2019年07月08日

「弱法師」中山可穂

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中編3編収録の作品集です。
どれも能をモチーフにしているとのこと。
脳に腫瘍のある子供とその母親を愛し、エリートの道を捨ててまで二人に尽くした医師。(弱法師)
愛する女性編集者のためにひたすら命を削って小説を書き続けた青年作家。(卒塔婆小町)
父と母と叔母の不思議な関係に戸惑いつつも心を熱くする高校生の少女。(浮舟)
中山可穂といえば女性同士の激しい恋愛を書き続けてきた作家さんですが、この作品集はちょっとベクトルが違います。
といっても、どれも熱く激しい恋愛であることには変わりないのですが。
叶わぬ思い、愛する人の死、それらのテーマが濃密に描かれています。
電車の中で読んでいて思わず涙をこぼしてしまったほど。
寡作な作家さんですが、そりゃこのテンションの作品をほいほいと書けるものではないでしょう。
それぞれの作品がまさに渾身の一作といえます。
ラベル:小説
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2019年06月28日

「片想い」中島みゆき

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ミュージシャン中島みゆきの対談集です。
表紙の写真を見ましたら、みゆき姐さん若いですねぇ。(笑)
出版は昭和62年。
今から30年以上前で、中島みゆきはデビューして12年です。
今や大御所ですが、このころはまだ初々しかった。
といってもすでにベテランの風格ありですけどね。
さて、対談相手のお名前を列挙しましょうか。
所ジョージ、根津甚八、勝新太郎、吉行淳之介、高橋三千綱村上龍、松任谷由実、桃井かおり、河島英五、岩城宏之、村松友視
糸井重里、春風亭小朝との萬流コピー塾もあります。
これはオールナイトニッポンの収録です。
対談はミュージシャンに限らず文壇からも何人か。
俳優では勝新太郎なんてのも異色な対談という気がします。
どの人たちも著者の不思議な魅力にメロメロといった感じです。
この本の面白いところはただ対談を収めているだけではなく、いろんな人がコラムのような形でコメントを寄せておられるんですよね。
それは例えばマンガ家の秋元治であったり、柴門ふみであったり、映画監督の山本晋也であったり、ジャーナリストの筑紫哲也であったり。
著者が幅広い人たちに支持され、交友の広さもうかがえます。
デビューしてもう45年ほどになりますか。
いまだに第一線のミュージシャンですもんね。
すごい人だなぁ。
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2019年05月13日

「本は10冊同時に読め!」成毛眞

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最近は本が売れないと言われています。
つまりそれだけ皆が本を読まなくなったということで。
読む読まないはその人の自由ですが、やはり読んだほうがいいとは思いますね。
著者は「本を読まない人はサルである」と言い切っておられます。
しかも本を読まないと低所得階級の人間になるとか。(笑)
同時進行でいろんなジャンルの本を何冊も読めというのはわかりますけどね。
私もさすがに10冊は無理ですが、だいたい3冊を同時進行で読んでいます。
でもこの著者に言わせればどうでもいい本ということになるんでしょうけど。
とにかくこの人、ボロクソに上から目線です。(笑)
ご自身が興味ある本は支配階級が読むいい本、そうでないのは労働者が読むよくない本ということらしいです。
明治・大正時代の文豪の小説なんかボロクソです。
かなり我が強いといいますかヘンコといいますか。
もし周りに本嫌いの人がいたら足を引っ張られるだけなので付き合わないほうがいいそうです。
ま、たしかにこの人にはあまり近寄らず遠くから眺めているほうがよさそうですね。(笑)
ラベル:本・書店
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2019年05月11日

「マンガはなぜ面白いのか その表現と文法」夏目房之介

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著者がNHKの番組と大学でマンガについて講義したものを収録した一冊です。
マンガ評論なわけですが、他のマンガ評論家と大きく違うところは絵について非常に細かく分析しておられるところでしょう。
ハード(絵)とソフト(物語)に分けるとすれば、ハード面からの分析です。
眉毛の描き方、目の描き方、コマの割り方、トーンの貼り方、オノマトペ、そして線そのものについて。
Gペンならこう、丸ペンならこう、と。
もちろんそれらが総合的に状況や心理を描写しているわけで、やはりマンガを語るならハード(絵)を語らないわけにはいかないんですよね。
それは大ざっぱに絵柄がどうこうというレベルではなく。
特に著者は線へのこだわりがすごい。
これはやはり自身もマンガを描いておられるゆえでしょう。
実際に模写して見せてその違いを提示されたりします。
他の著書では顔の輪郭線の微妙な震えまで指摘しておられますしね。
10年ほど前にBS2で「マンガ夜話」という番組がありました。
著者はこれに出演しておられまして、いろんなマンガについての分析をしておられます。
私はリアルタイムではなく(BSなんて観られる環境ではありませんでした。今もですが)、ネットで観ているんですけども。
いしかわじゅん氏岡田斗司夫氏と共にいろんなマンガ作品を批評しておられます。
これ、マンガ好きを自負する方がもしご存じないならぜひ観てください。
ユーチューブでわんさと観れます。(笑)
なにげなく読んでいたマンガの表現に、こんな意味が込められていたのか、ここまで読み込むのかあなたたちは、といった目からウロコなやりとりが満載です。
いや、ほんとマンガは奥が深いです。
映画や小説と比べてもなんら遜色がないジャンルですね。
といいつつ、私はもう何年もマンガから遠ざかっているのですが・・・・。
ラベル:漫画本
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2019年04月09日

「おもしろメニュー二万年」永山久夫

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今から二万年前。
我々日本人の先祖たちはなにを食べていたのか。
ナウマン象を食べ、昆虫を食べ、山菜、ヘビ、カエル、などなど、あらゆるものを食べる雑食人種だったそうです。
そして縄文時代、弥生時代、奈良時代と進んでいきます。
平安時代になると食べ物の種類も増え、料理法も向上。
それでも農民たちの常食は雑穀に雑菜などを炊きこんだ粗末なもので、米などめったに食べられなかったようですね。
現在は1日3食が普通になっていますが、昔は朝と夕の2食。
3食になったのは元禄時代だといいます。
経済成長や照明器具の発達により仕事の時間が長くなったり夜更かししたりでお腹も空きますし、徐々に3食になっていったとか。
それでも現在に比べたら粗食です。
時代が飛んで現代になりますと、なんとまあ食べ物の溢れかえっていることか。
余り過ぎて廃棄までしています。
飽食の時代なんていいますが、日本の食料自給率は30パーセント台。
先進国では最低です。
食料を自給できないような国が大量の食料を廃棄しているなんて正気の沙汰ではないですよね。
この本を読みますと日本人の食の歴史というのはほんとに質素なものだったということがわかります。
なので成人病などとは無縁でした。
逆に栄養失調はありましたけどね。(笑)
著者は『三里四方の野菜』を提案しておられます。
自分の住む三里四方の“野菜”を食べていれば病気にもならず長生きできると古くから言われていることです。
“野菜”といっても海や川、山で採れた肉や魚も含みます。
そして地野菜、庭で飼っている鶏の卵、自家製の味噌など。
それらの食文化があって日本は長寿の国となりました。
しかし現代には無理な話です。
ですができるだけ食品添加物の入った食品は避ける、漂白したような見た目だけ綺麗な野菜は避けるなど、現代なりの手はあります。
少しでも心掛けたいものです。
ラベル:グルメ本
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