2018年06月22日

「ジゴロ」中山可穂

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カイは新宿2丁目で歌っているストリートミュージシャン。
そんな彼女に惹かれて何人もの女性が近づいてきます。
カイはまるでジゴロのように人妻や高校生と逢瀬を重ねます・・・・。
連作短編集です。
恋人のいるカイですが、相手は仕事が忙しく満たされていません。
その寂しさを埋めようとしているようでもありますし、自由に恋愛を楽しんでいるともいえます。
カイを中心とした連作ではありますが、「ダブツ」は女子高生、「恋路すすむ」という作品はラテン音楽の元歌手で現在は飲み屋のママをしている女性が主人公。
作者はあとがきでその2作が気に入っていると書いておられますが、私は中でも「恋路すすむ」が熱くて壮絶で印象的した。
この激しさはさすがの中山可穂です。
やっぱりこの作家さんはいいなぁ。
ラベル:小説
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2018年06月08日

「何をいまさら」ナンシー関

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「何様のつもり」に続いて「何シリーズ」の第2弾です。
今回もいろんな著名人が登場するわけですが、表紙はジャイアント馬場ですね。
『意味を寄せ付けないでかさ』と指摘しておられます。
葉巻をくゆらせ高く足を組んで立派な椅子にゆったりと座る馬場。
たしかに圧倒的な存在感で、ただもう馬場であるというしかないですね。
プロ野球選手になったばかりの松井秀喜も登場。
野球の技術もそうですが、その超高校級の老け具合は『ぜったいに歳をごまかして』おり、『人生のどこかに空白があり、遠洋漁業のマグロ船に乗っていたのではないか』と。
マグロ漁船て。(笑)
あのニキビ面も坂本九ではなくケーシー高峰の熟した感じに近いとか。
笑えます。
後半には人物評だけでなくエッセイも添えられています。
「3年の学習」に掲載された小学生読者へのメッセージなんてのも。
もちろん消しゴム版画は健在。
ラベル:エッセイ
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2018年05月15日

「ロリータ」ナボコフ

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下宿先の娘で12歳の少女ロリータに恋した30代のハンバート。
ハンバート曰く、ロリータは自分より何倍も歳上の男性に悪魔的な魅力をみせる“ニンフェット”です。
そんなロリータの気を引き関係を結ぶため、ハンバートはいろんな行動を取ります・・・・。
ロリータというと『ロリータ・コンプレックス』、いわゆるロリコンの語源です。
いい歳したオッサンが少女に恋し心も体を求めるという話で、それだけを聞くとポルノ小説かと思われがちですが、そのような生々しい描写はまったくといっていいほどありません。
しかし発表当時は発禁になったりもしたようですが、直接的な描写はないにしてもそれはやはり道徳的な問題によるものだったんでしょうね。
現在ではれっきとしたアメリカの古典文学として認識されているようです。
しかし私は正直退屈でしたね。
細かい文字で改行も少なくびっしりと460ページ。
疲れました。(笑)
ここまで長々と書く必要があるのかと。
作者は出版される前に4つの出版社に原稿を持ち込んで断られたようですが、その評価というのが読んでいて辟易するだの長すぎるだの話を変えろだの、いろいろとあったようです。
もちろん道徳的な嫌悪感も含めて。
それについて作者はあとがきで批判しておられますが、まあ一般的な感想としては妥当なものだと私は思いました。
同じように感じた私はまだまだ修行不足なんでしょう。(笑)
ラベル:海外小説
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2018年04月15日

「手塚治虫の冒険 戦後マンガの神々」夏目房之介

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1989年に手塚治虫が亡くなり、その後「手塚治虫はどこにいる」を書き下ろした著者。
それがきっかけとなり葛飾区教育委員会から手塚治虫についての講義を依頼され、まとめたのがこの本とのこと。
内容はもちろん手塚作品についてなのですが、その時代時代の手塚作品の表現を比較検証するため、他の漫画家の作品も多数取り上げられています。
田河水泡、佐々木マキ、福井英一、白土三平、水木しげるつげ義春大友克洋・・・・。
手塚マンガの変遷とともに戦後のマンガの変遷も解き明かしているわけです。
手塚治虫という人はとにかく描き直しをする人でした。
単行本になるときに描き直す、版が新しくなると描き直す。
それほどつねに表現が古くならないよう意識しておられたんですね。
またあれほどの大御所であってもつねに他のマンガ家の作品を意識しておられ、劇画の登場は以降の作風に大きな影響を与えました。
ひたすら生涯新人のような気持ちを持っておられたようです。
さて本書ですが、普通マンガ評論というとハードソフトで言えばどちらかといえばソフト面を論評する傾向があると思います。
ストーリーであるとかテーマであるとか作者の思想であるとか。
しかしこの著者はハード面にこだわっておられます。
絵ですね。
線、コマ割り、構図、心理描写の表現など。
線なども晩年の微妙な震えまで見極めておられます。
やはり描く立場の視線ということでもあるんでしょうか。
そう考えるとただサラリと読み流すだけではなく、マンガというのは実に見るべき箇所が多いということに気づきます。
奥が深い。
その奥の深さをマンガに持ち込んだのがこの手塚治虫です。
むやみやたらと国民栄誉賞を乱発させている昨今ですが、なぜ手塚治虫ほどの人物に与えなかったのか。
不思議でなりません。
ラベル:漫画本
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2018年03月16日

「スイートデビル・キス」七福さゆり

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瀬名華乃は大学を卒業後、中小企業で事務として働く24歳です。
優斗という2歳年下の弟がいるのですが、これがまた天使のように美しい青年です。
実は華乃と優斗は血がつながっていない姉弟です。
そんな弟にキスされる夢を中学生の時から毎晩見るようになってしまい、華乃は悩んでいます。
いくら血のつながりがないとはいえ、弟とそんなことをするなんて。
華乃は一人暮らしすることを決意します。
年齢的なこともありますが、やはりこんな夢を毎晩のように見るようでは。
優斗から離れて生活しなければ。
しかし一人暮らしを始めたものの、下着泥棒が出没。
両親が心配し、優斗がいれば安心だと一緒に住むことになるのですが・・・・。
このエタニティシリーズを何冊も読んできて、だいたいパターンは一緒だなと思っています。
相手は大会社の御曹司なんてのが多いですね。
そんなムシのいい話があるかとツッコミたくなります。(笑)
職場もお互い会社の中で花形な部署だったり。
それに比べるとこれはちょっと趣向が変わっていて、華やかな職場でもなく相手はお金持ちのボンボンでもなく、弟です。
もちろんイケメンであるというのはお約束ですけども。
この弟の天使のような笑顔とエッチのときのギャップがいいんですよね。
エッチに関してはやたらと乳首責めが出てきます。
作者の性癖でしょうか。(笑)
こういうシーンには作者の好みというか個性が表れて楽しい。
特に話に破綻もなく楽しく読むことができました。
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