそうでなくては、社長。(笑)

ラベル:書評・作家
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2014年09月15日

「グルメの真実」友里征耶

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なにかと話題の飲食店評論家、友里征耶氏。

「グルメの嘘」に続いて新書としてはこれが2冊目になるんですかね。

内容は相変わらず過激です。

それゆえに批判者も多いわけですが、私はこのような人がいてもいいと思いますし、むしろいるべきだと思います。

この著者が徹底的に批判するのは客を馬鹿にした店であり、そのような店を持ち上げるヨイショ評論家やライターたちです。

飲食店の裏事情を指摘し、内容以上に値打ちを付けた店や料理を批判する。

タダ飯を食う、店と癒着する、訪問軒数何万軒とかバカなことを自慢するライターを批判する。

それらについてはまったくごもっともなんですね。

ただ批判する対象となるラインをどこに引くかが難しいのですが、氏の場合それが一般の感覚よりもシビアであったり、表現が過激であったりするために敵が多いと思われます。

それはどうかなと思う部分もありますし。

本書では店や料理人、ライターなど実名で登場します。

こんなことできるのはこの人だけでしょう。(笑)

無視する人、攻撃する人、訴訟する人、いろいろといると思います。

私は氏の言動すべてに賛同するわけではありませんが、料理界に興味あるものとして、一読者として、このような本を出されたことを支持します。

ラベル:グルメ本
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2014年07月29日

「陽の子雨の子」豊島ミホ

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夕陽は男子校の中学2年生。

24歳の雪枝と知り合います。

メールのやりとりをしたり、ボーリング場、ゲームセンター、真昼のファミレスなどで合うような付き合いです。

そんなある日、一人暮らししている雪枝の家に来るよう誘われます。

訪問してみると4年前から雪枝に飼われている19歳の聡という男がいました・・・・。

ちょっと暗い青春小説(?)です。

雨の日が怖く“灰色の点々”に怯える中学生。

働かずに家賃収入で一人暮らしする24歳の女。

そんな女に飼われている19歳の男。

爽やかさとはほど遠い設定です。(笑)

雪枝はトクベツな自分になりたいと思いつつ、しかし自分はなにほどの人間でもないということをわかっており、もがき苦しんでいます。

19歳の聡は家からほとんど出ることもなく、世間的にはペットの動物レベルです。

中学生にしては理知的な夕陽がいちばんニュートラル。

ちゃんとした家庭がありますし。

名前は黄昏ていますけども。

リアリティのあるシチュエーションではありませんが、明るくときめくだけが青春ではありませんしね。

一歩間違えると犯罪小説ですが(笑)、それをまあどうにか自分探しの青春小説に置き換えておられます。

この作者の他の作品の感想でもよく書いているので重複するのですが、どこかノスタルジックで切ない雰囲気がやはりこの作品にもあります。

というか、これが豊島ミホの持ち味でしょうけど。

ラベル:小説
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2012年06月16日

「神田川デイズ」豊島ミホ

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連作短編集。

主人公たちは神田川近くのある大学の学生たちです。

モテない童貞の3人組が意を決してお笑いトリオを結成する「見ろ、空は白む」、所属する映画サークルに愛想を尽かして飛び出し、女性向けピンク映画を撮るんだと張り切る女子学生3人「どこまで行けるか言わないで」、学生で作家としてデビューするもそのあとがパッとしない主人公とその彼女「花束になんかなりたくない」、などなど。

どれも現状に満足せず、なにかしたいんだけどなにをしていいかわからない、今と違うどこかに行きたい、そんなもどかしさを持つ若者の姿を描いています。

神田川といえば昔の四畳半フォークのイメージですが、現代にそのイメージを持ってくるあたりがミスマッチなようでいてしっくりときています。

不自由なく明るいようでいて、やはりみんなもどかしさや焦りというものを感じているんですね。

ノスタルジックで乾いた雰囲気の中にほろっと切なさが漂うような作風。

この作家にはずっとそのような印象を持ち続けていますが、この作品集でもやはり同じくです。

ラベル:小説
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2012年05月08日

「超有名料理店 オーナー11人の店づくり」東京美食マガジン編集部編

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11人のレストランオーナーが自身の店作りについて答えておられます。

飲食店というものを大きくふたつに分けるとしたら、「店」と「料理」ですよね。

どのような雰囲気の店にするのか。

立地条件や外観、内装など。

そしてそんな空間でどんな料理を供するのか。

この本ではタイトルからもわかるように主に「店」について書かれていまして、料理についての技術論的な内容はありません。

中身のレイアウトも上下2段、カラー写真多用、横文字もビシッとアクセントに。

オシャレといいますかスタイリッシュといいますか。

なにしろ「東京美食マガジン」編集部の編ですから。

これが「月刊専門料理」(柴田書店)から出た本だとかなり技術論な内容になるんでしょうけども。(笑)

ただ読んでいて文章のレベルがどうもなぁ、という印象。

そしてタイトル。

超有名って・・・・。(笑)

ラベル:グルメ本
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