2017年09月11日

「ホテルオークラ 総料理長の美食帖」根岸規雄

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ホテルオークラといえば、帝国ホテル、ホテルニューオータニと並んで日本のホテルの御三家ですよね。
著者はホテルオークラの第四代総料理長だった人。
これはもう料理人としては相当な地位といっていいでしょう。
特に昔はフランス料理といえばホテルのレストランという風潮でしたし、その中でもホテルオークラと帝国ホテルはフランス料理においては双璧でした。
そんな流れを受け継いでの総料理長ですから。
本書では著者がホテルオークラに入社し、総料理長になり、引退するまでの半世紀が語られています。
ご自身の経歴を語りつつ、料理だけに限らずホテルオークラの歴史も紹介しておられます。
オークラ開業のいきさつ、コンセプトなど。
創業者のゆるぎない信念をうかがうことができます。
料理に関して言えば、最後の章で「絶対の一品」というのを紹介しておられます。
例えば『ダブルコンソメ』。
ホテルオークラの顔といってもいい料理なのですが、いまだにコンソメスープをメニューに載せているというのがやはり大ホテルレストランの底力でしょうか。
いまどき街中のレストランできっちりと手間をかけて自家製のコンソメスープを出している店なんてほとんどないのでは。
ホテルオークラでは開業以来の味をずっと受け継いでいるようです。
といっても著者の代で思い切った改良をおこなったそうですが。
その他、『特製和牛とろとろカレー』、『ビーフストロガノフ』、『伝統のローストビーフ』など。
カタカナのフランス語でなんたらのなんとかかんとかといった料理ではなく、思いっきり定番の料理を「絶対の一品」として自信をもって紹介する凄み。
さすがです。
ちなみに著者の師は小野正吉氏。
日本のフランス料理界に多大な貢献をしたシェフです。
その小野氏が生前口にしていた言葉。
「料理人は客よりうまいものを食え」
他にもいろいろありますが、著者がいまも大切にしている珠玉の言葉だといいます。
まさしく。
本書でも料理を作る側としての立場だけではなく、食べ手としてフランスの三つ星を訪れた感想も書いておられます。
料理人の本は今まで何冊も読んできましたが、このようにホテルという組織でやってこられて、丁稚の修業話という体ではなくしっかりと周りのことも冷静に書いておられるのには好印象を持ちました。
ラベル:グルメ本
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2017年01月08日

「人生解毒波止場」根本敬

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世の中、変な人がいます。
そんな人たちに関わり、その言動を観察したエッセイです。
電波系の喫茶店ママ、ゴミ屋敷の老婆、日本一のM男、大阪西成の自称画白(伯)・・・・。
今の日本は気取って綺麗なものばかりになってしまったというのが著者の弁だそうですが、まあたしかに昔にくらべると皆小奇麗で常識的にはなりましたね。
ある意味キョーレツな個性の人が少なくなったといいますか。
電波系の人たちなんてのは安全地帯から観察しているぶんには面白いですが、隣近所にいるとちょっと勘弁願いたいところです。
でもいったい何がまともなんでしょう。
現在の一般常識的な人たちがはたして本当にまともなのか。
変人といわれる人は少数だからそのように扱われているだけではないのか。
むしろ変人として生きたほうが楽ではないのか。
そのようなことも思ったりしました。
それはともかく、著者は「ガロ」で昔から個性のきっついマンガを描いてこられたマンガ家です。
この本に登場する人たちはかなりのものですが、それを喜んで受け入れる著者もさすがといいますか。
類は友を呼ぶのでしょうか。(笑)
ラベル:エッセイ
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